ビーバー(Beaver、カナダのシンボル)
ビーバーは、1975年3月24日に成立した連邦の法律「国のシンボル法(National Symbol of Canada Act)」で、カナダの主権のシンボルと定められた動物です。毛皮交易の歴史とのつながり、切手や5セント硬貨のデザインなど、身近に見るビーバーをまとめます。
法律で定められた国のシンボル
ビーバー(英語で beaver、フランス語で castor)は、カナダの公式なシンボルのひとつです。
連邦の法律「国のシンボル法(National Symbol of Canada Act)(新しいタブで開く)」は、2つの条文だけの短い法律です。第2条は、ビーバー(学名 Castor canadensis)を「カナダの主権のシンボル」と認め、カナダ政府がビーバーの図柄を使うときは、そのシンボルとして扱うと定めています。
カナダ文化遺産省(Canadian Heritage)のカナダの公式シンボルのページ(新しいタブで開く)によると、この法律が国王の裁可を受けて成立したのは1975年3月24日です。同じページは、ビーバーがメープルリーフよりも前に、カナダのシンボルとして広く親しまれていたと説明しています。カエデの葉の国旗についてはメープルリーフの国旗で扱います。
どんな動物か
カナダ文化遺産省の説明では、ビーバーは草食の哺乳類で、カナダのすべての地域の、水辺と陸地にまたがる環境に暮らしています。とくに川、湖、池の近くでよく見られます。
毛皮交易とビーバー
ビーバーがシンボルになったいちばんの理由は、17世紀から19世紀半ばまで続いた毛皮交易で、中心的な役割を果たしたことです。カナダ文化遺産省の説明をもとにまとめます。
- 先住民の暮らし:ヨーロッパ人が来るずっと前から、先住民はビーバーを大切にしてきました。毛皮は衣服に、骨は道具に、肉は栄養のある食料になりました。
- ヨーロッパでの需要:当時のヨーロッパでは、水をはじくフェルトの帽子が流行し、その材料としてビーバーの毛皮が大量に求められました。
- 探検と植民地化:北アメリカのビーバーは大きな商売の機会と見られ、ヨーロッパ人の探検と植民地化を進める動機になりました。
- 絶滅の危機:毛皮交易のため、19世紀半ばには、ビーバーはカナダの風景からほとんど姿を消していました。
フランス人と先住民の毛皮交易については、ヌーヴェル・フランスで扱います。
身近に見るビーバー
切手と紋章
カナダ文化遺産省によると、1851年に発行されたカナダで最初の切手には、ビーバーが大きく描かれました。太平洋岸のファースト・ネーションズのトーテムポールにも、ビーバーが彫られています。
紋章では、マニトバ州の紋章や、ウェンダット(ヒューロン=ウェンダット)・ネーションの記章にビーバーが入っています。州の紋章は州の旗と紋章で扱います。
5セント硬貨
カナダ王室造幣局(Royal Canadian Mint)の5セント硬貨のページ(新しいタブで開く)によると、5セント硬貨の裏面の図柄はビーバーです。デザインは G.E. クルーガー=グレイ(G.E. Kruger-Gray)によるもので、1937年から使われています。
材質は、1955〜1981年は99.9%のニッケルでしたが、2000年からは鋼(94.5%)に銅(3.5%)とニッケル(2%)をめっきしたものです。硬貨の全体はカナダドルと硬貨にまとめています。
ここに注意してね!
- カナダでは、ビーバーが連邦の法律で国のシンボルとされています。毎日使う5セント硬貨にも描かれています。
- ビーバーは野生動物です。湖や川の近くで見かけても、近づいたり餌をやったりしないようにします(野生動物に餌をやらない)。
- 毛皮交易は、カナダの歴史と先住民の暮らしの両方に深く関わっています。ビーバーの話題は、歴史を知る入口にもなります。
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