凍傷と低体温症(Frostbite and hypothermia)
凍傷は手足・鼻・耳など体の端が凍る傷で、低体温症は体の中心の温度が下がる状態です。重い凍傷と、震えが強い・止まった低体温症はすぐに医療が必要です。症状の見分け方、待つ間の手当て、してはいけないことをまとめます。
凍傷と低体温症の違い
保健省(Health Canada)の説明によると、気温が0°Cを下回ると、体は中心の温度を守るために皮膚に近い血管を縮めます。寒さに長くさらされると手足や鼻、耳への血の流れが大きく減り、凍傷が起きます。
低体温症(Hypothermia)は、体の中心の温度が下がる状態です。平熱は約37°Cで、そこから1〜2°C下がると症状が出始めます。
| 凍傷(Frostbite) | 低体温症(Hypothermia) | |
|---|---|---|
| 起きる場所 | 手、足、鼻、耳など心臓から遠い部分 | 全身(体の中心の温度) |
| 主な原因 | 寒さと風に肌が長くさらされる | 寒さ、ぬれた服、風、飲酒など |
| 命の危険 | 重いと組織が死に、指などを失うことがある | 重いと命に関わる |
凍傷になるまでの時間は、体感温度(Wind chill)が低いほど短くなります。環境・気候変動省(ECCC)の目安では、体感温度−28〜−39で10〜30分、−40〜−47で5〜10分、−55以下では2分未満です。
凍傷の症状
保健省は、軽いものと重いものを次のように説明しています。
- 軽い凍傷(Frostnip):皮膚が黄色っぽいか白くなるが、触るとまだ柔らかい。温めると赤くなることがあり、温まれば元の色に戻る。
- 重い凍傷:神経が傷つき、皮膚の色が変わって黒くなる。感覚がなくなり、水ぶくれができる。皮膚が破れて感染すると壊疽(えそ)になり、手足を失うこともある。
ブリティッシュコロンビア州の健康情報サービス(HealthLink BC)は、凍傷の皮膚は青白いか青く、冷たく、しびれて、こわばったりゴムのような手ざわりになると説明しています。程度が進むと、透明や乳白色の液、または血のような液の水ぶくれができます。
低体温症の症状
保健省は3つの段階に分けています。
| 段階 | 体温の下がり方 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 1 | 1〜2°C | 震え、鳥肌、手のしびれ。呼吸が速く浅くなる。疲れや吐き気。体が温かく感じたら段階2に入りつつある |
| 2 | 2〜4°C | 強い震え。動きがぎこちなく遅い。軽い混乱。顔色が悪く、唇・耳・指が青くなる |
| 3 | 32°Cを下回る | 震えが止まる。話す・考える・歩くのが難しい。30°Cを下回ると脈と呼吸が弱まり、命に関わる |
保健省は、段階2を見分ける方法として、親指と小指の先をつけられるかを試すことを挙げています。つけられなければ、筋肉がうまく働いていません。
手順:低体温症が疑われるとき
保健省は、段階2と3はすぐに医療が必要だとしています。
- 震えが強い、震えが止まった、意識がはっきりしない、歩けないなどのときは、すぐに911に電話する。
- 風や寒さ、水を避けられる場所に移る。
- ぬれた服を脱がせ、乾いた服や毛布で包む。体は少しずつ温める。
- 意識があれば、温かく甘い飲み物を飲ませる。酒やカフェインの入った飲み物は避ける。
- 震えは体が熱を作る働きなので、止めようとしない。
- 意識がない人は寝かせ、揺すったり乱暴に動かしたりしない。心臓のリズムが乱れているおそれがあります。
- 呼吸が止まったら心肺蘇生(CPR)をする。
手順:凍傷が疑われるとき
- 暖かい場所に移る。しびれを放っておかない。
- ぬれた服を脱ぎ、きつい服をゆるめる。
- 凍った部分をこすったり、もんだり、雪を当てたりしない。皮膚をさらに傷めます。
- 体全体を温める(受け身の加温)。暖かい部屋に移り、毛布にくるまるか、ほかの人と肌を合わせて温める。
- あわせて、凍った部分を直接温める(積極的な加温)。やけどをしないようにしながら、できるだけ早くとかす。とかすときは強い痛みがあるため、体温より少しだけ高い温度の湯に、凍った部分をつける。
- 皮膚が黒い、水ぶくれがある、硬く木のようになっているなど、重い凍傷が疑われるときは、すぐに医療機関へ。助けを待つ間も、上の2つの方法で温め始める。HealthLink BCは、温め始めて1時間たっても皮膚が硬いままのときは911に電話するよう案内しています。
この温め方は、保健省のページ(新しいタブで開く)の説明に沿っています。迷うときは911や、州の電話健康相談(BC州の811など)に相談してください。
予防
- 化学繊維やウールの服を重ね着し、いちばん外に風を通さない上着を着る。綿は避ける。
- 帽子、手袋、暖かい靴下、マフラーで肌を出さない。
- ぬれたらすぐに着替える。汗をかく前に1枚脱ぐ。
- 出かける前に酒を飲まない。温かく感じても熱は逃げています。
- 手足を動かして血の流れを保つ。
- 雪の中で動けなくなったら、建物や車など風を防げる場所に入り、その中でも体を動かす。
1歳未満の乳児、65歳以上の人、屋外で働く人、冬のスポーツをする人、住まいの断熱や暖房が不十分な人、糖尿病や血管の病気がある人、ベータ遮断薬などを飲んでいる人は、特に危険が高いとされています。
ここに注意してね!
- カナダの多くの地域では、街中を歩くだけでも、体感温度によっては数分から数十分で凍傷になります。予報の体感温度を見て服装を決めることが大切です。
- 救急車は911です。通報したら、オペレーターの指示に従います。
- 州の電話健康相談(811など)では、看護師に症状を相談できます。
- 持病や飲んでいる薬で寒さの影響を受けやすいかどうかは、医師に相談してください。
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