飲酒・大麻運転の罰則(Impaired driving)
カナダでは、酒や大麻などの薬物で運転能力が少しでも落ちた状態の運転は刑法上の犯罪です。血中アルコール濃度80mg/100ml以上などは、それだけで罪になります。州の罰則も重なり、オンタリオ州では0.05から免許停止になります。在留資格に影響することもあります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
少しでも能力が落ちた運転は犯罪
カナダでは、飲酒運転・薬物運転は刑法(Criminal Code)上の犯罪です。カナダ司法省(Department of Justice Canada)は、刑法が、酒・薬物またはその両方で運転能力が少しでも落ちた状態での運転を禁じていると説明しています。罰則は、最低限の罰金から終身刑まであります。
このほかに、運転してから2時間以内に、血中の酒や薬物の濃度が決まった値を超えていること自体も、別の犯罪です。
司法省は、州・準州にも別の法律や規則があると注意しています。カナダで飲酒運転をすると、刑法の罰則と州の行政処分の両方を受けることがあります。
禁止されている濃度(刑法)
| 対象 | 禁止される値(血液) |
|---|---|
| アルコール | 100mlあたり80mg以上 |
| 大麻(THC) | 1mlあたり2ng以上5ng未満(軽いほうの罪)、5ng以上(重いほうの罪) |
| アルコールと大麻の両方 | アルコール100mlあたり50mg以上、かつTHC1mlあたり2.5ng以上 |
| LSD、コカイン、メタンフェタミンなど | 検出される量があれば禁止 |
オンタリオ州は、大麻の運転への罰則は飲酒運転と同じだとしています。処方薬や市販薬でも、運転能力が落ちれば対象になります。
警察の検査
- 呼気検査は理由がなくても求められる:司法省によると、警察は、適法に止めた運転者なら誰にでも、飲酒の疑いがなくても呼気の検査(preliminary breath sample)を求められます。
- 唾液の薬物検査:薬物を使った疑いがあるとき、警察は唾液の検査を求められます。目の充血、筋肉の震え、話し方の異常などが疑いの根拠になります。
- そのほかの検査:歩行などで見る標準のしらふ検査(Standard Field Sobriety Test)や、薬物の専門家による評価(Drug Recognition Expert Evaluation)もあります。
検査を拒むことも犯罪で、罰則があります。
刑法の罰則
刑法第320.19条は、主に次の罰則を決めています。
| 内容 | |
|---|---|
| 1回目 | 最低C$1,000の罰金 |
| 1回目(アルコール120mg以上160mg未満) | 最低C$1,500の罰金 |
| 1回目(アルコール160mg以上) | 最低C$2,000の罰金 |
| 1回目(検査の拒否) | 最低C$2,000の罰金 |
| 2回目 | 最低30日の拘禁刑 |
| 3回目以降 | 最低120日の拘禁刑 |
| 最高刑 | 起訴で10年の拘禁刑 |
THCが2ng以上5ng未満の軽いほうの罪は、最高C$1,000の罰金です。人にけがをさせた場合は、起訴されると最高14年の拘禁刑です(刑法第320.2条)。死なせた場合は、司法省によると最高で終身刑です。
州・準州ごとの違い(オンタリオ州とBCの例)
州は、刑事裁判とは別に、その場での免許停止や車の差し押さえなどの処分を決めています。オンタリオ州の処分は次のとおりです(2026年10月時点)。BCの処分は、この節の後半にあります。
0.05〜0.079(warn range)
血中アルコール濃度が0.05から0.079の人や、しらふ検査に落ちた人が対象です。
| 回数 | 処分 |
|---|---|
| 1回目 | その場で7日間の免許停止、8時間の講習、C$250 |
| 2回目 | その場で14日間の免許停止、16時間の治療プログラム、C$350 |
| 3回目 | その場で30日間の免許停止、16時間の治療プログラム、6か月のイグニッション・インターロック(呼気で酒を検知すると車がかからない装置)の条件、C$450 |
0.08以上、検査の拒否
血中アルコール濃度0.08以上、検査を拒んだり受けなかったりした人、薬物の評価で結果が悪かった人が対象です。
- その場で90日間の免許停止
- 7日間の車の差し押さえ
- 講習か治療プログラム
- C$550
- 3回目は6か月のイグニッション・インターロックの条件
