日本人のためのカナダ情報
ビザ・移住 / 在留資格の基本

入国できない理由(Inadmissibility)と飲酒運転の前歴

ひとことで言うと

犯罪歴、健康上の理由、虚偽の申告などがあると、カナダに「入国できない(inadmissible)」と判断されることがあります。飲酒運転の有罪歴は、2018年12月18日から重大な犯罪として扱われる可能性があります。前歴がある人は、渡航の前にリハビリテーションや一時滞在許可(TRP)の申請を考える必要があります。

目次
  1. 「入国できない(inadmissible)」とは
  2. 入国できない主な理由
  3. 飲酒運転の前歴
  4. 入国できない状態を解消する方法
  5. 手順
  6. 費用
  7. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

「入国できない(inadmissible)」とは

カナダの移民法では、一定の理由がある人を「入国できない人(inadmissible)」としています。この判断は、eTAや訪問者ビザ、学習許可・就労許可の審査のときにも、空港などの入国審査のときにも行われます。eTAを持っていても、入国が保証されるわけではありません。

入国できない主な理由

移民・難民・市民権省(IRCC)の入国できない理由のページ(新しいタブで開く)では、次の理由が挙げられています。

理由主な例
安全上の理由スパイ活動、暴力、テロ、それらに関わる組織への所属
人権・国際的な人権の侵害戦争犯罪、人道に対する罪など
犯罪犯罪を犯したこと。薬物や酒の影響下での運転を含む
組織犯罪組織犯罪、密入国のあっせん、資金洗浄に関わる組織への所属
健康上の理由公衆衛生・公共の安全を脅かす、保健・社会サービスに過大な負担をかける状態
経済的な理由自分と家族を支えられない、または支える意思がない
虚偽の申告(misrepresentation)審査に関わる情報について、うその申告をする・隠す
移民・難民保護法(IRPA)の違反法律や規則の条件を守らなかった
家族入国できない家族がいる

飲酒運転の前歴

IRCCの飲酒運転のページ(新しいタブで開く)によると、酒や薬物(大麻を含む)の影響下で運転して有罪になった人は、重大な犯罪(serious criminality) として入国できないとされる可能性があります。

カナダでは、2018年12月18日に飲酒運転などの罰則が重くなりました。このため、扱いは有罪になった時期で変わります。

有罪になった時期IRCCの説明
2018年12月18日より前刑を終えてから10年以上たっていれば、「みなしリハビリテーション(deemed rehabilitation)」の対象になることがある
2018年12月18日以降重大な犯罪として扱われる可能性がある

日本など、カナダの外で有罪になった場合も対象です。

入国できない状態を解消する方法

IRCCの犯罪歴を乗り越える方法のページ(新しいタブで開く)では、次の方法が示されています。

  • みなしリハビリテーション(Deemed rehabilitation):犯罪の数と種類、刑を終えてからの年数によって、申請しなくても更生したとみなされることがあります。最終的には、審査官に条件を満たすことを示す必要があります。
  • 個別のリハビリテーション(Individual rehabilitation):刑を終え、かつ犯罪の行為から少なくとも5年がたっていれば、更生したことを示して申請できます。カナダの外での有罪が対象です。
  • 記録の停止(Record suspension):カナダ国内で有罪になった場合の手続きです。
  • 一時滞在許可(Temporary Resident Permit、TRP):カナダへ行く正当で強い理由(compelling reasons)がある場合に申請します。IRCCは、TRPが出る保証はないとしています。

リハビリテーションの審査には1年以上かかることがあるとされています。申請は、地域のビザ事務所へ郵送で出します。

手順

  1. 自分の前歴(罪名、判決の日、刑を終えた日)を、判決書などの書類で確かめる。
  2. 有罪になった時期と経過年数から、どの方法が考えられるかを確かめる。
  3. 渡航の予定より十分前に、リハビリテーションかTRPの申請を準備する。
  4. 申請書、警察証明(警察証明の取り方)、判決の記録などをそろえて申請する。
  5. 結果が出るまで、渡航の計画は確定させない。

費用

2026年10月時点のIRCCの料金表(新しいタブで開く)では、次のとおりです。

申請料金
リハビリテーション(犯罪)C$246.25
リハビリテーション(重大な犯罪)C$1,231
一時滞在許可(TRP)1人C$246.25
カナダへの再入国の許可(Authorization to return to Canada)C$492.50

日本とのちがいと注意点だよ!

  • 日本の人は観光でビザが要りませんが、飛行機で行くにはeTAが必要です(eTA)。eTAがあっても、入国審査で入国できないと判断されることがあります。
  • 申請や入国審査でうその申告をしたり、前歴を隠したりすると、それ自体が「虚偽の申告」として入国できない理由になります。
  • IRCCは、TRPやリハビリテーションの承認を保証していません。審査に時間がかかるため、早めの準備が必要です。
  • 前歴がある人の判断は難しいため、IRCC、登録移民コンサルタント(RCIC)、弁護士に相談してください。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

ビザ・移住eTA(電子渡航認証、Electronic Travel Authorization)日本のパスポートで飛行機に乗ってカナダへ行く、またはカナダの空港で乗り継ぐときは、eTAが必要です。カナダ政府の公式サイトからオンラインで申請し、手数料は2026年10月時点でC$7です。旅行や短期滞在で来る方、ワーホリ・留学の前に知っておきたい方向けです。ビザ・移住警察証明(無犯罪証明、Police certificate)の取り方永住権・市民権・ワーホリ(IEC)などの申請では、18歳以上の本人と家族に警察証明を求められることがあります。日本の警察証明(犯罪経歴証明書)は、IRCCの依頼状を受け取ってから、日本では都道府県の警察本部、海外では日本大使館・総領事館に申請します。ビザ・移住移民のための健康診断(Immigration medical exam、IME)永住権の申請では、本人と家族全員に移民のための健康診断(IME)が必要です。一時滞在では、6か月を超える滞在で特定の国に長くいた人や、医療・教育・保育などの仕事をする人が対象です。受診できるのはIRCCが指定した医師(パネル・フィジシャン)だけです。ビザ・移住申請が却下されたとき(Refusal)訪問者ビザ・eTA・学習許可・就労許可などの一時滞在の申請には、正式な不服申し立て(appeal)の制度がありません。却下されたら、理由を確かめたうえで、状況が変わっていれば申請し直すか、連邦裁判所に司法審査を求めるかを考えます。司法審査には短い期限があります。ビザ・移住移民コンサルタント(RCIC)と弁護士の選び方カナダのビザや移民の手続きで、報酬を受け取って代理や助言ができるのは、IRCCが認める「認可された代理人」だけです。登録移民コンサルタント(RCIC)、州・準州の法曹協会の弁護士とパラリーガル、ケベック州の公証人が当たります。代理人を使うかどうかは自由で、使っても審査が有利になることはありません。ビザ・移住バイオメトリクス(生体情報の登録、Biometrics)就労許可・学習許可・永住権などを申請するときは、原則として指紋と顔写真(バイオメトリクス)の登録が必要です。観光だけでeTAで来る日本人は不要です。一時滞在の申請では一度登録すると10年間有効で、2026年10月時点の料金は1人C$85です。