州外・国外での医療と保険の扱い(Coverage outside your province)
州の医療保険は、カナダ国内のほかの州でも医師の診察や公立病院の医療に使えるのが基本ですが、ケベック州ではその場で払うよう求められることがあります。国外での医療は、州の保険が払う額がごく一部(入院はBCで1日C$75、アルバータ州・ケベック州で1日C$100まで)にかぎられます。日本への一時帰国も含め、出国前に旅行保険に入ることが勧められています。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
州の保険はどこまで使えるか
カナダの公的な医療保険は、州・準州ごとの制度です。自分の州の外で病気やけがをしたときに、どこまで保険が使えるかは、国内のほかの州か、国外かで大きく違います。
- カナダ国内のほかの州:医師の診察や公立病院の医療は、ヘルスカードを見せれば使えるのが基本
- 国外:州の保険が払うのは、ごく一部だけ
カナダ政府の旅行情報のページ(新しいタブで開く)は、州・準州の保険は国外での医療費を一部しか払わないか、まったく払わないことがあり、立て替えて払ってくれることもないと説明しています。カナダ政府が医療費を払うこともありません。
カナダ国内のほかの州で
使えるもの
オンタリオ州政府のページ(新しいタブで開く)によると、ほかの州・準州で有効なオンタリオ州のヘルスカードを見せれば、次のものに使えます。
- 医師の診察(ウォークインクリニックの受診など)
- 公立病院の医療(救急、検査など)
BC州政府のページ(新しいタブで開く)も、ほかの州・準州の医師の多くは、BCサービスカードを見せれば地元の州の保険に請求するとしています。ただしケベック州では、医師の診察料をその場で払い、あとでBCの医療保険(MSP)に払い戻しを求めるよう言われることがあります。
アルバータ州政府のページ(新しいタブで開く)も、アルバータ州の医療保険(Alberta Health Care Insurance Plan、AHCIP)は、ほかの州の医師と病院の保険の対象の医療に使えるとしています。ケベック州の医師にはその場で払うよう求められることがあり、その場合は領収書をAHCIPに出して払い戻しを求めます。
ケベック州の住民がほかの州で医療を受ける場合は、ケベック州健康保険公社(Régie de l’assurance maladie du Québec、RAMQ)のページ(新しいタブで開く)によると次のとおりです。
- 病院の医療(入院・外来):州どうしの取り決めでRAMQが全額を払うため、ケベック州の医療保険証を見せれば払う必要はない
- 医師・歯科医師・検眼医の診療(ケベック州で保険の対象のもの):医師がケベック州の料金での支払いに同意しなければ、保険証を断られることがある。その場合は自分で払い、あとでRAMQに払い戻しを求める。払い戻しはケベック州の料金が上限
使えないもの
州の外では、次のような費用は保険の対象外になりやすいです。
- 救急車(オンタリオ州・BCとも州の外では補助しない。ケベック州も州の外での地上・航空の救急搬送は対象外)
- 病院の外で出される処方薬(BCの薬代補助 PharmaCare も、BCの外で受け取った薬は対象外。ケベック州も州の外で買った薬は対象外)
- 医療を受けるための食事・交通・宿泊の費用(アルバータ州)
- 個室・準個室の料金、ケベック州へ連れ帰る費用(ケベック州)
- 在宅ケア、私立の病院・施設の料金など(オンタリオ州)
国外で
国外の医療は、州の保険が払う額に上限があります。2026年10月時点の公式ページの内容です。
| 項目 | BC(MSP) | アルバータ州(AHCIP) | オンタリオ州(OHIP) | ケベック州(RAMQ) |
|---|---|---|---|---|
| 対象 | — | 救急の医師・病院の医療のみ | 救急のみ | 病院の医療は急な病気・事故のときのみ |
| 医師の診察 | BCで同じ診療を受けた場合の額まで | 実際の請求額か、アルバータ州の医師への支払額の低いほう | 実際の請求額か、オンタリオ州の医師への支払額の低いほう | ケベック州の料金まで(歯科医師・検眼医も) |
