ケベック州の医療保険(RAMQ、Régie de l'assurance maladie du Québec)
ケベック州の公的医療保険は、ケベック州健康保険公社(RAMQ)が運営しています。国外から来た人は、原則としてケベック州に到着してから最初の3か月は保険の対象になりません。日本は社会保障協定の相手国ではないため、学習許可で来た日本人留学生は原則として対象外です。ワーキングホリデーのオープンワークパーミットも、RAMQの対象となる就労許可に入っていません。州に定住する人は、薬の保険への加入も義務です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
RAMQとケベック州健康保険
ケベック州の公的医療保険(Régime d’assurance maladie du Québec)は、ケベック州健康保険公社(Régie de l’assurance maladie du Québec、RAMQ)が運営しています。
加入できる人が登録すると、健康保険証(Health Insurance Card、carte d’assurance maladie)が届きます。病院、クリニック、地域の保健センター(CLSC)で受診するときに、有効な保険証を見せれば、対象の医療を無料で受けられます。保険証を見せないと、いったん全額を払うことになります。
RAMQのページ(新しいタブで開く)によると、医療保険への加入そのものは義務ではありません。ただし、入らなければ医療費はすべて自己負担です。
加入できる人
RAMQは、申し込む人を「ケベック州に定住する人」と「一時的に滞在する人」に分けています。
ケベック州に定住する人
次の3つをすべて満たす人です。
- 主な住まいがケベック州にある
- 1年(1月1日〜12月31日)のうち183日以上ケベック州にいる
- カナダ市民、永住者、難民・保護対象者など、カナダに住み続けられる資格がある
一時的に滞在する人
在留の許可があり、21日を超えて続けてケベック州を離れないことが条件です。RAMQの資格条件のページ(新しいタブで開く)にある主な例は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 在留の形 | 条件 |
|---|---|
| 就労 | 対象となる就労許可(下で説明)で、6か月を超えて有効なもの |
| 留学・研修 | ケベック州と社会保障協定を結んだ国から来た人の学習許可・研修許可 |
| 留学・研修(奨学生) | ケベック州教育省(Ministère de l’Éducation du Québec)の奨学金を受けている人 |
| 同行する家族 | 上の人に同行する配偶者や18〜25歳の被扶養者で、6か月を超える在留許可がある人。6か月を超えて滞在する18歳未満の子ども |
観光客は加入できません。6か月以下の滞在の人も対象外です。
対象となる就労許可
RAMQの定義のページ(新しいタブで開く)によると、対象となる就労許可(eligible work permits)は次の6種類です(2026年10月時点)。
| 許可の種類 | 内容 |
|---|---|
| 雇用主指定の就労許可(Employer-specific work permit) | フランス語版では「ケベック州の雇用主に限定した許可」 |
| 卒業後の就労許可(Post-diploma permit) | 学校を卒業した人の許可 |
| 移行のためのオープンワークパーミット(Open transitional permit) | |
| 国際モビリティ・プログラム・プラス(IMP+、PMI+)のオープンワークパーミット | ケベック州選考証明書(CSQ)を持つ人向けの許可(IRCCのページ(新しいタブで開く)) |
| 永住の手続き中の人のオープンワークパーミット | 6か月を超える許可で、6か月を超えて雇われている人 |
| 弱い立場の外国人労働者のためのオープンワークパーミット(Open work permit for vulnerable foreign workers) |
RAMQの資格条件のページ(新しいタブで開く)は、加入できない人の例として、オープンワークパーミットを持つ人(例外あり)を挙げています。例外にあたるのが、上の表のオープンワークパーミットです。
ワーキングホリデー(IEC)で出るのはオープンワークパーミットです(IRCCのページ(新しいタブで開く))。ワーキングホリデーの許可は上の表に入っていないため、RAMQの案内では、ワーキングホリデーの人は原則として対象外になります。
RAMQの資格条件のページでは、ほかにも次のような人を対象外の例に挙げています。
- 6か月未満の在留許可の人(例外あり)
- 6か月未満の仕事で来たカナダ市民
- 難民申請中の人(連邦の暫定保健プログラムの対象になることがある)
- 一時滞在の親に同行する18〜25歳で、フルタイムの学生でない人
日本人留学生について
社会保障協定のページ(新しいタブで開く)によると、協定の相手国は2026年10月時点でベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ギリシャ、ルクセンブルク、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スウェーデンの11か国です。日本は入っていません。
