日本人のためのカナダ情報
教育・子育て / 日本語教育

継承語としての日本語教育(Heritage language・International languages)

在住駐在
ひとことで言うと

カナダで育つ子どもが日本語を保つ方法には、家庭、補習校、公立の学区の言語クラスがあります。オンタリオ州では、保護者が23人分以上を書面で求めると、学区はキンダーガーテン〜Grade 8 の国際言語クラスを設けることになっています。BCでは Grade 5〜12 の日本語の州のカリキュラムがあり、どの言語を教えるかは学区が決めます。

目次
  1. 継承語とは
  2. 州・準州ごとの違い
  3. オンタリオ州:国際言語クラス
  4. BC:第二言語としての日本語
  5. 手順
  6. 日本との違い・注意点
Aa あ HelloBonjour

継承語とは

継承語(Heritage language)は、親から子へ受け継ぐ言語のことです。カナダで育つ日本人の子どもにとって、日本語は学校の言葉(英語やフランス語)とは別に、家庭や地域で育てていく言語になります。

日本語を保つ場には、主に次のものがあります。

  • 家庭での会話や読み聞かせ
  • 週末などに日本の教科を日本語で学ぶ補習授業校(「日本語補習校」)
  • 公立の学区が開く言語クラスや、学校の第二言語の授業

公立の学校でどこまで日本語を学べるかは、州と学区によって違います。

州・準州ごとの違い

ビバまる

州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。

項目オンタリオ州ブリティッシュコロンビア州(BC)
仕組み学区の国際言語・先住民の言語のクラス(継続教育として)学校の第二言語の授業(Grade 5〜8 は必修)
対象の学年キンダーガーテン〜Grade 8Grade 5〜12(日本語の州のカリキュラムがある学年)
時間学期中は週2時間30分まで、夏は1日2時間30分まで学校の時間割の中
どの言語を教えるか保護者の求めなどで学区が設ける学区が決める(決めなければフランス語)

オンタリオ州:国際言語クラス

オンタリオ州の学校の方針(新しいタブで開く)では、学区は、英語、フランス語、手話(ASL・LSQ)以外の言語のクラスを、継続教育(Continuing education)として、キンダーガーテン〜Grade 8 の子どもに開くことができます。

  • 保護者から、23人以上の子どものために書面で求めがあれば、学区はクラスを設けるか、ほかの学区と取り決めて提供しなければなりません。
  • 最初の授業に10人以上が出席し、1人以上が年度の最後まで通えば、クラスは年度の終わりまで続きます。
  • 授業は、授業時間外の昼休み、放課後、週末に、学校かほかの場所で行われます。
  • 学期中は週2時間30分まで、夏は1日2時間30分まで受けられます。
  • 教員、教育内容、監督は、クラスを開く学区が責任を持ちます。

日本語のクラスがあるかどうかは、学区によって違います。住んでいる学区の継続教育の案内で確かめます。

BC:第二言語としての日本語

BC の言語教育の方針(Language Education Policy)(新しいタブで開く)では、Grade 5〜8 のすべての生徒が第二言語を学ぶことになっています(一部の例外あり)。どの言語を教えるかは学区が決め、学区がほかの言語を選ばなければフランス語(Core French)になります。

BC の州のカリキュラム(新しいタブで開く)には、日本語(Japanese 5〜12 と Japanese Introductory 11)があります。ただし、実際に日本語の授業がある学校は学区によって違います。

BC の方針は、英語を学んでいる生徒(ELL)について、生徒の第一言語を大切にする学習の機会を学区が用意するよう求めています。学校の英語支援は「学校の英語支援(ESL・ELL)」で扱います。

手順

  1. 子どもの日本語の目標(会話、読み書き、日本の学校への編入など)を家族で決める。
  2. 住んでいる学区で、国際言語クラスや日本語の授業があるか確かめる。
  3. オンタリオ州でクラスがない場合は、ほかの保護者と一緒に学区に書面で求める方法がある。
  4. 補習校に通うか、家庭でどう続けるかを考える。
  5. 日本に戻る予定がある場合は、編入の準備も合わせて考える(「日本の学校への編入と帰国子女」)。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • カナダの学校の授業は英語かフランス語です。日本語は、家庭や補習校、学区のクラスなど、学校の授業の外で育てることが中心になります。
  • オンタリオ州の国際言語クラスは週2時間30分までと時間が限られます。
  • 公立の学校で日本語を学べるかは、州と学区によって大きく違います。同じ州でも、引っ越すと受けられなくなることがあります。
  • 英語を学んでいる間も第一言語を大切にすることについて、オンタリオ州と BC の学校の方針は触れています。家庭での日本語の使い方に迷うときは、学校の担当の先生に相談できます。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

教育・子育て日本語補習校(補習授業校、Japanese supplementary school)補習授業校は、現地の学校に通う日本人の子どもが、土曜日などに日本の小・中学校の一部の教科を日本語で学ぶ教育施設です。カナダでは、トロント、バンクーバー、モントリオールの補習校に文部科学省が教師を派遣しています。日本の教科書は、条件を満たせば出国前に無償で受け取れます。教育・子育て日本の学校への編入と帰国子女(帰国児童生徒の就学)カナダから日本に帰国した学齢の子どもは、帰国した時から就学義務の対象になり、住所地の市町村教育委員会から通う学校が指定されます。小・中学校へは原則として年齢に応じた学年に編入します。高校の入学資格は外国の9年の課程の修了、大学の入学資格は12年の課程の修了が基本です。教育・子育て学校の英語支援(ESL・ELL、English Language Learning)英語が第一言語でない子どもは、公立学校で英語の支援を受けられます。呼び名は州で違い、BC では ELL、オンタリオ州では ESL と ELD と呼びます。支援の受け方、通知表での扱い、家庭での日本語の続け方を、BC とオンタリオ州の州の方針をもとにまとめます。教育・子育てオンタリオ州の学校制度(Ontario school system)オンタリオ州の公立学校は、英語の公立・英語のカトリック・フランス語の公立・フランス語のカトリックの4種類、計72の教育委員会が運営しています。キンダーガーテンは4歳・5歳の2年間で無料です。高校卒業資格(OSSD)には30単位、40時間の地域活動、読み書きの要件などが必要です。教育・子育てBC州の学校制度(B.C. K-12 education)ブリティッシュコロンビア州(BC)の公立学校は、59の学区とフランス語系の教育機関(CSF)が運営しています。5歳になる年の9月から全日制のキンダーガーテンに通え、高校卒業資格(Dogwood Diploma)には80単位と州の読み書き・数的能力の評価が必要です。