免許が停止されるたびに、免許を戻す手数料もかかります。
刑事裁判で有罪になったとき
オンタリオ州は、刑事裁判で有罪になると、年齢や免許にかかわらず、さらに次の処分があるとしています。
- 1回目:1年以上の免許停止、講習か治療プログラム、1年以上のイグニッション・インターロック
- 10年以内の2回目:3年以上の免許停止
- 10年以内の3回目:生涯の免許停止(条件を満たせば10年後に短くなることがある)
- 10年以内の4回目:短くならない生涯の免許停止
若い人と初心者はゼロ
オンタリオ州では、21歳以下の人と、G1・G2・M1・M2の免許の人は、体内にアルコールも薬物もあってはいけません。業務用の大型車両などの運転者も同じです。段階式免許制度は段階式免許制度で説明しています。
BC:道路上での運転禁止(IRP)
BCでは、警察が道路上で認定の呼気検査器(approved screening device)を使います。BC州のRoadSafetyBCのページ(新しいタブで開く)によると、結果が「Warn」(血中アルコール濃度0.05以上)か「Fail」(80mg/100ml以上)だと、警察は免許を取り上げ、その場から始まる運転禁止の通知を出せます。これが道路上での運転禁止(Immediate Roadside Prohibition、IRP)です。1回目の呼気の結果で通知を受けるときは、別の検査器で2回目の検査を受けられ、低いほうの結果が使われます。
処分と費用の目安は次のとおりです(2026年10月時点。税別)。Warnの回数は5年以内で数えます。
| 検査の結果 | 運転禁止 | 車の差し押さえ | 差し押さえ・レッカーの費用 | 行政罰金 | 免許を戻す手数料 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Warn 1回目 | 3日 | 3日 | C$150以上 | C$200 | C$250 | C$600 |
| Warn 2回目 | 7日 | 7日 | C$230以上 | C$300 | C$250 | C$780 |
| Warn 3回目 | 30日 | 30日 | C$680以上 | C$400 | C$250 | C$1,330 |
| Fail、呼気の提出を拒否 | 90日 | 30日 | C$680以上 | C$500 | C$250 | C$1,430 |
- レッカーの費用は、ふつうの大きさの車を10km運んだ場合です。距離や車の大きさで高くなります。
- 3日・7日の運転禁止では、警察が車を差し押さえることがあります。30日・90日では必ず30日差し押さえます。
- RoadSafetyBCは、イグニッション・インターロックのプログラムや、運転者向けの再教育プログラム(Responsible Driver Program)への参加を求めることがあり、その費用もかかります。保険料が上がる分は上の合計に入っていません。
- 警察は、IRPの代わりに90日の行政上の運転禁止(Administrative Driving Prohibition)を出したり、刑法で起訴したりすることもあります。
- 3日・7日・30日・90日の運転禁止は、オンラインで見直し(review)を申し込めます。
ほかの州・準州も、独自の処分を決めています。住んでいる州の運輸の担当機関で確かめます。
費用
罰則の罰金や行政処分の金額のほかに、免許を戻す手数料がかかります。オンタリオ州とBCの行政処分の金額は上の表のとおりです(2026年10月時点)。
ここに注意してね!
- 在留資格への影響:移民・難民・市民権省(IRCC)は、酒や薬物の影響下での運転を、カナダへの入国が認められなくなる(犯罪による入国不可、criminally inadmissible)ことがある犯罪の例に挙げています。就労許可・学習許可・永住権などへの影響は、事情によって違います。罪に問われたら、弁護士やRCIC(登録移民コンサルタント)に相談します。
- 国籍に関係なく対象:旅行者やワーキングホリデーの人も、カナダの法律で処分されます。
- 飲んだら運転しない:オンタリオ州は、運転しない人を決める、公共交通機関やタクシーを使う、泊まるなど、帰り方を前もって決めるよう勧めています。
- ボートやスノーモービルも対象:オンタリオ州の飲酒運転の法律は、車のほか、ボート、スノーモービル、オフロード車にも当てはまります。
- 個別の判断:処分や裁判の見通しは、弁護士に相談します。
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