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山火事の煙と大気の質(Wildfire smoke、Air Quality Health Index、AQHI)

ひとことで言うと

山火事の煙で健康に最も影響するのは微小粒子状物質(PM2.5)です。大気の質は大気質健康指数(AQHI)の1〜10+で示され、数字が大きいほど外での激しい運動を控える目安になります。体への影響、AQHIの見方、家と外での身の守り方を、カナダ保健省と環境・気候変動省の案内からまとめます。

目次
  1. 山火事の煙が体に与える影響
  2. 大気質健康指数(AQHI)の見方
  3. 州・準州ごとの違い
  4. 煙の季節の前にできること
  5. 手順:煙が出ているとき
  6. 日本との違い・注意点

山火事の煙が体に与える影響

山火事の煙は、大きな大気汚染のもとになります。カナダ保健省(Health Canada)は、煙の中で健康に最も影響するのは、とても小さな粒子である微小粒子状物質(Fine particulate matter、PM2.5)だと説明しています。

山火事そのものの備えや避難は「山火事の季節と備え」と「避難指示と避難警告」にまとめています。この記事では煙と大気の質だけを扱います。

よくある軽い症状

カナダ保健省の健康影響のページ(新しいタブで開く)は、次のような症状が多いとしています。ふつうは医療を受けなくてもおさまる症状です。

  • 頭痛
  • 軽いせき
  • 鼻・のど・目・副鼻腔の刺激

注意が必要な症状

次の症状が出たときは、医療機関に相談するか、急いで受診するよう案内されています。

  • ぜいぜいする呼吸(喘鳴)
  • 胸の痛み
  • ぜんそくの発作
  • 息切れ

医療の緊急事態だと思うときは、911に電話してすぐに手当てを受けます。

影響を受けやすい人

カナダ保健省は、次の人が煙の影響を受けやすいとしています。

  • 肺や心臓の病気など、持病のある人
  • 65歳以上の人
  • 乳幼児と小さな子ども
  • 煙を避ける手段が限られる、生活が苦しい人

大気質健康指数(AQHI)の見方

大気質健康指数(Air Quality Health Index、AQHI)は、環境・気候変動省(Environment and Climate Change Canada、ECCC)が出す、大気の質と健康の目安です。ふだんは地表のオゾン、粒子状物質(PM2.5・PM10)、二酸化窒素の3つから計算します。山火事の煙が出ているときは、PM2.5だけを使って1時間ごとに計算します。

ECCCのAQHIのページ(新しいタブで開く)では、数字ごとに次の目安を示しています。ここでいう「影響を受けやすい人」は、子ども、65歳以上の人、持病のある人です。

AQHI危険の度合い影響を受けやすい人一般の人
1〜3低い(Low)ふだんどおり外で活動できるふだんどおり外で活動できる
4〜6中程度(Moderate)せきやのどの刺激があれば、外での激しい運動を減らすか日を改めることを考える症状がなければ、ふだんどおり外で活動できる
7〜10高い(High)外での激しい運動を減らすか、日を改めるせきやのどの刺激があれば、外での激しい運動を減らすか日を改めることを考える
10+非常に高い(Very high)外での激しい運動を避ける外での激しい運動を減らすか日を改める(特に症状があるとき)

AQHIの予報は、地元の時刻で6:00と17:00に出され、72時間先までを示します。地域ごとの数字はECCCの大気の質のページ(新しいタブで開く)や、ECCCの天気アプリ WeatherCAN で見られます。気象警報の全体の仕組みは「気象警報の見方」で扱います。

州・準州ごとの違い

大気の質の警報の出し方は、州・準州によって違うことがあります。ここではBCの例を挙げます。

州警報の名前出すところ
ブリティッシュコロンビア州(BC)大気質警報(Air Quality Warning)州の環境・公園省が州の保健当局と協力して出す。メトロバンクーバー地域では、メトロバンクーバーも大気の管理を分担

BC州政府によると、以前の「大気質注意報(Air Quality Advisory)」と「煙の空の情報(Smoky Skies Bulletin)」は、全国でわかりやすく統一するため「大気質警報(Air Quality Warning)」という名前に変わりました。ほかの州・準州の警報は、それぞれの政府の案内に従います。

煙の季節の前にできること

煙への備えのページ(新しいタブで開く)は、次の備えを挙げています。

  • 必要な薬を家に用意し、山火事の季節は持ち歩く。
  • 外にいなければならないときのために、顔に合ったN95マスク(米国NIOSHの認証を受けたもの)か、同等のKN95・KF94を用意する。
  • 住んでいる地域のAQHIをどこで見るかを確かめておく。
  • 部屋の広さに合った、認証を受けた持ち運びできる空気清浄機を1台以上用意することを考える。
  • 換気設備のフィルターはメーカーの指示に従って交換し、できるだけ質の高いものを選び、予備を持っておく。
  • 車のエアコンのフィルター(キャビンフィルター)を、メーカーの指示に従って交換する。
  • 煙のときに健康をどう守るかを、医師などに相談しておく。影響を受けやすい家族がいる家庭は特に大事です。
  • 煙探知機と一酸化炭素警報器が正しく動くか確かめる。

手順:煙が出ているとき

カナダ保健省の身の守り方のページ(新しいタブで開く)をもとにまとめます。

  1. AQHIと大気の質の警報を確かめる。
  2. 窓とドアをできるだけ閉める。
  3. 換気設備には、その設備が使える範囲で最も質の高いフィルターを使う。
  4. 細かい粒子を取り除ける、認証を受けた空気清浄機を使う。
  5. 外での激しい運動は、AQHIの数字と体調を見て減らすか、日を改める。
  6. 外に出るときは、顔に合ったN95などのマスクを使う。
  7. 車では窓を閉め、換気を内気循環にする。ときどき窓を開けて空気を入れ替え、車内に二酸化炭素がたまらないようにする。
  8. 家の空気をきれいに保てないときは、地域の「空気のきれいな場所(cleaner air spaces)」で煙から離れて休む。

手作りの空気清浄機

カナダ保健省は、箱型の扇風機にフィルターを付けた手作りの空気清浄機についても触れています。使うときは、2012年以降に作られた、安全ヒューズ付きの認証を受けた扇風機を使い、煙のあいだはフィルターをこまめに替えるよう案内しています。

マスクを使えない人

N95などのマスクは、2歳未満の子どもや、つけると息がしにくくなる人には使いません。

心の健康

カナダ保健省は、煙のときの心の健康についても触れ、つらいときは家族や友人、地域の人、医療者に話すことを勧めています。自殺を考えるほどつらいときは、24時間いつでも9-8-8に電話できます。

日本との違い・注意点

  • カナダでは山火事の季節に、火から離れた町でも煙で空気が悪くなることがあります。AQHIは日本の天気予報ではあまり見ない指数なので、WeatherCAN などで見方に慣れておくと動きやすくなります。
  • AQHIは「数字が大きいほど危険」の1〜10+の目安です。予報も出るので、ハイキングなど外の予定は数字を見て決められます。ハイキングの準備は「ハイキングの準備」で扱います。
  • カナダ保健省は、空気清浄機やN95マスク、予備のフィルターを、煙の季節の前に用意しておくよう勧めています。
  • 症状が重いとき、命に関わるときは911に電話します。

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