ケベック州の外のフランス語圏(Francophone minority communities)
フランス語を話す人はケベック州の外にもいて、とくにオンタリオ州、ニューブランズウィック州、マニトバ州に多く暮らしています。大西洋側のアカディア人の歴史、州ごとの人数、オンタリオ州のフランス語サービスのしくみを、連邦と州の統計・説明をもとにまとめます。
ケベック州の外にもフランス語を話す人がいる
カナダでフランス語を話す人の多くはケベック州に住んでいますが、ほかの州にもフランス語を話す共同体があります。市民権の学習用ガイド「Discover Canada(新しいタブで開く)」は、オンタリオ州、ニューブランズウィック州、マニトバ州に100万人のフランス語話者(フランコフォン、Francophones)が暮らし、ほかの州にも少数がいると説明しています。
こうした共同体は、州の中では少数派です。連邦の公用語法は、各地で少数派になっている英語とフランス語の共同体の発展を支えることを目的のひとつにしています(公用語)。
州ごとの人数
カナダ文化遺産省(Canadian Heritage)が公用語の統計(新しいタブで開く)にまとめた、2021年の国勢調査の数字です。「最初に話す公用語(first official language spoken)」がフランス語の人の数と、州の人口に占める割合を示します。
| 州・準州 | 最初に話す公用語がフランス語(2021年) |
|---|---|
| オンタリオ州 | 533,560人(3.8%) |
| ニューブランズウィック州 | 231,850人(30.3%) |
| アルバータ州 | 72,203人(1.7%) |
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | 65,568人(1.3%) |
| マニトバ州 | 38,378人(2.9%) |
| ノバスコシア州 | 27,935人(2.9%) |
| サスカチュワン州 | 12,243人(1.1%) |
| プリンスエドワードアイランド州 | 4,558人(3.0%) |
| ニューファンドランド・ラブラドール州 | 2,283人(0.5%) |
| ユーコン準州 | 1,895人(4.8%) |
| ノースウエスト準州 | 1,213人(3.0%) |
| ヌナブト準州 | 623人(1.7%) |
ケベック州の外全体では、最初に話す公用語がフランス語の人は人口の3.5%です。参考までに、ケベック州では7,074,328人(84.1%)です。
カナダ統計局(Statistics Canada)の2022年8月17日の発表(新しいタブで開く)によると、ケベック州の外でフランス語を最初の公用語として話す人の半分以上がオンタリオ州に、4分の1がニューブランズウィック州に住んでいます。また、統計局は、ケベック州の外でフランス語だけを母語とする人が2016年から2021年に4万9,000人減ったとしています。一方、ほかの言語と並んでフランス語を母語とする人も含めると、3万6,000人増えて110万人になりました。
アカディア人
大西洋側の州のフランス語圏で大きな役割を持つのが、アカディア人(Acadians、アカディアン)です。Discover Canada によると、アカディア人は、1604年からいまの沿海州に入植したフランス人の子孫です。1755年から1763年のイギリスとフランスの戦争の中で、アカディア人の3分の2以上が故郷から追放されました。フランス時代の歴史はヌーヴェル・フランスで扱います。
カナダ文化遺産省のアカディアの日のページ(新しいタブで開く)によると、アカディア人は、ニューブランズウィック州のメムラムクックで最初のアカディア人の全国大会が開かれた1881年から、8月15日を「アカディアの日」として祝ってきました。2003年には、連邦政府が「アカディアの日法(National Acadian Day Act)」を制定しています。
ニューブランズウィック州は、英語とフランス語の両方を州の公用語にしている唯一の州です(唯一の二言語州ニューブランズウィック)。
オンタリオ州のフランス語サービス
フランス語を話す人がもっとも多いオンタリオ州には、州のフランス語サービス法(French Language Services Act)があります。オンタリオ州政府の案内(新しいタブで開く)によると、州の役所のサービスと情報をフランス語で受けられるのは、次の「指定地域(designated areas)」の中か近くにある事務所です。
- フランス語を話す人が人口の10%以上の地域
- 市の場合は、フランス語を話す人が5,000人以上いる市
州のフランス語を話す人の約80%が、指定地域に住んでいます。病院や子どもの支援団体など、250を超える団体も指定を受けて、フランス語でサービスを提供しています。首都のオタワについてはオタワで扱います。
ここに注意してね!
- 「フランス語圏」というとケベック州を思い浮かべがちですが、オンタリオ州やニューブランズウィック州にも大きなフランス語の共同体があります。
- ケベック州の外では、州の役所のサービスをフランス語で受けられるかどうかは、州と地域によって違います。連邦政府の機関は、本部と需要の多い窓口で、英語とフランス語の両方のサービスを用意する義務があります。
- 子どもにフランス語で学ばせるしくみには、フランス語系の学校のほかに、英語系の学校のフランス語イマージョンもあります(フランス語イマージョン)。
- 統計の数字は、「最初に話す公用語」「母語」「両方を話せる」など、数え方によって大きく変わります。数字を比べるときは、どの数え方かを確かめます。
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