カナダ市民権の取得(Canadian citizenship)
永住者がカナダ市民権を申請するには、申請前の5年間にカナダに1,095日以上いること、必要な年の確定申告、18〜54歳は語学力の証明と市民権テストなどが求められます。申請料は大人C$653、18歳未満C$100です(2026年10月時点)。日本国籍への影響は、決める前に日本側の窓口で確かめます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
カナダ市民権(Canadian citizenship)は、永住者(Permanent Resident)が条件を満たして申請し、審査と宣誓を経て得るものです。結婚や永住権の取得で自動的に市民になるわけではありません。移民・難民・市民権省(IRCC)の申請条件のページ(新しいタブで開く)をもとに、仕組みをまとめます。
大人(18歳以上)の主な条件
IRCCは、大人が市民になるための条件として、次の7つを挙げています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 永住者であること | 有効な永住者の資格があること。退去命令を受けていないこと、永住権に付いた条件(医療の検査など)を満たしていること |
| カナダにいた日数 | 申請前の5年間に、カナダに1,095日(3年)以上いたこと |
| 確定申告 | 申請前の5年間のうち3年以上、必要な場合は確定申告をしていること |
| 語学力 | 18〜54歳は、英語かフランス語の力を示すこと |
| 市民権テスト | 18〜54歳は、テストを受けること |
| 宣誓 | 市民権の式典で宣誓(oath of citizenship)をすること |
| 禁止事由がないこと | 犯罪や安全保障などの理由による禁止事由(prohibition)に当たらないこと |
PRカードの期限が切れていても申請できます。ただし、永住者の資格そのものを失っていないことが前提です(「永住者の居住義務」)。
カナダにいた日数
日数の数え方には、永住者になる前の日を半日として数えるなどのきまりがあります。くわしくは「市民権の滞在日数(Physical presence)の数え方」にまとめています。
語学力
申請書に署名する日に18〜54歳の人は、英語かフランス語で、日常の短い会話ができること、簡単な指示や質問がわかることなどを示します。IRCCは、この話す力と聞く力を、カナダ語学基準(Canadian Language Benchmarks、CLB)のレベル4(フランス語はNCLCのレベル4)に当たると説明しています。
証明には、IRCCが認める証明書・卒業証書・試験の結果を使います。申請のあとに担当者と話すときの様子や、必要なときは面接で語学力を確かめることもあります。永住申請で使う試験については「ビザに使える英語・フランス語試験」で扱います。
市民権テスト
申請書に署名する日に18〜54歳の人は、市民権テストを受けます。テストでは、市民の権利と責任、カナダの歴史・地理・経済・政治・法律・象徴について問われます。テストの案内は申請のあとに届きます。
免除と配慮
- 55歳以上の大人と、18歳未満の子どもは、語学力の証明と市民権テストが要りません。
- 14歳未満の子どもは、宣誓が要りません。
- 障がいなどで条件を満たすのが難しいときは、手話通訳や点字のテストなどの配慮(accommodation)や、条件の免除(waiver)を申し込めます。大人が免除を申し込めるのは、語学力・テスト・宣誓だけです。
子ども(18歳未満)の申請
子どもの申請には2つの種類があります。
| 種類 | 対象 | 主な条件 |
|---|---|---|
| Minor 5(2) | 親がカナダ市民、または親が同時に申請する子ども | 永住者であること、禁止事由がないこと、14〜17歳は宣誓 |
| Minor 5(1) | 上に当たらない子ども | 上に加えて、カナダにいた日数と確定申告の条件 |
5(2)では、親(実親・養親)か法律上の後見人が申請します。カナダで生まれた子どもの国籍については「カナダで生まれた子どもの国籍」で扱います。
手順
- IRCCの条件のページ(新しいタブで開く)で条件を確かめ、カナダにいた日数を計算する。
- 原則としてオンラインで申請する。家族や複数の大人でまとめて申請することもできます。代理人に申請書を作って出してもらう場合などは、紙で申請します。
- 申請料をオンラインで払い、領収書を申請に付ける。
- 申請書には署名した日の日付を書く。紙の申請は、署名の日から90日を過ぎて届くと返されます。
- 受理の通知(Acknowledgement of receipt、AOR)を受け取る。AORが届いた時点で審査が始まっています。
- 18〜54歳は市民権テストを受ける。必要に応じて面接を受ける。
- 市民権の式典に出て宣誓し、カナダ市民になる。
申請後のページ(新しいタブで開く)によると、申請のあとも永住者の資格を保ち、テスト・面接・式典にカナダで本人が出られるようにしておく必要があります。
費用
IRCCの料金表(新しいタブで開く)による申請料です(2026年10月時点)。
| 申請する人 | 金額 |
|---|---|
| 大人(18歳以上) | C$653(審査料と市民権の権利料を含む) |
| 子ども(18歳未満) | C$100(審査料) |
申請が認められなかったときは、大人の申請に限り、市民権の権利料(right of citizenship fee)の分が返金されます。子どもの申請料は返金されません。審査が始まる前に取り下げたときは、払った全額が返金されます。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダは二重国籍を認めていますが、IRCCも、市民権を取ると今の国籍を失うことがあると注意しています。日本の国籍法では、自分の意思で外国の国籍を取ると日本国籍を失います。くわしくは「市民権取得と日本国籍」で扱います。
- 日本国籍への影響は、申請する前に法務省(法務局)や在カナダの日本国大使館・総領事館で確かめます。
- カナダ市民と結婚しても、自動的に市民にはなりません。配偶者も、ほかの大人と同じ条件で申請します。
- 日数の計算に誤りがあると申請が通らないことがあります。IRCCは、1,095日より余裕をもって申請するよう勧めています。
- 自分が条件に当たるかどうかの判断は、IRCC、RCIC(登録移民コンサルタント)、弁護士に相談してください(「移民コンサルタント(RCIC)と弁護士の選び方」)。
この記事をシェアする