段階式免許制度(Graduated licensing、GLP・G1/G2)
カナダで初めて免許を取る人は、仮免許から始めて段階を踏み、正式な免許になります。オンタリオ州はG1・G2・Gで路上試験が2回、BCはL・N・Class 5の順で、2026年10月19日から2回目の路上試験がなくなります。日本の免許から切り替える人は、運転経験などによってこの制度の途中から入ることがあります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
段階を踏んで正式な免許になる
カナダの運転免許は州・準州ごとの制度です。多くの州で、初めて免許を取る人は段階式免許制度(graduated licensing)を通ります。仮免許で経験のある人と一緒に練習し、次に1人で運転できる段階に進み、最後に正式な免許になる仕組みです。
オンタリオ州は、新しい運転者が時間をかけて練習と経験を積めるように作られた制度だと説明しています。各段階には、飲酒の禁止などの決まりがあります。
この記事では、日本人が多く住むオンタリオ州とBCの制度をまとめます。ほかの州・準州も似た制度がありますが、段階の名前や期間は違います。
州・準州ごとの違い
| オンタリオ州 | BC | |
|---|---|---|
| 申請できる年齢 | 16歳以上 | 16歳の誕生日から |
| 1段階目 | G1(筆記試験と視力検査に合格) | L(learner’s licence。筆記試験と視力検査に合格) |
| 1段階目の期間 | ふつう12か月。認定の教習を終えると8か月 | 監督者と少なくとも1年練習 |
| 2段階目 | G2(G1の路上試験に合格) | N(novice licence。Class 7の路上試験に合格) |
| 2段階目の期間 | 12か月 | 違反による運転禁止のない安全運転で24か月以上。認定の教習を受けた人は18か月の場合あり |
| 正式な免許 | G(G2の路上試験に合格) | Class 5(2026年10月19日からは路上試験ではなく運転記録の審査。下を参照) |
| 期限 | 全体を5年以内に終える | ― |
| 全体の目安 | 約20か月 | 約3年 |
オンタリオ州:G1・G2・G
オンタリオ州の免許は15種類あり、乗用車・バン・小型トラックを運転するにはClass Gが必要です。16歳以上で、オンタリオ州の住民(旅行者ではない人)が申請できます。
G1
視力検査と、交通ルールと標識の筆記試験に受かるとG1が出ます。オンタリオ州の法律で、G1の人は次を守ります。
- 血中アルコール濃度をゼロに保つ
- 同乗者全員が正しく動くシートベルトを着ける
- 0時から5時の間は運転しない
- 400番台の高速道路(401号線など)や、QEW、Gardiner Expresswayなどの高速の自動車専用道路を走らない
- 正式な免許を持ち、運転経験4年以上の人と一緒に運転する。その人の血中アルコール濃度は0.05未満(21歳以下ならゼロ)
同乗する運転者は、前の席にいるもう1人だけでなければなりません。オンタリオ州の認定教官と一緒なら、どの道路も走れます。
G2
G1で12か月(認定の教習を終えた人は8か月)練習したら、1回目の路上試験を受けます。左折・右折、停止、縦列駐車、車線変更、3点ターンなど、基本の技能を見る試験です。受かるとG2になります。
G2では、経験のある運転者がいなくても、オンタリオ州のすべての道路を、ほとんどの時間帯に運転できます。ただし、次は続きます。
- 血中アルコール濃度をゼロに保つ
- 乗せられるのは、動くシートベルトの数まで
19歳以下のG2の人は、0時から5時の間に乗せられる19歳以下の同乗者が、最初の6か月は1人まで、その後は3人までです。運転経験4年以上の正式な免許の人が乗っているときや、同乗者が家族のときは、この決まりはかかりません。
G
G2で12か月たったら、2回目の路上試験を受けます。高速道路での合流など、より高度な技能を見る試験です。受かると正式なGの免許になります。
5年以内に全体を終えられないと、最初からやり直しです。G2の期限が近いときは、G1の路上試験を受け直してG2の期間をさらに5年得られます。
BC:L・N・Class 5
BCの免許の窓口はICBC(Insurance Corporation of British Columbia)です。段階式免許制度(Graduated Licensing Program、GLP)は、2026年10月19日に変わります(下の「Class 5」を参照)。
L(learner’s licence)
16歳の誕生日から取れます。19歳未満の人は、親か法定後見人の同意の署名が必要です。筆記試験は50問の選択式で、40問正解で合格です。オンラインでも受けられます。落ちても1日あければ受け直せますが、毎回手数料がかかります。
