ケベック州の移民とフランス語の要件(Connaissance du français)
ケベック州の熟練労働者選抜プログラム(PSTQ)では、多くの区分で申請者にフランス語の力が求められ、一緒に移る配偶者にも話す力のレベル4以上が求められます。証明には州が認める試験の結果などを使い、試験の結果は申請日の2年以内のものが必要です(2026年10月時点)。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
ケベック州は、永住する人を州が独自に選びます(「ケベック州の移民制度」)。その選抜では、フランス語の力が大きな条件になります。この記事では、熟練労働者選抜プログラム(Programme de sélection des travailleurs qualifiés、PSTQ)のフランス語の要件を中心にまとめます。
フランス語の力の基準
ケベック州は、フランス語の力を「ケベック州のフランス語能力の基準(Échelle québécoise des niveaux de compétence en français)」のレベルで表します。連邦の移民・難民・市民権省(IRCC)が使うフランス語の基準(NCLC)とは別のものです。
PEQのフランス語の要件
ケベック経験プログラム(Programme de l’expérience québécoise、PEQ)の要件です。ケベック州政府のPEQの条件のページ(新しいタブで開く)(フランス語)によります(2026年10月時点)。
| 区分 | 申請者 | 一緒に移る配偶者 |
|---|---|---|
| 一時外国人労働者(Travailleurs étrangers temporaires) | 話す力レベル7以上 | 話す力レベル4以上 |
| ケベック州の卒業生(Diplômés du Québec) | 話す力レベル7以上、書く力レベル5以上 | 話す力レベル4相当 |
卒業生の区分では、PEQの受付の停止中に加わった「フランス語で学ぶ課程を修了していること」などの条件は、再開にあたって外されました。PEQの受付期間などは「ケベック経験プログラム(PEQ)」で扱います。PEQの申請で出す証明書類は、申請書のパート2に一覧があります。
PSTQの区分ごとの要件
ケベック州政府のPSTQの条件のページ(新しいタブで開く)による、区分(volet)ごとのフランス語の要件です(2026年10月時点)。
| 区分 | 申請者 | 一緒に移る配偶者 |
|---|---|---|
| 1:高い資格と専門の技能(FEER 0・1・2) | 話す力レベル7以上、書く力レベル5以上 | 話す力レベル4以上 |
| 2:中程度の技能と手作業の技能(FEER 3・4・5) | 話す力レベル5以上 | 話す力レベル4以上 |
| 3:規制のある職業 | 職業のFEERにより区分1か2と同じ | 話す力レベル4以上 |
| 4:特別な才能 | ― | — |
FEERは、ケベック州で使う職業の区分で、連邦のTEERに当たります(「職業分類(NOC・TEER)」)。
フランス語の力の証明
フランス語の力の証明のページ(新しいタブで開く)によると、フランス語が母語の人も、次のどれかの書類を出す必要があります。
試験と資格
ケベック州の移民の担当省(Ministère de l’Immigration, de la Francisation et de l’Intégration、MIFI)が認める試験・資格です。
| 実施団体 | 試験・資格 |
|---|---|
| France Éducation international | TCF-Québec、TCF-Canada、TCF、DALF、DELF |
| パリ・イル=ド=フランス商工会議所(CCIP-IDF) | TEFAQ、TEF Canada、TEF |
- 試験の結果は、永住の選抜を申請する日から2年以内のものが必要です。
- 結果の証明書は全体をスキャンして出します。DELFとDALFは、資格の証書全体をスキャンします。
- 実施団体が出した結果だけが認められます。試験は、実施団体が認めた会場で受けます。
- 試験の点数がケベック州の基準のどのレベルに当たるかは、MIFIの対応表(フランス語のみ)で決まります。主な試験の対応は次の「点数とレベルの対応」のとおりです。
中等教育の卒業資格
次の卒業資格も認められます。
- フランス国民教育省が出すバカロレア(普通・職業・技術)
- ベルギーのフランス語共同体が出す中等教育修了証(CESS)
- スイスのフランス語圏の州の学校で取ったマチュリテ(Maturité)
