アルバータ州の車両保険(Automobile insurance in Alberta)
アルバータ州では、事故の補償(accident benefits)と第三者への賠償責任(third party liability)の基本の自動車保険が法律で必要です。保険は民間の保険会社で入り、基本の保険料には州が上限を決めています。2027年1月1日から、けがの補償を自分の保険会社から受ける「Care-First」の仕組みに変わります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
基本の保険は法律で必要
アルバータ州政府は、基本の自動車保険が法律で必要だとしています。基本の保険は次の2つです。
- 事故の補償(accident benefits):事故でけがをした人の治療などの補償
- 第三者への賠償責任(third party liability):他人にけがをさせたり、他人の物を壊したりしたときの補償
自分の車の損害を補う保険(collision)や、火災・盗難などに備える保険(comprehensive)といった追加の補償は、法律では必須ではありません。
賠償責任の最低額
アルバータ州の保険法(Insurance Act)第571条は、自動車の賠償責任保険は、1回の事故につき、人のけが・死亡と物の損害をあわせてC$200,000以上(利息と費用を除く)を補償するものでなければならないとしています(2026年10月時点)。この中で、人のけが・死亡の請求はC$190,000まで、物の損害の請求はC$10,000まで、もう一方より優先されます。これは最低額で、より高い額をつける契約もあります。
無保険で運転したとき
交通安全法(Traffic Safety Act)第54条は、保険に入っていない車を道路で運転すること、道路に置くこと、自分の車を無保険のままほかの人に運転させることを禁じています。有罪になった場合の罰金は次のとおりです(個人の場合、2026年10月時点)。
| 罰金 | 払わないとき | |
|---|---|---|
| 1回目 | C$2,500以上C$10,000以下 | 45日以上6か月以下の拘禁 |
| 1回目から5年以内の2回目以降 | C$5,000以上C$20,000以下 | 60日以上6か月以下の拘禁 |
このほか、州の登録官(Registrar)は、保険に入っていることを証明するまで、その人のアルバータ州での運転を止めることができます。
保険の証明書(financial responsibility card)
保険に入ると、保険会社から保険の証明書(financial responsibility card)が出ます。交通安全法第167条により、運転する人は、警察官に求められたら、運転免許、車の登録証(certificate of registration)、この保険の証明書を見せなければなりません。偽の証明書や、効力のない契約の証明書を見せると、無保険運転と同じ罰則の対象になります。保険の証明書をほかの人に渡したり貸したりすることも禁じられています(第54条)。
民間の保険会社で入る
アルバータ州の自動車保険は、民間の保険会社が扱います。州政府は、アルバータ州で自家用車の保険を扱う民間の保険会社が25社以上あるとしています。BCのように州の公的な保険会社が基本の保険を扱う仕組みとは違います(BC州の車両保険(ICBC))。
アルバータ州で営業を認められた保険会社の一覧は、州政府のページで公開されています。この記事では特定の保険会社を勧めません。
保険料は州が監督する
アルバータ州は、基本の保険を手の届く料金にするため、基本の保険料に上限を決めています。追加の補償には法律上の上限はありません。
ただし、自動車保険の料率は、州の自動車保険料率委員会(Automobile Insurance Rate Board、AIRB)が監督しています。AIRBは、保険会社が基本と追加の補償を売るときの料率の仕組みをすべて承認し、承認しない、または変更を求める権限を持っています。
2027年1月1日から「Care-First」へ
アルバータ州政府は、2027年1月1日から自動車保険の仕組みを「Care-First」に移すとしています。州政府の説明は次のとおりです。
- 事故でけがをした人は、治療、リハビリ、収入の支援などの手厚い補償を受けられる。
- この補償は、裁判を起こさなくても受けられる。裁判の争いより、回復の支援を重視する仕組みです。
- 事故の責任がある運転者は、保険料が上がる形で責任を負う。
保険の約款などの書式も、この移行に合わせて多く改められます。2026年の契約を2027年に更新する人は、補償の内容が変わる点を保険会社に確かめます。
物の損害の直接補償(DCPD)
アルバータ州では、2022年1月1日から、物の損害の直接補償(Direct Compensation for Property Damage、DCPD)が始まっています。州政府は、これにより衝突事故の請求の扱いがそろい、対応が早くなったとしています。
配車アプリの車に乗るとき
アルバータ州政府は、配車アプリの車を道で呼び止めて乗ると、州の法律による保険の保護、事故の補償、けがの補償を受けられないことがあると注意しています。配車サービスは、アプリやウェブから予約して乗るよう勧めています。
手順
- アルバータ州の運転免許を確認する。日本の免許からの切り替えはアルバータ州の免許切り替えで説明しています。
- 複数の保険会社や保険代理店から見積もりを取る。
- 基本の保険(事故の補償と第三者への賠償責任)に加えて、自分の車の損害などの補償をつけるかを決める。
- 保険に入り、保険の書類を受け取る。
- 車を登録する。登録については車の登録とナンバープレートで扱います。
費用
保険料は、保険会社、運転者、車、補償の内容で変わります。基本の保険料には州の上限があり、料率はAIRBの承認を受けています(2026年10月時点)。
保険の請求や契約についての苦情は、州政府が手続きを案内しています。州の保険監督官室(Office of the Alberta Superintendent of Insurance)の連絡先は次のとおりです。電話は780-643-2237(州内からは先に310-0000をつけると無料)、受付は平日8:15から16:30です。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 無保険運転の罰金が高い:1回目でもC$2,500以上です(2026年10月時点)。車を買ったら、運転する前に保険に入ります。
- 州の公的な保険会社はない:アルバータ州では、法律で必要な基本の保険も、民間の保険会社の契約で入ります。
- 自分の車の損害は任意:自分の車の損害や盗難の補償は、法律では必須ではありません。必要に応じて追加します。
- 2027年に仕組みが変わる:2027年1月1日からCare-Firstの仕組みになり、けがの補償の受け方が変わります。
- 日本での運転歴:日本での無事故の記録が保険料に反映されるかは保険会社によります。日本の無事故証明で保険料を下げるで扱います。
- 事故のとき:事故の現場での動き方は事故を起こしたときで説明しています。
- 個別の相談:補償の選び方は、保険会社や保険代理店に相談します。
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