北極圏と北部の暮らし(Canada's Arctic and North)
ユーコン、ノースウエスト、ヌナブトの3つの準州は、国土の3分の1を占めますが、人口は全国の1%に届きません。道路のない地域が多く、食料などの値段が高いことが課題です。連邦政府の案内をもとに、カナダ北部の自然と暮らしの特徴をまとめます。
「北部」とはどこか
ふつう「北部(the North)」と言うと、3つの準州、ユーコン準州、ノースウエスト準州、ヌナブト準州を指します(地方の分け方)。
市民権の学習用ガイド「Discover Canada(新しいタブで開く)」によると、3つの準州は国土の3分の1を占めます。カナダ統計局の2021年国勢調査では、3つの準州の人口は合わせて約11万8,000人で、全国の1%に届きません(10州と3準州)。
連邦政府の「北極・北部政策の枠組み(Arctic and Northern Policy Framework)」では、3つの準州に加えて、イヌイットの暮らす地域「イヌイット・ヌナンガット(Inuit Nunangat)」の全体と、マニトバ州・ケベック州・ニューファンドランド・ラブラドール州の北部も対象にしています。
自然:白夜とツンドラ
Discover Canada は、北部の自然を次のように説明しています。
- 白夜の地:北部は「白夜の地(Land of the Midnight Sun)」と呼ばれます。夏のさかりには、日の光が24時間続くことがあります。
- ツンドラ:北部の多くは、岩の多い広い平原「ツンドラ」です。寒さのため木が生えず、土は一年中凍っています。
冬の夜が長い北部は、オーロラを見る場所としても知られています(オーロラ観賞)。気温は「カナダの気候」で扱います。
速く進む温暖化
北極・北部政策の枠組み(新しいタブで開く)は、カナダの北部は世界平均のおよそ3倍の速さで温暖化していると説明しています。
3つの準州
| 準州 | 州都 | 特徴(Discover Canada などから) |
|---|---|---|
| ユーコン準州 | ホワイトホース | 1890年代のゴールドラッシュで、何千人もの鉱山労働者が集まった |
| ノースウエスト準州 | イエローナイフ | イエローナイフは「北アメリカのダイヤモンドの都」と呼ばれる |
| ヌナブト準州 | イカルイト | 1999年にノースウエスト準州の東部から生まれた。「ヌナブト」はイヌクティトゥット語で「私たちの土地」 |
北部には金、鉛、銅、ダイヤモンド、亜鉛の鉱山があり、石油とガスの開発も進められています。
イヌイットと北部
イヌイットは、カナダの先住民の1つです。カナダ先住民関係・北方問題省(Crown-Indigenous Relations and Northern Affairs Canada、CIRNAC)のイヌイットのページ(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- イヌイット・ヌナンガットは「イヌイットの暮らす場所」という意味です。
- 4つの地域からなります。ノースウエスト準州とユーコン準州のイヌヴィアルイット(Inuvialuit)、ケベック州北部のヌナヴィク(Nunavik)、ラブラドールのヌナツィアヴト(Nunatsiavut)、そしてヌナブト準州です。
- この4つの地域は、国土の約40%にあたります。
- 2021年の国勢調査で、カナダのイヌイットは7万545人です。
- イヌイットの言葉イヌクトゥット(Inuktut)が地域全体で話され、地域ごとに方言があります。
北部の暮らしの特徴
交通
北極・北部政策の枠組みによると、およそ70の地域社会は、一年中使える交通手段が飛行機だけです。季節によって船や、凍った湖や川の上に作る「アイスロード」が使えるところもあります。インターネットが遅い地域や、携帯電話が使えない地域も多くあります。
物価と食料
北部は、生活費と、貧困・食料不足の割合が国内で最も高い地域の1つです。ヌナブト準州では、2世帯に1世帯が食料不足の状態にあるとされています。
連邦政府は「ニュートリション・ノース・カナダ(Nutrition North Canada)」という制度で、北部の小売店に補助を出し、食料の値段を下げています。制度のページ(新しいタブで開く)によると、一年中使える道路・鉄道・船の便がない、北部の124の地域社会が補助の対象です。狩りや漁など、伝統的な方法で食べ物を得る活動への支援もあります。
ここに注意してね!
- カナダの国土の大きな部分は北部ですが、人口のほとんどは南の地域に住んでいます。北部の町どうしは遠く離れ、道路でつながっていないところもあります。
- 北部では、道路がなく飛行機でしか行けない地域もあります。旅行や仕事で行くときは、交通手段を早めに確かめます。
- イヌイットや先住民の土地や文化について話すときは、「エスキモー」ではなく「イヌイット」と呼びます。
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