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薪の移動の制限(Don't move firewood)

ひとことで言うと

薪には、森の木を枯らす外来の害虫が隠れていることがあります。カナダ食品検査庁(CFIA)は、薪を遠くへ運ばず、使う場所の近くで買って燃やすよう呼びかけています。害虫の規制区域から薪を持ち出すと、植物防疫法の違反になることがあります。キャンプや別荘に行くときの注意をまとめます。

目次
  1. なぜ薪を運んではいけないのか
  2. 気をつけたい害虫
  3. 規制区域と移動の決まり
  4. キャンプや別荘に行くとき
  5. 外国から薪を持ち込むとき
  6. 日本との違い・注意点

なぜ薪を運んではいけないのか

カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency、CFIA)は、薪の移動の危険についてのページ(新しいタブで開く)で、森を脅かす外来の昆虫が薪の中に隠れやすいと説明しています。薪が動けば、害虫もいっしょに動きます。

害虫は樹皮の下や木の中にいるため、外から見ても気づかないことがあります。家から別荘(コテージ)やキャンプ場へ薪を持っていくと、まだ害虫のいない地域に広げてしまうおそれがあります。

気をつけたい害虫

CFIAが薪の移動で注意を呼びかけている主な害虫は次のとおりです。

害虫CFIAが挙げている場所
アオナガタマムシ(Emerald ash borer)マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州
ツヤハダゴマダラカミキリ(Asian longhorned beetle)オンタリオ州の一部で見つかり、根絶された
Brown spruce longhorn beetle(トウヒにつくカミキリムシの一種)ノバスコシア州、ニューブランズウィック州
マイマイガ(Spongy moth)カナダ東部

アオナガタマムシはトネリコ(ash)の木を枯らす甲虫です。マイマイガについてCFIAは、オンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州で見つかっているとしています。

規制区域と移動の決まり

害虫が見つかった地域の一部は、CFIAが「規制区域(regulated area)」に指定しています。アオナガタマムシの規制区域の一覧(新しいタブで開く)には、たとえば次の地域があります。

州規制区域の例
ブリティッシュコロンビア州(BC)バンクーバー市、バーナビー市、サリー市、ニューウェストミンスター市、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)とその周辺の地域
マニトバ州ウィニペグ市
オンタリオ州トロント、オタワ、ハミルトン、グレーター・サドベリー、サンダーベイ市など、多くの市や郡
ケベック州モントリオールとロンゲールの都市圏、ウタウエからガスペジーまでの多くの地域
ニューブランズウィック州マダワスカ郡、ヨーク郡、キングス郡など9つの郡
ノバスコシア州ハリファックス郡、ハンツ郡の一部

区域は変わることがあるので、出かける前にCFIAの一覧を見ておくと確実です。

持ち出しの決まり

CFIAの案内では、次のことが決まっています。

  • 規制区域からトネリコの薪を持ち出すことは、仕事でも個人でも禁止されています。
  • 規制の対象になる品を規制区域から持ち出すときは、CFIAが出す移動証明書(Movement Certificate)が必要です。
  • 薪を動かしてよいのは、規制区域の中だけで動かすとき、規制区域を通らずに規制のない地域の中で動かすとき、熱処理した薪にCFIAの移動証明書があるときなどです。

規制の対象になる害虫が見つかった場所から薪を動かすと、植物防疫法(Plant Protection Act)の違反になることがあります。CFIAは、罰金は最高C$50,000で、起訴されることもあると説明しています(2026年10月時点)。

キャンプや別荘に行くとき

CFIAは「地元で買い、地元で燃やす(buy local, burn local)」を呼びかけています。

  1. 薪は、使う場所の近くで買う。CFIAは、売っている場所から80km以内で切られた木を買うようすすめています。
  2. 余った薪は持ち帰らず、その場で使い切る。
  3. 車、テント用のシート(タープ)、キャンプ用品、スポーツ用品を動かす前に、マイマイガの成虫や卵のかたまりが付いていないか確かめる。キャンピングカーやトレーラーも出発前に見る。
  4. 国立公園では、地元の薪だけを使う。公園ごとに決まりが加わることがあるので、カナダ公園局(Parks Canada)に確かめる。

たき火そのものが禁止される時期もあります。火の使用制限は「たき火の禁止」、キャンプ全体の準備は「キャンプの基本」で扱います。

害虫を見つけたら

  • アオナガタマムシを規制区域の外で見つけたら、すぐにCFIAに知らせるよう求められています(アオナガタマムシのページ(新しいタブで開く)から届け出できます)。
  • マイマイガは、BC州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、ニューファンドランド・ラブラドール州で見つけたら知らせるよう呼びかけられています。卵や幼虫はこそげ落とし、熱い石けん水に2日以上つけて処分するよう案内されています。

外国から薪を持ち込むとき

CFIAは、外国から薪を輸入するには厳しい条件を満たす必要があるとしています。条件を満たさない薪は入国を拒否され、元の場所に戻されるか、輸入した人の費用で処分されます。

カナダに戻るときは、食品・動物・植物とその関連品をすべて税関で申告します。薪のように制限・禁止されている品を申告しないと、罰則や起訴の対象になることがあります。食品や植物の持ち込みは「植物・食品の持ち込み」、申告の手順は「税関申告」で扱います。

ここに注意してね!

  • カナダでは、国内で薪を運ぶことにも決まりがあります。同じ州の中でも、規制区域から持ち出すと違反になることがあります。
  • バンクーバー、トロント、モントリオールなど大きな都市も、アオナガタマムシの規制区域に入っています。都市の家から郊外の別荘やキャンプ場へ薪を持っていくときは特に注意が必要です。
  • 「家にある薪を持っていけば安い」と考えがちですが、現地で買うことが森を守ることにつながります。

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