私立学校(Private school / Independent school)
カナダの私立学校は、州・準州ごとに監督のしかたが大きく違います。オンタリオ州では州は補助金を出さず、運営の監督もしません。BCとアルバータ州では、条件を満たす学校に州が補助金を出し、学校を区分して監督しています。学費や教員の資格も学校ごとに違うため、入学前に確かめることが大切です。
私立学校は州によって扱いが違う
カナダの小学校から高校までの学校には、公立学校のほかに私立学校があります。州によって「Private school」「Independent school」と呼び方が違います。カトリック系の学校でも、オンタリオ州やアルバータ州の公立のカトリック学校は私立ではありません(「カトリック系公立学校」)。
私立学校を州がどこまで監督し、補助金を出すかは、州ごとに大きく違います。ここでは、オンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州(BC)、アルバータ州の例をまとめます。
州・準州ごとの違い
州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。
| 項目 | オンタリオ州 | BC | アルバータ州 |
|---|---|---|---|
| 州の補助金 | なし | Group 1・2 の学校だけ | 認定・補助対象の学校(Accredited funded)だけ |
| 州の教育課程 | 州が視察しない学校は従わなくてよい | Group 1・2・4 は州の時間数と教育課程の条件に従う | 補助対象の学校は州の教育課程で教える |
| 教員の資格 | 州の教員資格は不要 | Group 1・2・4 は全員が州の資格を持つ | 認定校(Accredited)は資格のある教員を置く |
| 州の視察 | 高校の単位を出す学校だけ | すべての学校(頻度は区分で違う) | この記事では扱っていない |
オンタリオ州:州は運営を監督しない
オンタリオ州の私立学校のページ(新しいタブで開く)によると、私立学校は州の教育法(Education Act)の条件を満たす必要がありますが、教育省からは独立した事業者や非営利団体です。州は私立学校に、補助金、規制、認可、認定、運営の監督のいずれも行っていません。
- 校長や教員は、オンタリオ州の教員資格(Ontario College of Teachers の登録)を持っていなくてもかまいません。
- 毎年、運営する意思の届け出(Notice of Intention to Operate)と統計の提出が必要です。
- 州の高校卒業資格(OSSD)の単位を出す私立高校は、州が視察します。視察するのは教育課程と評価のやり方で、建物の状態、健康と安全、職員の配置は見ません。
- 州が視察しない学校は、州の教育課程に従う必要がありません。
州のページには、運営中の私立学校の一覧があります。保護者が学校に聞くとよい質問として、OSSD を出せる学校か、職員の犯罪歴の確認をしているか、苦情の受け付けや返金の決まりはどうなっているか、などが挙げられています。
BC:4つの区分で監督
BC の私立学校(Independent school)は、州の区分の方針(新しいタブで開く)によって、すべて Group 1〜4 のどれかの区分の認定を受けます。
| 区分 | 主な条件 | 州の補助金 |
|---|---|---|
| Group 1 | 教員は全員が州の資格を持つ。州の教育課程と卒業の基準に従う。1人あたりの運営費が地元の学区以下 | 地元の学区の1人あたりの補助額の50% |
| Group 2 | Group 1 と同じ条件。1人あたりの運営費が地元の学区より高い | 同じく35% |
| Group 3 | 在籍者の半分以上が州の定める対象の生徒。2年に1回以上の評価 | なし |
| Group 4 | 主に州外や海外からの生徒を受け入れる。教員は全員が州の資格を持つ | なし |
州の補助金の方針(新しいタブで開く)では、補助を受けられるのは Group 1 と Group 2 だけです。Group 4 の学校は保証金(Bond)を備え、学費や滞在の条件を宣伝の内容どおりにする必要があります。
アルバータ州:3つの種類
アルバータ州の私立学校のページ(新しいタブで開く)では、私立学校を次の3つに分けています。
- 登録校(Registered):州の補助なし。資格のある教員を置く義務も、州の教育課程で教える義務もない。
- 認定校・補助なし(Accredited, non-funded):資格のある教員を置く。州の教育課程で教える義務はない。
- 認定校・補助あり(Accredited funded):資格のある教員を置き、州の教育課程で教える。
補助ありの学校への州の補助は、Grade 1〜12 では公立・分離(カトリック)・チャータースクールの70%の水準、キンダーガーテン(ECS)では100%の水準です。州は Grade 1〜12 の学費の額を決めていません。
手順
- 住む州の教育省のページで、私立学校の種類と監督のしかたを確かめる。
- 州の一覧などで、学校が州に届け出ているか、どの区分かを確かめる。
- 学校に、教員の資格、州の教育課程に沿っているか、州の卒業資格を出せるかを聞く。
- 学費、返金の決まり、苦情の窓口を書面で確かめる。
- 留学生として入学する場合は、学習許可(Study permit)の条件も確かめる(「高校留学」)。
費用
私立学校の学費は学校ごとに決まり、州は額を決めていません(アルバータ州は Grade 1〜12 について明記、2026年10月時点)。公立学校とは違い、学費がかかることを前提に考えます。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 「私立」でも、州が教員の資格や教育課程を確かめているとは限りません。特にオンタリオ州では、州は私立学校の運営を監督していません。
- 州の高校卒業資格(オンタリオ州の OSSD、BC の Dogwood Diploma など)を出せる学校かどうかは、大学進学や日本の学校への編入で大切です。卒業資格は「高校卒業資格と州の卒業要件」で扱います。
- 公立学校の制度は「カナダの学校制度は州ごとに違う」にまとめています。
- このサイトは特定の学校を推薦しません。学校選びの判断は、州の教育省や学校に直接確かめてください。
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