日本人のためのカナダ情報
基礎知識 / 地理・州と準州

五大湖とセントローレンス川(Great Lakes and St. Lawrence River)

在住旅行留学ワーホリ駐在 オンタリオ州ケベック州
ひとことで言うと

五大湖は世界の地表の淡水のほぼ20%をたたえ、カナダ人の3人に1人がそのまわりに住んでいます。五大湖から大西洋へ流れるセントローレンス川とあわせて、飲み水、産業、船の交通を支えています。連邦政府とオンタリオ州の案内をもとにまとめます。

目次
  1. 五大湖とは
  2. 数字で見る五大湖
  3. セントローレンス水路
  4. 守るための取り組み
  5. 日本との違い・注意点
オンタリオ州ブルース半島国立公園のキャンプ場の岸から見た、湖の日の出
Photo: Mike Markov / Unsplash

五大湖とは

五大湖(Great Lakes)は、カナダとアメリカの国境にまたがる大きな湖の集まりです。環境・気候変動省(Environment and Climate Change Canada、ECCC)の水位の報告では、スペリオル湖(Lake Superior)、ミシガン・ヒューロン湖(Lake Michigan–Huron)、セントクレア湖(Lake St. Clair)、エリー湖(Lake Erie)、オンタリオ湖(Lake Ontario)ごとに水位をまとめています。ミシガン湖とヒューロン湖は、水位の上では1つの湖として扱われています。

五大湖の水は、セントローレンス川(St. Lawrence River)を通って大西洋へ流れます。カナダ側では、オンタリオ州とケベック州がこの水系に面しています。

数字で見る五大湖

連邦政府の五大湖の概要(新しいタブで開く)によると、五大湖は次のような存在です。

項目内容
淡水世界の地表の淡水のほぼ20%
住む人カナダ人の3分の1が五大湖のまわりに住む
飲み水カナダ人の4人に1人の飲み水になっている
生き物4,000種の植物と動物を支えている
経済数十億ドル規模の経済活動の土台

オンタリオ州政府は、オンタリオ州の人の多くが五大湖・セントローレンス川の流域に住んでいると説明しています。州によると、カナダの製造業のほぼ50%、オンタリオ州の発電の83%、オンタリオ州の農地の95%が、この流域に頼っています。

市民権の学習用ガイド「Discover Canada」は、五大湖とセントローレンス川の近くの都市や町に、カナダの人口の半分以上が住んでいるとしています(地方の分け方)。

セントローレンス水路

五大湖とセントローレンス川は、船の大切な通り道でもあります。カナダ運輸省(Transport Canada)のセントローレンス水路の資料(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。

  • セントローレンス水路(St. Lawrence Seaway)は、カナダとアメリカが共同で持つ、モントリオールとエリー湖の間の深い内陸の水路です。
  • モントリオール〜オンタリオ湖の区間には7つの閘門(こうもん、船を上げ下げする施設)があり、5つがカナダ、2つがアメリカのものです。この区間は1959年にできました。
  • オンタリオ湖とエリー湖をつなぐウェランド運河(Welland Canal)には、カナダの閘門が8つあります。いまの運河は1932年にできました。
  • 五大湖・セントローレンス水路の全体は、大西洋から内陸へ3,700kmのびる交易の通り道で、100以上の港や埠頭を結んでいます。

守るための取り組み

連邦政府は、五大湖が抱える問題として、大規模な藻の発生、有害な物質の流出、水にすむ外来種、生き物とすみかの減少、魚を食べることの制限、ビーチの閉鎖などを挙げています。

これに対して、次のような取り決めがあります。

  • カナダ・アメリカ五大湖水質協定(Great Lakes Water Quality Agreement):2012年の協定が、国境をこえた水質を守る枠組みになっています。
  • カナダ・オンタリオ協定:連邦政府とオンタリオ州が協力して、五大湖の水質と生態系を守るための取り決めです。
  • オンタリオ州の五大湖保護法(Great Lakes Protection Act):オンタリオ州は2015年にこの法律を作りました。

ここに注意してね!

  • 五大湖の浜でも、離岸流や水の汚れに注意が必要です。ビーチの水質や泳ぐときの注意は「海辺の安全」と「川と湖の安全」で扱います。
  • 五大湖とセントローレンス川の近くに、トロントやモントリオールなどの大都市があり、カナダの人口が集まっています。
  • 冬、五大湖の近くでは、湖から吹きこむ雪(スノースコール)で急に見通しが悪くなることがあります(吹雪と猛吹雪)。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

基礎知識地方の分け方(Regions of Canada)カナダの13の州・準州は、大西洋側・中部・プレーリー・西海岸・北部の5つの地方に分けて説明されることが多くあります。統計局の分け方では6つです。それぞれの地方に含まれる州・準州と特徴をまとめます。基礎知識地図で見るカナダ(Map of Canada)カナダは面積約1,000万km²で、世界で2番目に大きい国です。太平洋・大西洋・北極海の3つの海に面し、南はアメリカと国境を接しています。国土の大きな特徴と5つの地方、政府が無料で公開している地図をまとめます。自然・安全海辺の安全(潮と流木)(Beach and shoreline safety)カナダの海辺では、潮の満ち引き、波で転がる流木、離岸流、冷たい水に注意が必要です。湖や海の浜では、水の汚れで泳がないよう呼びかけられる日もあります。パシフィック・リム国立公園保護区とファンディ国立公園、トロント市の案内をもとにまとめます。地域ガイドオンタリオ州(Ontario、ON)カナダ中東部の州で、州都はトロント、首都オタワもこの州にあります。2021年国勢調査の人口は約1,422万人でカナダ最多。日本生まれの人は12,825人で、BC州に次いで多く住んでいます。地域ガイドケベック州(Québec、QC)カナダ東部の州で、州都はケベック・シティー、最大の都市圏はモントリオールです。フランス語が唯一の公用語で、州の行政は原則フランス語で行われます。2021年国勢調査の人口は約850万人、日本生まれの人は2,870人です。基礎知識カナダの気候(Climate of Canada)カナダの気候は地域によって大きく違います。西海岸のバンクーバーは1月の平均気温がプラス4.1°C、プレーリーのウィニペグはマイナス16.3°Cです。環境・気候変動省(ECCC)の1991〜2020年の平年値で、主な都市の気温と雪の量を比べます。