点数とレベルの対応
PSTQのページからリンクされているMIFIの対応表(新しいタブで開く)(2024年11月29日版)の抜粋です。対応表は、レベルを「5〜6」「7〜8」のように2つずつまとめて点数を示しています。
| ケベック州の基準 | ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR) | TEF・TEFAQ・TEF Canada(各技能) | TCF・TCF-Québec・TCF Canada(聞く・読む) | TCF・TCF-Québec・TCF Canada(話す・書く) |
|---|---|---|---|---|
| レベル4 | A2 | 260〜299点 | 260〜299点 | 4〜5点 |
| レベル5〜6 | B1 | 300〜399点 | 300〜399点 | 6〜9点 |
| レベル7〜8 | B2 | 400〜499点 | 400〜499点 | 10〜13点 |
| レベル9〜10 | C1 | 500〜599点 | 500〜599点 | 14〜17点 |
| レベル11〜12 | C2 | 600〜699点 | 600〜699点 | 18〜20点 |
DELF・DALFは、資格の種類でレベルが決まります。DELF B1はレベル5〜6、DELF B2はレベル7〜8、DALF C1はレベル9〜10に当たります。DELF A2は、各技能の点数が16〜25点ならレベル4、12.5〜15.5点ならレベル3です。
たとえば、話す力レベル7以上が必要な場合、TEFの話す試験では400点以上、TCFの話す試験では10点以上が、この表でレベル7〜8に当たる点数です。
職業団体の書類(区分3だけ)
規制のある職業の区分では、ケベック州の職業団体(ordre professionnel)が出した正式の業務許可(有効なものか、切れてから2年以内)や、ケベック州フランス語局(Office québécois de la langue française)の職業団体向けの試験に2年以内に合格した証明も認められます。
MIFIは、申告されたフランス語のレベルを確かめるため、面接に呼ぶことがあります。英語の要件はありません。
フランス語を学ぶ
ケベック州政府は「Francisation Québec」としてフランス語の講座を用意しています。州政府のフランス語学習のページ(新しいタブで開く)によると、ケベック州に住む16歳以上で義務教育の対象ではない人と、ケベック州に住む予定の人が対象で、講座は無料です。条件により、移民の人には学ぶ間の経済的な支援もあります。中級・上級向けのオンライン講座もあります。
ほかの制度でのフランス語
- 一時的な就労:ケベック州の受け入れ証明書(CAQ)のフランス語の要件は「ケベック州の受け入れ証明書(CAQ)」で扱います。
- 連邦の永住の選抜:Express Entryのフランス語の力による選抜は「職種・フランス語別の選抜」、連邦が認める試験(TEF Canada・TCF Canada)は「ビザに使える英語・フランス語試験」で扱います。
- カナダ市民権:18〜54歳の申請者は、英語かフランス語で、カナダ語学基準のレベル4(フランス語はNCLCのレベル4)に当たる力を示します(「カナダ市民権の取得」)。
手順
- 自分が当てはまるPSTQの区分と、申請者・配偶者に必要なレベルを確かめる。
- 認められた試験を、実施団体の認めた会場で受ける。
- 結果がケベック州の基準のどのレベルに当たるかを、MIFIの対応表で確かめる。
- 申請日の2年以内の結果を用意し、関心表明や申請に使う。
費用
試験の受験料は実施団体と会場によって違います。Francisation Québecの講座は無料です(2026年10月時点)。
ここに注意してね!
- ケベック州で永住を目指す場合、英語ではなくフランス語の力が中心の条件になります。英語の力だけでは、多くの区分の要件を満たせません。
- 配偶者にもフランス語の要件があります。家族で移る場合は、配偶者の準備も早めに始めます。
- 試験の結果には2年の期限があります。受ける時期と申請の時期を合わせて考えます。
- ケベック州政府のページには英語版とフランス語版があります。内容が違うように見えるときは、フランス語版も確かめます。
- 自分がどの区分に当たるかなどの判断は、MIFI、RCIC(登録移民コンサルタント)、弁護士、ケベック州の公証人に相談してください(「移民コンサルタント(RCIC)と弁護士の選び方」)。
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