カナダのミュージシャン(カナダ・コンテンツと音楽賞の仕組み)
カナダには、ラジオで流す曲の一定の割合をカナダの曲にする「カナダ・コンテンツ(Canadian content)」の決まりがあり、どの曲がカナダの曲かは MAPL という基準で決まります。連邦政府はカナダ音楽基金(Canada Music Fund)で音楽家を支え、ジュノー賞やポラリス音楽賞などの賞があります。
「カナダの曲」を決める MAPL
カナダのラジオやテレビを監督するカナダ・ラジオテレビ通信委員会(Canadian Radio-television and Telecommunications Commission、CRTC)は、どの曲を「カナダの曲」とみなすかを、ラジオ規則(Radio Regulations)で決めています。CRTC の説明ページ(新しいタブで開く)によると、その基準が MAPL です。
| 文字 | 意味 | 条件 |
|---|---|---|
| M(Music) | 作曲 | 曲をすべてカナダ人が作曲した |
| A(Artist) | 演奏・歌 | 主にカナダ人が演奏している、または歌っている |
| P(Performance) | 演奏の場所 | カナダ国内で全部録音したライブ演奏、またはカナダで全部演奏してカナダで生放送したもの |
| L(Lyrics) | 作詞 | 歌詞をすべてカナダ人が書いた |
ふつうは、この4つのうち2つ以上に当てはまると、カナダの曲(Canadian selection)として数えられます。1972年1月より前に録音された曲は1つでよいなど、特別な場合もあります。
ここでいう「カナダ人」には、カナダ市民のほか、永住者や、曲づくりや演奏の直前の6か月間カナダに住んでいた人も含まれます。
CRTC は、MAPL のねらいを、カナダの演奏家・作詞家・作曲家をカナダの人々に届けやすくし、カナダの音楽産業を強くすることだと説明しています。
ラジオで流すカナダの曲の割合
ラジオ規則(Radio Regulations, 1986)(新しいタブで開く)は、ポピュラー音楽(content category 2)について、次の割合を決めています(2026年10月時点)。
| 対象 | 決まり |
|---|---|
| 商業・コミュニティ・キャンパスの局 | 1週間に流す曲の35%以上をカナダの曲にする |
| 商業局(月〜金曜日の6時〜18時) | この時間帯も35%以上をカナダの曲にする |
| フランス語の局 | 1週間に流す歌の65%以上をフランス語の曲にする |
| フランス語の商業局(月〜金曜日の6時〜18時) | この時間帯は歌の55%以上をフランス語の曲にする |
国の支援:カナダ音楽基金
カナダ文化遺産省(Canadian Heritage)のカナダ音楽基金(Canada Music Fund、CMF)(新しいタブで開く)は、さまざまなカナダの音楽家が国内外の聴き手に届くように支える制度です。
- 個人の音楽家の活動(録音、宣伝、聴き手を広げる活動など)を助ける部分と、音楽業界全体の取り組みを助ける部分がある。
- 英語圏では FACTOR、フランス語圏では Musicaction という団体が、基金の運営を担っている。
- 連邦政府は、2024-25年度から2年間で C$3,200万を出すと発表している。
主な音楽賞(アルファベット順)
| 賞 | 運営 | 仕組み(運営団体の説明) |
|---|---|---|
| JUNO Awards(ジュノー賞) | Canadian Academy of Recording Arts and Sciences(CARAS) | CARAS は1975年に、毎年のジュノー賞を運営するためにつくられた団体。それまでは RPM という媒体の読者が受賞者を選んでいたが、CARAS ができてからは音楽業界の会員が投票するようになった。CARAS はカナダ音楽の殿堂(Canadian Music Hall of Fame)も運営している |
| Polaris Music Prize(ポラリス音楽賞) | Polaris Music Prize(慈善団体) | その年に最も芸術的に重要なアルバムと曲を、200人以上の批評家やキュレーターの審査員が選ぶ。ジャンルや売り上げに関係なく、芸術性だけで評価する。1回目の投票でアルバム40作の候補(Long List)、2回目で10作(Short List)に絞り、11人の審査員が話し合って決める。受賞は毎年9月にトロントで発表される |
ジュノー賞のCARAS の紹介ページ(新しいタブで開く)や、ポラリス音楽賞の紹介ページ(新しいタブで開く)に、それぞれの賞の仕組みが説明されています。
ここに注意してね!
- カナダでは、法律にもとづいて、ラジオで流す曲の一定の割合をカナダの曲にすることが決まっています。英語の局とフランス語の局で、決まりが違います。
- 「カナダの曲」かどうかは国籍だけでなく、作曲・演奏・録音の場所・作詞の4つの条件で決まります。
- 公共放送の音楽番組は「公共放送(CBC・Radio-Canada)」、夏の音楽祭は「モントリオールの夏の祭り」で扱います。
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