学生ローンと給付金(Canada Student Grants and Loans・州の学生支援)
カナダの大学・カレッジの学生向けに、連邦政府と州・準州が返済のいらない給付金(Grant)と学生ローン(Loan)を出しています。申し込みは住んでいる州・準州の窓口で、対象はカナダ市民、永住者、保護対象者(Protected person)です。オンタリオ州とBCでは、留学生は対象外と明記されています。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
給付金とローンの2本立て
カナダの大学・カレッジなどで学ぶ学生向けに、連邦政府の「カナダ学生給付金・ローン(Canada Student Grants and Loans)」があります。中身は次の2つです。
- 給付金(Grant):返済のいらないお金
- 学生ローン(Loan):学業を終えたあとに返すお金
連邦政府の学生支援のページ(新しいタブで開く)は、低・中所得の学生、扶養する家族がいる学生、障がいのある学生を主な対象としています。給付金には、全日制の学生向け、定時制(パートタイム)の学生向け、扶養家族がいる学生向け、障がいのある学生向けなどの種類があります。
日本でいう「奨学金」には返済の必要なものも含まれますが、カナダの政府の支援では、返さなくてよい Grant と、返す Loan をはっきり分けています。
申し込みは州・準州の窓口で
連邦の給付金・ローンも、住んでいる州・準州の学生支援の窓口に申し込みます。
ただし、連邦政府の説明(新しいタブで開く)では、ケベック州、ノースウエスト準州、ヌナブト準州では連邦の給付金・ローンはなく、それぞれが独自の学生支援を運営しています。
留学生は対象になるか
連邦の概要ページには国籍などの条件が書かれておらず、条件は州・準州の窓口で確かめる形になっています。オンタリオ州とBCの州の窓口では、次のように決められています(2026年10月時点)。
- オンタリオ州(OSAP):OSAPの説明ページ(新しいタブで開く)では、対象はオンタリオ州に住むカナダ市民、永住者、保護対象者(Protected person)です。留学生(International student)と、オンタリオ州の住民でない人は対象外と明記されています。
- ブリティッシュコロンビア州(StudentAid BC):StudentAid BC の条件(新しいタブで開く)では、カナダ市民、永住者、保護対象者であることが必要です。
学習許可(Study permit)で学ぶ留学生は、この2州では政府の学生ローンの対象になりません。
- ケベック州(Aide financière aux études、AFE):ケベック州政府の貸付・奨学金(Loans and Bursaries)の対象条件(新しいタブで開く)では、カナダ市民、永住者、難民または保護対象者であること、ケベック州の住民とみなされること、認められた学校・プログラムに全日制で在籍することなどが条件です。支援を受けられる月数(eligibility period)と、借りられる額の上限(debt limit)も決まっています。
州・準州ごとの違い
| 州・準州 | 窓口 | 主な点(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| オンタリオ州 | Ontario Student Assistance Program(OSAP) | 年齢の制限なし。生涯の上限は340週分(博士課程は400週、障がいのある学生は最長520週) |
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | StudentAid BC | 州の住民かどうかは、直近で12か月続けて住んだ州で判断(全日制の高等教育で学んだ月は数えない) |
| アルバータ州 | Alberta Student Aid | 連邦と州の分を別々に返済する |
| ケベック州 | Aide financière aux études(AFE) | 連邦の給付金・ローンはなく、州独自の制度 |
| ノースウエスト準州・ヌナブト準州 | 各準州の学生支援 | 連邦の給付金・ローンはなく、準州独自の制度 |
BCで親に頼って暮らしている学生(Dependent student)は、親や法定後見人が直近で12か月続けて住んだ州が基準になります。
2026年8月からの変更
連邦政府の説明では、2026年8月1日から、海外の私立の営利の学校で学ぶ学生は連邦の支援の対象外になりました。カナダ国内の私立の営利の学校で全日制で学ぶ学生の多くも、全日制向けの連邦の給付金の対象外です(例外のプログラムもある)。
オンタリオ州でも、2026年8月1日以降に始まるプログラムから、州の OSAP の支援のうちローンの割合が大きくなりました。職業カレッジ(Career college)の学生は、州の分がすべてローンになります。
