新しく来た人の初めての確定申告(Newcomers to Canada)
カナダの税務上の居住者になった最初の年は、居住者になった日(入国日)を申告書に書き、その日より前は一部のカナダの所得だけ、その日からは世界中の所得を申告します。申告は居住者になった翌年の春です。給付は申告より前に申し込めます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
「新しく来た人(newcomer)」の扱い
カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)は、税務上のカナダの居住者になった最初の年の人を「新しく来た人(newcomer)」として扱います。
税務上の居住者になるのは、カナダに十分な居住のつながり(residential ties)ができたときです。CRAは、多くの人にとって、それはカナダに住み始めた最初の日だとしています。重要なつながりには、カナダの住まい、カナダにいる配偶者・コモンローパートナー、カナダにいる扶養家族があります。判断の仕方は「税務上の居住者の判断」で扱います。
申告はいつするか
CRAの新しく来た人向けのページ(新しいタブで開く)は、居住者になった年の翌年まで申告はいらないとしています。たとえば2025年に居住者になった人は、2025年分を2026年に申告します。期限は通常、翌年の4月30日です(「確定申告の基本と期限」)。
CRAの処理期間のページ(新しいタブで開く)とサービス基準(新しいタブで開く)によると、期限内に出した申告の査定通知は、電子申告(NETFILEなど)で受け取ってから2週間以内、紙で12週間以内に出すことが目標です(2026年10月時点)。亡くなった人、破産した人、非居住者、カナダを出た人の申告や、複数年分をまとめて出した場合、CRAから問い合わせがある場合は、この期間は当てはまりません。
最初の年の申告で気をつける点
CRAの新しく来た人の申告の書き方のページ(新しいタブで開く)は、次の点を説明しています。
居住者になった日を書く
申告書に、税務上の居住者になった日を「月日」の4けたで書きます(例:6月8日なら「0608」)。
どの所得を申告するか
| 期間 | 申告する所得 |
|---|---|
| 居住者になる前 | カナダでの雇用の収入、カナダでの事業の収入、カナダの財産を売ったときの課税されるキャピタルゲイン、カナダから受けた奨学金などの課税される部分 など、一部のカナダの所得だけ |
| 居住者になった後 | 世界中のすべての所得(カナダドルに直す) |
日本で受け取った給料なども、居住者になった後の分は申告の対象です。日本とカナダの両方で税金がかかった所得は、外国税額控除(Form T2209)で連邦税を減らせることがあります。
控除の一部は日数で割る
基礎控除(basic personal amount)など一部の控除(non-refundable tax credits)は、1年のうちカナダの居住者だった日数の割合で計算します(居住した日数÷365)。
州・準州は12月31日の住所で決まる
州・準州の税金は、その年の12月31日に住んでいた州・準州で決まります。申告書類一式(income tax package)もその州・準州のものを使います。
持っていた財産の扱い
カナダに来たときに持っていた一部の財産は、居住者になった日の時価(fair market value)でいったん売って、すぐに買い直したものとみなされます。後で売ったときの利益の計算に関わります。
RRSPの掛け金
CRAは、カナダで初めて申告する年は、一般にその年のRRSPの掛け金を控除できないとしています。
外国の財産の報告(T1135)
CRAは、カナダの居住者になった最初の年は、外国の財産の報告書(Form T1135)を出さなくてよいとしています。翌年からは条件に当てはまれば提出が必要で、その判断には居住者になった日の時価を使います(「日本の収入・資産の申告」)。
SINがないとき
オンラインの申告には社会保険番号(SIN)が必要です。SINを申し込んだのにまだ届かず、期限が近い場合は、SINを書かずに紙で申告し、SINを書いていない理由のメモを付けます。SINを受けられない人は、CRAから一時的な納税者番号(TTN)を受けられることがあります(「社会保険番号(SIN)」)。
給付は申告の前に申し込める
CRAは、条件を満たせば、最初の申告を待たずに、カナダに着いてすぐ給付を申し込めるとしています。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| RC151 | Canada Groceries and Essentials Benefit(CGEB、旧GST/HSTクレジット)の申請(「CGEB」) |
| RC66 | カナダ児童手当(CCB)と州・準州の関連給付の申請(「カナダ児童手当」) |
| RC66SCH | カナダでの在留資格と所得の情報 |
申し込みでは、居住者になる前の最大2年間にカナダの外で得た所得も報告します。給付の額を計算するためです。
その後は、所得がなくても、税金がかからなくても、毎年期限までに申告します。CRAは毎年の申告をもとに給付の額を計算するためです。
手順
- SINを受け取る(受けられない場合はTTN)。
- 子どもがいる人や条件に当てはまる人は、RC151・RC66などで給付を申し込む。
- 居住者になった翌年の春に、T4などの税務書類をそろえる(「T4などの税務書類」)。
- 居住者になった日を書き、居住者になる前と後の所得を分けて申告書を作る。
- 4月30日までに申告し、不足分があれば納める。
- 翌年からも毎年申告する。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の給与所得者は年末調整で精算が終わることが多いのに対し、カナダでは自分で申告します(「確定申告の基本と期限」)。
- 最初の年は、入国日の前と後で申告する所得の範囲が変わります。日本で得た所得の扱い、日本とカナダの両方での課税、日本に残した資産の扱いは個別の事情で変わるので、判断はCRAか税理士に相談します。
- ワーキングホリデーや留学で来た人も、税務上の居住者かどうかで申告の内容が変わります。居住者かどうかは滞在の目的や期間だけでは決まらず、CRAが居住のつながりをもとに判断します。
- 給付を申し込むときに報告する「カナダに来る前の所得」は、確定申告とは別の手続きです。
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