| 外来(病院) | — | 1日C$50まで(1日1回) | 1日C$50まで | 1日C$50まで |
| 入院 | 1日C$75まで | 1日C$100まで | 集中治療室・手術室などは1日C$400まで、それ以外は1日C$200まで | 1日C$100まで |
| 処方薬・救急車 | 対象外 | 対象外 | — | 対象外(入院中に使う薬は病院の医療に含まれる) |
ほかの州・準州は各州の窓口へ。
ケベック州では、人工透析と必要な薬は、入院かどうかにかかわらず1回C$220まで払い戻されます。アルバータ州は、救急でない治療や手術、医師以外の医療職の診療も対象外としています。
BCのページは、アメリカの病院の費用は1日C$1,000を超えることが多いと説明しています。差額は自分で払うか、民間の保険で払うことになります。
長く州を離れるとき
保険を続けるには、州に住み続けている必要があります。
- BC:1暦年に6か月以上州を離れる人は、Health Insurance BC(1-800-663-7100)に連絡して、保険を続けられるか確かめます。条件を満たすカナダ市民・永住者は、5年に1回、最長24か月続けて離れても保険を保てます(BCの一時的に離れる人向けのページ(新しいタブで開く))。
- アルバータ州:ほかの州・準州なら続けて12か月未満、国外なら続けて6か月未満の滞在なら保険を保てます。12か月のうち183日以上州にいない場合は、AHCIPに連絡します。仕事での不在は最長48か月、旅行・教育休暇などは最長24か月、全日制の学生はその期間、保険を保てる場合があります(アルバータ州の州を離れる人向けのページ(新しいタブで開く))。
- ケベック州:住民は、1暦年に183日以上ケベック州を離れると、保険の対象でなくなります。国外から来て一時的に対象になっている人は、続けて21日を超えて離れると、その間は対象外になります。例外もあるため、出発の前にRAMQに連絡して確かめます。
- オンタリオ州:12か月のうち7か月を超えて離れる場合でも、直前の2つの12か月にそれぞれ153日以上州にいたなどの条件を満たせば、最長2年まで保険を保てることがあります(オンタリオ州のページ(新しいタブで開く))。
費用
払い戻しの請求には期限があります(2026年10月時点)。
- BC:医師の診療は受けた日から90日以内、入院(と関連する診療)は退院から6か月以内
- アルバータ州:受けた日から365日(1年)以内。国外の書類は医療機関の正式な明細か便箋のもので、英語以外の書類には英訳が必要
- オンタリオ州:受けた日から12か月以内。「Out of Province/Country Claims Submission」の様式に、医療機関の明細と支払いの証明の原本を付けて送る
手順
- 出発前に、自分の州の保険が行き先でどこまで使えるかを確かめる。
- カナダ国外へ行くときは、1日だけでも旅行保険に入る。カナダ政府は、医療上の搬送、持病(既往症)、亡くなった場合の遺体の搬送の3つを必ず確かめるよう勧めている。
- 持病がある人は、それが保険で補償されることを書面で確かめる。
- 長く州を離れる人は、州の窓口に連絡して、保険を続けられるかを確かめる。
- 現地で払った場合は、明細と領収書を保管し、期限内に州の保険に払い戻しを請求する。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダの州の保険は国外の医療にも一部を払いますが、上限が低く、入院では自己負担がとても大きくなることがあります。立て替えてもくれません。
- 日本への一時帰国も「国外」です。日本で受けた医療費は、州の保険からはごく一部しか戻りません。
- 国内でも、ケベック州では立て替えが必要になることがあります。救急車や処方薬は州の外では対象外になりやすいです。
- 自分の場合にどこまで払い戻されるかの判断は、州の保健省の窓口に問い合わせてください。
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