唯一の二言語州ニューブランズウィック(Official bilingualism in New Brunswick)
ニューブランズウィック州は、英語とフランス語の両方を州の公用語とするカナダで唯一の州です。州の役所、病院、裁判所、一部の市町村は、利用者が選んだ言語でサービスを提供します。しくみと、暮らしで関わる場面をまとめます。
カナダで唯一の二言語州
ニューブランズウィック州(New Brunswick、NB)は、英語とフランス語の両方を州の公用語とする、カナダで唯一の州です。
連邦の公用語は英語とフランス語ですが、それは連邦の議会と政府についての決まりです(公用語)。州の中で使う言語は州ごとに扱いが違い、たとえばケベック州ではフランス語だけが州の公用語です(ケベック州のフランス語憲章)。
ニューブランズウィック州の二言語のしくみは、州の法律だけでなく、憲法(権利と自由の憲章)(新しいタブで開く)にも書かれています。
| 憲章の条文 | 内容 |
|---|---|
| 第16条(2) | 英語とフランス語は州の公用語で、州の議会と政府のすべての機関で同じ地位を持つ |
| 第16.1条 | 州の英語の共同体とフランス語の共同体は同じ地位を持ち、それぞれ別の教育機関・文化機関を持つ権利がある |
| 第17条(2)・第18条(2) | 州議会ではどちらの言語でも発言でき、州の法律は両方の言語で公布される |
| 第19条(2) | 州の裁判所では、誰でも英語かフランス語を使える |
| 第20条(2) | 州民は、州の議会と政府の機関とのやりとりに、英語かフランス語を使える |
数字で見るニューブランズウィック州
カナダ文化遺産省(Canadian Heritage)が公用語の統計(新しいタブで開く)にまとめた2021年の国勢調査の数字です。
| 項目 | 人数・割合(2021年) |
|---|---|
| 最初に話す公用語がフランス語 | 231,850人(30.3%) |
| 英語とフランス語の両方を話せる人 | 260,120人(34.0%) |
州の人口の約3割がフランス語を最初の公用語として話します。ケベック州の外のフランス語系の共同体についてはケベック州の外のフランス語圏で扱います。州の全体像はニューブランズウィック州にまとめています。
二言語になるまで
ニューブランズウィック州の公用語コミッショナー事務所(Office of the Commissioner of Official Languages for New Brunswick)の公用語の歴史のページ(新しいタブで開く)をもとにまとめます。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1969年 | 州が最初の公用語法を制定。カナダで最初で唯一の公式の二言語州になる |
| 1981年 | 2つの公用語の共同体の平等を認める州法(通称 Bill 88)ができる |
| 1982年 | 権利と自由の憲章に、ニューブランズウィック州の言語の権利が書き込まれる |
| 1993年 | 憲章が改正され、2つの言語の共同体の平等の原則(第16.1条)が加わる |
| 2002年 | 新しい公用語法が6月7日に全会一致で成立。公用語コミッショナーを置き、市町村の義務を広げる |
| 2003年 | 4月1日、公用語コミッショナー事務所が業務を始める |
| 2013年 | 公用語法の改正(Bill 72)が6月21日に成立 |
選んだ言語でサービスを受けられる場面
州の役所
コミッショナー事務所のよくある質問(新しいタブで開く)によると、州の機関は、最初に接する時点で、両方の言語でサービスを申し出なければなりません。これを「アクティブ・オファー(active offer)」と呼びます。コミッショナー事務所の医療の説明では、「Hello! Bonjour!」のように両方の言語であいさつする例が示されています。
州の仕事を代わりに行う民間の会社も、利用者が選んだ公用語で対応する必要があります。
医療
医療についての説明(新しいタブで開く)によると、州全体で、病院や保健サービスの職員は、利用者が選んだ公用語で対応します。対象には次のような機関があります。
- アンビュランス・ニューブランズウィック(Ambulance New Brunswick、救急車)
- 2つの保健ネットワーク(Horizon と Vitalité)と病院
- 州の保健省、公衆衛生サービス、メンタルヘルスセンター
Horizon は英語、Vitalité はフランス語を内部の仕事の言語にしていますが、どちらも利用者には両方の言語でサービスを提供します。一方、薬局、民間の医療機関やクリニック、個人の医師の診療所には、州の公用語法は当てはまりません。
市町村
市町村についての説明(2024年6月)(新しいタブで開く)によると、言語の義務があるのは、すべての市(city)と、少数派の公用語を話す人が人口の20%以上の市町村です。
- 市:バサースト、キャンベルトン、ディエップ、エドマンストン、フレデリクトン、ミラミシ、モンクトン、セントジョン
- 町と村(8つ):ボーリヴァージュ、カップ=アカディ、シャンドレ、ファイブ・リバーズ、グランド・フォールズ、ヘロン・ベイ、メムラムクック、シェディアック
これらの市町村は、条例や議会の議事録を両方の言語で公表し、ウェブサイト、建物の表示、交通標識、問い合わせへの回答、請求書、公共交通の案内などを英語とフランス語で用意します。
ここに注意してね!
- 「二言語州」でも、州民の全員が両方の言語を話すわけではありません。両方を話せる人は34.0%です。コミッショナー事務所は、州の公用語法は個人に二言語を話すことを求めるものではないと説明しています。
- 州政府も、すべての職員に二言語を求めてはいません。両方の言語で対応できる人を十分な数だけ配置するしくみです。
- 民間の店や会社には、原則として州の公用語法は当てはまりません。地域によって、英語が中心の町とフランス語が中心の町があります。
- 州の機関で、選んだ言語のサービスを受けられなかったときは、公用語コミッショナー事務所(電話 1-888-651-6444)に苦情を出せます。
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