カトリック系公立学校(Separate school)
オンタリオ州とアルバータ州などには、カトリック系の学校を公立の学校制度の一つとして運営する仕組み(Separate school)があります。オンタリオ州では72の教育委員会のうち37がカトリックで、州の予算で運営されます。入学の条件は教育委員会によって違うため、通わせたい学区に確かめます。ケベック州の公立学校は宗教から切り離されています。
Separate school とは
カナダのいくつかの州には、宗教の少数派(カトリックかプロテスタント)が運営する学校を、公立の学校制度の中に置く仕組みがあります。これを分離学校(Separate school)と呼びます。
もとになっているのは、1867年憲法法(Constitution Act, 1867)の第93条です。連邦の法令のページ(新しいタブで開く)によると、州が教育の法律を作るとき、州がカナダに加わった時点で法律にもとづいて認められていた宗派の学校の権利を損なってはならないと定めています。第93A条で、この部分はケベック州には適用されないことになっています。
カトリック系の公立学校は、私立のカトリックの学校とは別のものです。私立学校は「私立学校」で扱います。
州・準州ごとの違い
州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。
| 州 | 仕組み |
|---|---|
| オンタリオ州 | 72の教育委員会のうち、英語のカトリックが29、フランス語のカトリックが8。州の予算で運営される公立学校 |
| アルバータ州 | 公立学校と分離学校(Separate school)が、どちらも公立の学校制度の選択肢。宗教の少数派(プロテスタントかカトリック)は分離学区をつくる権利がある |
| ケベック州 | 公立の学校は宗教から切り離されている(「ケベック州の学校制度」) |
ほかの州・準州の仕組みは、州の教育省のページで確かめます。
オンタリオ州
オンタリオ州の保護者向けガイド(新しいタブで開く)によると、州は72の教育委員会(District school board)と10の School authority に予算を出しています。教育委員会は、英語の公立31、英語のカトリック29、フランス語の公立4、フランス語のカトリック8です。予算の仕組みは、公立とカトリックで分けて書かれていません。
同じ地域に、公立とカトリック、英語とフランス語の教育委員会が重なってあります。どの教育委員会に通うかは、住所と、英語かフランス語か、公立かカトリックかで考えます(「オンタリオ州の学校制度」「学区の仕組み」)。フランス語の教育を受ける権利を持つ人(French-language rights holder)は、子どもをフランス語の公立・カトリックの教育委員会の学校に通わせることができます。
オンタリオ州の教育法の入学の条文
オンタリオ州の教育法(Education Act)(新しいタブで開く)は、小学校と高校で、カトリック系の学校に通える人の決め方が違います。
- 小学校(第33条第3項):6歳になる年の9月1日より後、カトリックの学区(Separate school zone)に住み、分離学校の支援者(Separate school supporter)である親か保護者もその学区に住んでいる子どもは、英語のカトリックの教育委員会の在籍資格(Resident pupil)を持ちます。
- 高校(第42条第1項):英語の公立の教育委員会の在籍資格を持ち、高校の学年の授業を受けられる人は、地域が重なる英語のカトリックの教育委員会の高校で授業を受ける権利があります。
- 宗教の授業(第42条第11項〜第13項):公立の教育委員会の在籍資格を持つ人がカトリックの高校に通うとき、宗教の授業は受けたものとして扱われます。ただし、親か保護者(18歳以上は本人)が書面で申し出れば、宗教の授業を受けなくてよいとされています。
小学校については、在籍資格がない子どもを受け入れるかどうかは、教育委員会の方針によります。たとえば、トロント・カトリック教育委員会(TCDSB)の小学校の入学のページ(新しいタブで開く)では、子どもか親のカトリックの洗礼証明書などを求めています。カトリックでない親の、カトリックでない子どもは、入信の準備のプログラム(RCIA・RCIC)に申し込んでいなければ、TCDSB の小学校に入れないとしています(東方正教会の一部の子どもを除く)。
アルバータ州
アルバータ州の教育の選択肢のページ(新しいタブで開く)は、公立学校と分離学校を、フランス語系の学校、チャータースクール、私立学校、家庭での教育、オンライン学習と並ぶ選択肢として挙げています。
州の教育の権利のページ(新しいタブで開く)によると、宗教の少数派(プロテスタントかカトリック)は分離学区(Separate school district)をつくる権利を持ちます。この権利は、憲法法、カナダ権利自由憲章、アルバータ法(Alberta Act)、州の教育法(Education Act)で守られています。学校に通う権利の条件は、州の教育法で決められています。
公立と分離学校は、それぞれの学区が運営します。住所によって通える学区が決まるため、学区の地図や学区のサイトで確かめます(「アルバータ州の学校制度」)。
手順
- 住んでいる地域に、公立とカトリックのどの学区・教育委員会があるかを調べる。
- カトリック系の学校を考えるときは、その教育委員会・学区の入学の条件(宗教の確認の書類が要るか、小学校と高校で違うかなど)を確かめる。
- 宗教の授業や行事があるか、宗教の授業を受けないことを選べるかを学校に聞く。
- 必要な書類をそろえて登録する(「子どもの学校入学の手続き」)。
ここに注意してね!
- オンタリオ州やアルバータ州では、カトリック系の学校も公立の学校制度の中にあり、私立学校とは別の扱いです。
- 同じ住所でも、公立とカトリックの両方の学区の学校が選択肢になることがあります。学校の場所、スクールバス、フランス語イマージョンの有無などは学区によって違います(「フランス語イマージョン」)。
- オンタリオ州の教育法では、カトリックの小学校の在籍資格は、親か保護者が分離学校の支援者であることを条件にしています。高校は、公立の在籍資格があれば、地域が重なるカトリックの高校に通う権利があります。
- 入学の条件や宗教の授業の扱いは、教育委員会・学区によって違います。入学の前に、通わせたい学区に直接確かめます。
- 州によって仕組みがまったく違います。ほかの州へ引っ越すときは、新しい州の制度を調べ直します。
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