日本人のためのカナダ情報
自然・安全 / 野生動物

野生動物に餌をやらない(Don't feed wildlife)

ひとことで言うと

カナダでは、国立公園で野生動物に餌をやることは法律で禁止されています。BC州でも、クマ・クーガー・コヨーテ・オオカミに餌をやったり、引き寄せるものを置いたりすることが州法で禁止されています。わざと与えるだけでなく、食べ物やごみを出しっぱなしにすることも含まれます。理由と、ふだんの生活とキャンプで気をつけることをまとめます。

目次
  1. なぜ餌をやってはいけないのか
  2. 法律での決まり
  3. 家のまわりで気をつけること
  4. キャンプやピクニックで気をつけること
  5. 動物との距離
  6. 日本との違い・注意点

なぜ餌をやってはいけないのか

カナダ公園局(Parks Canada)は、野生動物の安全の案内(新しいタブで開く)で次のように説明しています。

  • 餌をやると、動物は「人間から食べ物がもらえる」と覚え、自然の食べ物よりも人の食べ物を探すようになります。
  • これは動物の長い目で見た安全と健康を損ないます。
  • 動物に近づいたり、動物が近づいてくるのを許したりすると、動物が人を怖がらなくなり、人と動物の両方が危険になります。

人の食べ物に慣れたクマなどが人の近くに出てくるようになると、人がけがをするおそれが高まります。

法律での決まり

国立公園

カナダ公園局の案内では、公園局の管理する場所で野生動物に餌をやることは違法です。直接与えた場合だけでなく、食べ物やごみを出しっぱなしにして、間接的に与えた場合も、国立公園法(Canada National Parks Act)にもとづいて罰せられることがあります。

ブリティッシュコロンビア州(BC)

BC州の野生動物法(Wildlife Act)第33.1条(新しいタブで開く)は、「危険な野生動物」について次のことを禁じています。

  • わざと餌をやること、やろうとすること
  • 引き寄せる目的で、引き寄せるもの(attractant)を土地や建物に置くこと
  • 人がいる、またはいそうな場所で、危険な野生動物を引き寄せ、動物が手を出せる状態で、引き寄せるものを置いておくこと

「危険な野生動物」は、クマ、クーガー、コヨーテ、オオカミと、規則で定めた種です。「引き寄せるもの」には、食べ物や生ごみ、たい肥、ごみ、動物や魚の死がい、肉などが含まれます。

ほかの州や市にも、餌やりを制限する決まりがあることがあります。住んでいる州や市の案内を確かめます。

家のまわりで気をつけること

BC州政府は、野生動物との安全の案内(新しいタブで開く)で、ごみ、鳥の餌、たい肥、ペットの餌をしまい、果樹の実を地面に落としたままにしないよう呼びかけています。

  • ペットの餌を外に置かない。 BC州は、ペットの餌が若いクーガーや、クーガーの獲物になるリス・アライグマを引き寄せるとしています。
  • 小さな動物やシカを集めない。 アルバータ州政府は、クーガーを避ける方法として、野生動物に餌をやらないことを挙げています。クーガーは主にシカを食べます。くわしくは「クーガー」で扱います。
  • 動物よけのごみ箱があれば、必ずそれを使う。 バンフ国立公園では、野生動物が開けられないごみ箱を使うよう案内しています。ごみの出し方は市の決まりに合わせます。

キャンプやピクニックで気をつけること

カナダ公園局は、ピクニックの場所やキャンプ場をきれいに保ち、においのあるものは車の中か、指定の保管ロッカーにしまうよう案内しています。出してよいのは、使っていて人が見ているときだけです。

しまうものの例は、食べ物、クーラーボックス、食器、調理器具、キャンプ用のこんろ、鍋、ごみ、石けん、シャンプー、手の消毒液、歯みがき粉などです。

山岳部の国立公園では「Bare Campsite」というしくみがあり、守らないとキャンプの許可を返金なしで取り消されることがあります。くわしくは「キャンプの基本」で扱います。

動物との距離

カナダ公園局は、シカ、ムース、エルクなどの大きな動物からは30m以上(バス3台分)、クマ、オオカミ、コヨーテ、クーガーからは100m以上(バス10台分)離れるよう案内しています。写真を撮るために近づいたり、車から食べ物を見せたりしないようにします。

ここに注意してね!

  • 「少しだけなら」「かわいいから」と餌をやることも、カナダでは罰せられることがある行為です。国立公園では、ごみや食べ物を置きっぱなしにすることも餌やりと同じに扱われることがあります。
  • リスや鳥のような小さな動物に餌をやることも、それを狙う大きな動物を引き寄せることにつながります。
  • 人の食べ物に慣れた野生動物は、人に危険を及ぼすおそれがあります。動物を守るためにも、餌をやらず、距離を保つことが求められています。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

自然・安全クマ(グリズリーとアメリカクロクマ)に出会ったら(Bear safety)カナダの山や森には、グリズリー(ハイイログマ)とアメリカクロクマがすみ、町の近くに出ることもあります。出会わない工夫、出会ったときの動き方、襲われたときの対応、通報先をカナダ公園局と州政府の案内からまとめます。自然・安全クーガー(Cougar)クーガー(ピューマ)は、BC州やアルバータ州の山や森にすむ大型のネコ科の動物で、町の近くで見かけることもあります。出会ったら走らず、背中を見せずに体を大きく見せ、子どもはすぐ抱き上げます。襲われたら反撃します。避け方、出会ったときの動き方、通報先を州政府とカナダ公園局の案内からまとめます。自然・安全街中のアライグマとスカンク(Raccoons and skunks)カナダの都市では、住宅地でアライグマやスカンクをよく見かけます。ごみや生ごみの容器、ペットの餌、屋根裏や縁の下のすき間が、動物を引き寄せる原因になります。トロント市の案内をもとに、家での対策と、病気やけがの動物を見たときの連絡先をまとめます。観光キャンプの基本(Camping)カナダの国立公園には、車で入れるキャンプ場から、歩くかボートでしか行けない奥地のキャンプ地、ベッド付きのテント小屋まであります。キャンプ場の種類、食べ物とごみの管理(Bare Campsite)、たき火や静かにする時間などの決まりを、カナダ公園局(Parks Canada)の案内からまとめます。自然・安全オオカミとコヨーテ(Wolves and Coyotes)コヨーテは、アルバータ州などの都市の中でも見かけます。オオカミは国立公園などにすみます。どちらも、出会ったら走らず背中を見せず、体を大きく見せて大声を出して追い払うのが州と公園局の案内です。えさになるものを片づけ、犬はリードにつなぎます。自然・安全ベアスプレーの使い方と持ち運び(Bear spray)ベアスプレーは、唐辛子の成分でクマを追い払うための道具で、クマに近くで出会ったときの最後の手段です。カナダ公園局の案内をもとに、選び方、身に着け方、使い方の手順、車での運び方、飛行機に持ち込めないことなどをまとめます。