試験の勉強には、ICBCの手引き「Learn to Drive Smart」を使います。Lの免許は2年間有効です。期限が切れたら筆記試験を受け直しますが、路上試験までの待ち期間は延びません。
ICBCは、Lの人の制限として次を挙げています。
- 25歳以上で、有効なClass 1・2・3・4・5の免許を持つ監督者(qualified supervisor)が、助手席に座る
- 車の後ろにLの標示を付ける
- 血中のアルコール・薬物はゼロ
- 同乗者は、監督者のほかに1人まで
- ハンズフリーを含め、携帯電話などの電子機器を使わない(911への緊急の通報は除く)
- 0時から5時の間は運転しない
監督者の自動車保険に、運転者としてLの人を載せておくようにとICBCは案内しています。
N(novice licence)
資格のある監督者と少なくとも1年練習したあと、Class 7の路上試験を受けます。受かるとNになります。
Nになると1人で運転できます。ICBCは、Nの人の制限として次を挙げています。
- 血中のアルコール・薬物はゼロ
- 車の後ろにNの標示を付ける
- ハンズフリーを含め、携帯電話などの電子機器を使わない(911への緊急の通報は除く)
- 同乗者は1人まで(近い家族は数えない)。25歳以上で有効なClass 1・2・3・4・5の免許を持つ監督者が一緒なら、この制限はない
L・Nの制限を破ったり、ほかの違反切符や運転禁止を受けたりすると、段階式免許の運転者向けの罰則(graduated licensing penalties)の支払いが必要です。違反切符を1枚受けただけでも運転記録が審査され、運転禁止になることがあります。
Class 5
ICBCによると、2026年10月19日から、運転記録に問題のないNの人は、Class 5になるための2回目の路上試験を受けません。代わりに運転記録の審査(Driving Record Assessment)を受け、そのあと12か月の制限つきの期間に入ります。
審査を受けられる条件は次のとおりです。
- 25歳未満:24か月以上の安全運転(Lの段階でICBCが認めた教習を終えた人は18か月)
- 25歳以上:12か月以上の安全運転
- その期間に、スピードの出しすぎや電子機器の使用で有罪になっていないこと、運転禁止や免許停止の処分がないこと
2026年10月19日以降に予約していた2回目の路上試験は、取り消されます。くわしくはICBCの案内(新しいタブで開く)にあります。
手順
- 住んでいる州の手引き(オンタリオ州は「Official MTO Driver’s Handbook」、BCは「Learn to Drive Smart」)で勉強する。
- 窓口(オンタリオ州はDriveTestセンターなど、BCはICBCの免許窓口)で視力検査と筆記試験を受け、G1かLを取る。
- 決まりを守りながら、経験のある運転者と一緒に練習する。
- 期間がたったら、1回目の路上試験を予約して受ける(G2かNになる)。
- 期間がたったら、オンタリオ州は2回目の路上試験を受けてGを取る。BCは2026年10月19日から、運転記録の審査を受けてClass 5に進む。
オンタリオ州の路上試験は、オンライン、電話(647-776-0331、1-888-570-6110)、DriveTestセンターで予約できます。予約を取り消すときは、48時間前までに連絡しないと取り消しの手数料がかかります。
費用
申請と試験には手数料がかかります。オンタリオ州は料金をDriveTestの料金表で、BCはICBCの料金のページで案内しています(2026年10月時点)。オンタリオ州の運転者ハンドブックは、オンライン版もあります(2026年10月時点)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の免許を持つ人は途中から入ることがある:日本の免許から切り替える人は、運転経験などによって、いきなり正式な免許になる場合と、制度の途中から始める場合があります。BCでは運転経験2年未満の人はClass 7(N)になります(BC州の免許切り替え)。オンタリオ州は、運転経験の長さなどによって試験が必要になることがあるとしています(オンタリオ州の免許切り替え)。
- 最初の段階は1人で運転できない:G1やLの段階では、条件を満たす運転者の同乗が必要です。この段階が8〜12か月以上続きます。
- 飲酒はゼロ:G1・G2、L・Nの段階では血中アルコール濃度ゼロが決まりです。飲酒運転の罰則は飲酒・大麻運転の罰則で説明しています。
- 仮免許は切り替えの対象外:オンタリオ州は、どこの国・州の仮免許(learner’s permit)も交換できないとしています。
- 家族の運転練習:子どもがカナダで免許を取るときは、同乗する親にも、経験年数や飲酒の条件があります。個別の条件は州の窓口に確かめます。
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