山火事の季節と備え(Wildfires)
カナダでは毎年8,000件を超える山火事が起き、特に5月から9月にかけて多くなります。煙の影響や避難が必要になることもあります。山火事の季節、家と車の備え、火事が近づいたときの行動、通報先、戻るときの注意を、連邦政府と州の山火事の担当機関の案内からまとめます。
カナダの山火事
天然資源省(Natural Resources Canada)によると、カナダでは毎年8,000件を超える山火事(Wildland fire)が起き、平均で210万ヘクタールを超える面積が焼けています。ブリティッシュコロンビア州(BC)だけでも、平均で年に約1,600件の山火事が起きています(BC州政府)。
連邦政府の防災ページは、山火事が最も多いのは5月から9月としています。また、火が地中でくすぶったまま冬を越すこともあると説明しています。
山火事は、広がる速さや向き、出る熱や煙の量を前もって読むのが難しい災害です。火から離れた町でも、煙で空気が悪くなったり、道路が閉鎖されたりすることがあります。
誰が山火事に対応するか
天然資源省は、山火事への対応はすべての段階の政府が分担していると説明しています。
- 州・準州:地元の自治体と協力して、州・準州の土地の山火事に対応します。
- 連邦政府:国立公園など連邦の土地の山火事に対応します。
BC州では、避難の指示や警告は自治体や先住民の自治組織が出します。避難の仕組みは「避難指示と避難警告」にまとめています。
州・準州ごとの違い
山火事の通報先や情報の出し方は、州・準州ごとに違います。ここでは2つの州の例を挙げます。
| 州 | 担当機関 | 山火事の通報 | 主な情報 |
|---|---|---|---|
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | BC Wildfire Service | 1-800-663-5555、携帯電話から *5555 | BC Wildfire Service のアプリと地図 |
| アルバータ州 | Alberta Wildfire | 310-FIRE(3473)(森林地帯の山火事) | Alberta Wildfire Status アプリ |
アルバータ州では、3月1日から10月31日まで、森林保護区域(Forest Protection Area)でのたき火以外の野焼きなどには、火の使用許可(Fire permit)が必要です(2026年10月時点)。火の使用の禁止や制限については「火の使用禁止(Fire ban)」で扱います。
ほかの州・準州の通報先は、それぞれの政府のサイトに案内があります。人の命に危険が迫っているときは911に電話します。
山火事の季節の前にできること
連邦政府の防災ページは、次の備えを勧めています。
家のまわり
- 枯れた枝や葉、ごみなど、燃えやすいものを家のまわりから取り除く。
- プロパンのバーベキューこんろ、薪、庭の家具など燃えやすいものを、建物から離して置く。
- 家の各階に煙探知機を付ける(できれば各寝室にも)。月に1回点検し、電池は6か月ごとに、探知機は10年ごとに替える。
- 電気・ガス・水道の止め方を確かめておく。
賃貸住宅では、家のまわりの手入れや設備のことは家主との取り決めによります。
家族の計画と非常用キット
- 家族全員の事情を考えた、家庭の防災計画を作る。
- 非常用キットを用意する。中身は「72時間の非常用キット」にまとめています。
- 住んでいる地域の山火事の危険を知っておく。
煙への備え
- 窓やドアのすき間をふさぐ。
- 認証を受けた、部屋の広さに合った持ち運びできる空気清浄機を用意することを考える。
煙と大気の質については「山火事の煙と大気の質(AQHI)」で扱います。
手順:近くで山火事が起きているとき
連邦政府の案内では、避難の可能性があるときは、次のように準備します。
- 車の燃料を満タンにする。
- 非常用キットと、貴重品や替えのきかない物を車に積む。
- すぐに出られるよう、車を前向きに駐車する。
- 高齢の親族や近所の人に、助けが要るか声をかける。
- 自治体や州の情報、気象警報、緊急警報を確かめ続ける。
家を離れる前にできることとして、次の点が挙げられています。
- ドアと窓をすべて閉める。
- 煙が入らないよう、通気口などをふさぐ。
- 家の中、玄関、ガレージ、庭の明かりをつけ、消防隊から見えやすくする。
- 消防隊のために、家の正面の屋根にはしごを立てかける。
- 避難するときは、プロパンガスや天然ガスを止める。
運転するとき
- 避難の際は、決められた避難経路を使う。
- 当局の指示がない限り、山火事の中を車で通り抜けようとしない。
- 切れた電線から少なくとも10m離れる。
煙が濃いとき
- 外にいる時間を減らし、窓とドアをできるだけ閉める。
- どうしても外に出るときは、顔にしっかり合ったN95などのマスクで、煙を吸う量を減らせます。
戻るときの注意
連邦政府の案内では、次の点が挙げられています。
- 当局が安全だと知らせるまで、避難区域の外にとどまる。
- 電気・ガスなどは専門家と確かめる。天然ガスは、資格を持つ技術者だけが元に戻す。
- 家の構造が安全かどうかは、自治体や専門の技術者と確かめる。
- 煙探知機と一酸化炭素警報器を点検し、必要なら電池を替える。
- タンクにたまった水を飲まない。
- 切れた電線から少なくとも10m離れる。
日本との違い・注意点
- カナダの山火事は、広い範囲で長く続くことがあります。火から遠い町でも、煙で何日も空気が悪くなることがあります。
- 通報先や情報の出し方は州・準州ごとに違います。住んでいる州・準州の担当機関のアプリやサイトを、季節の前に確かめておくと落ち着いて動けます。
- 避難の呼びかけは、携帯電話の緊急警報(Alert Ready)で届くこともあります。対応している携帯電話かどうかを確かめておくよう、連邦政府は勧めています。
- 旅行中に山火事が起きたときは、道路の閉鎖や公園の閉鎖に気をつけ、州や公園の公式情報に従います。
- 命に関わるときは911に電話します。
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