このため、学習許可でケベック州に来た日本人留学生は、奨学生などの例外を除き、RAMQの対象になりません。留学生の保険は「留学生の医療保険」にまとめています。
保険が始まる時期(待機期間)
| 来た場所 | 保険が始まる時期 |
|---|---|
| 国外 | 原則としてケベック州に到着してから最初の3か月は対象外。カナダ市民でも同じ。18歳未満の子どもには待機期間がない |
| ほかの州・準州 | 登録してから最長3か月後。その間はもとの州の保険が使える |
ケベック州政府の移住者向けのページ(新しいタブで開く)によると、国外から来た人は、原則としてケベック州に到着してから最初の3か月は、医療費が保険の対象になりません。登録には必要な書類をそろえることが求められ、足りない書類は登録から12か月以内に出します。書類が遅れると保険の開始日も遅れるため、着いたら早めに必要な書類をそろえて登録します。
次の人は待機期間がなく、登録したときから対象になります。
- ケベック州と社会保障協定を結んだ国から来た人
- カナダで難民・保護対象者と認められた人
- 政府に帰国させられたカナダ人
- 最後のよりどころの生活扶助(last-resort financial assistance)を受けている人
- ケベック州教育省・高等教育省の奨学生
- メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルから、季節農業労働者プログラム(SAWP)か一時外国人労働者プログラムの農業の区分で働きに来た人
待機期間中の医療費は、あとから払い戻されません。RAMQは、ケベック州に着いたらすぐに民間の保険に入るよう強く勧めています。
待機期間中でも、次のような医療は無料です。
- 配偶者・家庭内の暴力や性暴力の被害者に必要な医療
- 妊娠、出産、妊娠中絶に関わる医療
- 公衆衛生に影響する感染症の医療
手順
- RAMQの資格条件のページで、自分の在留の形が対象になるかを確かめる。
- ケベック州に着いたら、登録のページ(新しいタブで開く)の質問に答えて、自分に合う申し込み方法を確かめる。多くの場合はオンラインで登録できる。
- 家族も1人ずつ申し込む。1人につき1枚の申込書と、それぞれの書類が必要。
- 保険証が届いたら、受診のたびに見せる。
カバーされるもの・されないもの
RAMQの説明では、公的な医療で受ける診療はおおむね対象です。
| 区分 | 主な例 |
|---|---|
| 対象 | 手術などの医療行為、診察、がん検診、マンモグラフィーなどの画像検査、医師などが指示したX線検査、予防接種、アレルギー検査 |
| 対象外 | 鍼、聴覚検査(オーディオロジー)、カイロプラクティック、作業療法の相談、美容目的の医療、公的制度に参加していない医療者のサービス |
| クリニックでは対象外 | 放射線科医以外が行う超音波検査、MRI、CT、睡眠時無呼吸の治療や機器 |
同じ検査でも、病院では対象で、民間のクリニックでは対象外になるものがあります。保険会社に頼まれた書類の作成や、予約の無断キャンセル料も自己負担です。
薬の保険(処方薬)
ケベック州では、医療保険とは別に、処方薬の保険があります。ケベック州に定住している人は、いつも薬の保険に入っていなければなりません。
- 勤め先などで団体保険(民間)に入れる人は、そちらに入る義務があります。
- 民間の保険に入れない人は、RAMQの公的な薬の保険(Public Prescription Drug Insurance Plan)に登録します。
- 65歳未満の人は、公的と民間を自由に選べません。
費用
2026年10月時点で、RAMQの医療保険そのものに保険料はありません。対象の医療は、有効な保険証を見せれば無料です。
薬の保険の費用は、医療保険とは別に考える必要があります(「州の薬代補助」)。
RAMQのページでは、保険がないと病院に1日いるだけでC$3,000を超えることがあり、そのうえに医師の費用がかかると説明しています(2026年10月時点)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本は社会保障協定の相手国ではないため、日本から来ると待機期間が免除されません。到着してから最初の3か月は、民間の保険で備える必要があります。
- 日本人留学生は原則としてRAMQに入れません。学校や民間の保険を使います。
- ワーキングホリデーのオープンワークパーミットは、RAMQの対象となる就労許可に入っていません。滞在期間全体をカバーする民間の保険を用意しておくと安心です(「ワーホリの保険」)。
- 一時滞在者は、21日を超えて続けてケベック州を離れると、資格を失うことがあります。長い一時帰国の前に、RAMQの条件を確かめておくと安心です。
- ケベック州に定住する人は、医療保険とは別に、薬の保険への加入が義務です。勤め先の団体保険に入れるかを確かめておきます。
- 対象になるかの判断は、RAMQに問い合わせてください。
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