手順
- 住んでいる州・準州の学生支援の窓口のページで、対象の条件と申し込みの時期を確かめる。
- 学校とプログラムが支援の対象か確かめる(OSAP では学校名で検索できる)。
- 州・準州の窓口に申し込む。
- 承認されたら、ローンの契約(Loan agreement)を結ぶ。
- 学業を終えたら、返済の準備をする(次の節)。
返済の仕組み
連邦政府の返済のページ(新しいタブで開く)によると、学業を終えてから6か月は返済しなくてよい期間(Non-repayment period)があり、そのあと返済が始まります。
連邦政府は、2023年4月1日から、連邦の学生ローン(Canada Student Loans)と見習い向けのローン(Canada Apprentice Loans)の利息を恒久的になくしました(雇用・社会開発省の発表(新しいタブで開く))。NSLSC のお知らせ(新しいタブで開く)によると、すでに返済中のローンも含めて利息は増えなくなりましたが、2023年4月1日より前にたまった利息は返す必要があります。州・準州のローンの分の利息は、州・準州の窓口に確かめます。
返済先は、多くの州では全国学生ローンサービスセンター(National Student Loans Service Centre、NSLSC)です。アルバータ州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州では連邦と州の分を別々に返し、ケベック州、ヌナブト準州、ノースウエスト準州では州・準州に直接返します。
返済が難しいときは、返済支援制度(Repayment Assistance Plan、RAP)に申し込めます。連邦政府の RAP のページ(新しいタブで開く)によると、対象は返済が始まっていて(学業を終えて6か月以上)、支払いが滞っていない人です。世帯の月の総収入が次の額より少ないと、6か月の間、返済をしなくてよいことがあります。これより収入が多くても、毎月の返済額が減ることがあります(2026年10月時点)。
| 世帯の人数 | 月の総収入の基準 |
|---|---|
| 1人 | C$3,866 |
| 2人 | C$4,535 |
| 3人 | C$5,556 |
| 4人 | C$6,412 |
| 5人 | C$7,170 |
| 6人 | C$7,854 |
| 7人以上 | C$8,483 |
- 6か月ごとに申し込み直す必要があります。
- 州の分のローンでは、基準が違うことがあります。
- 学業を終えてから返済を続ける期間は、多くの場合、最長15年(障がいのある人は10年)です。
費用
給付金とローンの金額は、学費、生活費、家族の収入などから計算され、人によって違います。
全日制の学生向けの連邦の給付金(Canada Student Grant for Full-Time Students)のページ(新しいタブで開く)によると、2026〜2027年度(8月1日〜7月31日)の終わりまでは、1年に最大C$4,200(学ぶ月1か月あたり最大C$525)です。前の年の世帯の総収入(年)が表の「最大額を受け取れる収入」以下なら最大額、「対象外になる収入」を超えると対象外です(2026年8月1日からの基準)。
| 世帯の人数 | 最大額を受け取れる収入 | 対象外になる収入 |
|---|---|---|
| 1人 | C$38,474 | C$69,987 |
| 2人 | C$54,412 | C$98,017 |
| 3人 | C$66,641 | C$117,317 |
| 4人 | C$76,952 | C$129,769 |
| 5人 | C$86,033 | C$141,180 |
| 6人 | C$94,245 | C$151,937 |
| 7人以上 | C$101,797 | C$161,321 |
連邦政府には、受け取れる額の目安を出す見積もりツール(Federal student aid estimator)があります(2026年10月時点)。
ここに注意してね!
- 政府の学生ローンは、州・準州の窓口に申し込みます。州によって条件や返済の窓口が違います。
- オンタリオ州とBCでは、留学生は対象外です。留学の資金計画を、カナダの学生ローンに頼って立てることはできません。留学生の学費は「留学生の学費」で扱います。
- 申告した収入がカナダ歳入庁(CRA)への申告と大きく違うと、OSAP の対象外になることがあります。
- 子どもの学費を早くから準備する方法には、学資貯蓄プラン(RESP)があります(「学資貯蓄RESPとCanada Learning Bond」)。
- 自分が対象になるか、どの州で申し込むかの判断は、州・準州の学生支援の窓口に相談してください。
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