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会社の福利厚生(Group benefits)

在住駐在
ひとことで言うと

カナダの勤め先の福利厚生(Group benefits)は、州の医療保険が払わない処方薬・歯科・眼科などを補う団体保険が中心です。範囲は会社と契約によって違い、会社を辞めるとふつう補償も終わります。オンタリオ州の OHIP+ やケベック州の薬の保険など、州の制度との関係にも気をつけます。

目次
  1. 福利厚生の保険で補うもの
  2. よく含まれる補償
  3. 就業不能保険と雇用保険
  4. 保険料と税金
  5. 州の制度との関係
  6. 手順
  7. 費用
  8. 日本との違い・注意点

福利厚生の保険で補うもの

カナダの州の医療保険は、医師の診察や病院が中心です。金融消費者庁(Financial Consumer Agency of Canada、FCAC)のページ(新しいタブで開く)は、勤め先の医療保険(Workplace health care plan)が、州の保険が払わない処方薬、歯科、眼科(Vision care)などをカバーすることがあると説明しています。

勤め先が従業員のためにまとめて入る保険を、一般に団体保険(Group insurance)や福利厚生(Group benefits)と呼びます。勤め先に保険がない人は、個人で入る保険を考えることになります(「民間の医療保険」)。

よく含まれる補償

どの補償が含まれるかは、会社と保険の契約によって違います。FCAC のページなどで挙げられている保険の種類は次のとおりです。

種類内容
医療(Extended health)処方薬、眼科、州の保険の対象外の医療サービスなど
歯科(Dental)検診、クリーニング、治療など(「歯科の受診と料金」)
就業不能保険(Disability insurance)病気やけがで働けないときの収入の一部
重大疾病保険(Critical illness)がん、心臓発作、脳卒中などと診断されたときの一時金
旅行医療保険(Travel health)カナダ国外での治療費

眼科の扱いは「眼科と検眼の保険の扱い」で扱います。

就業不能保険と雇用保険

FCAC の就業不能保険のページ(新しいタブで開く)によると、多くの勤め先が就業不能保険を用意しています。

  • 短期の就業不能保険(Short-term disability)は、病気やけがで働けない間、ふつう6か月まで給付があります。
  • 長期の就業不能保険(Long-term disability)は、ふつう短期の保険、勤め先の病気休暇、雇用保険(EI)の傷病給付が終わったときに始まります。
  • 保険料の全部か一部を勤め先が払っている場合、受け取る給付には所得税がかかります。

勤め先に短期の就業不能保険や病気休暇がない人は、EI の傷病給付(Sickness benefits)の対象になることがあります。EI の傷病給付のページ(新しいタブで開く)では、最大26週、収入の55%(週C$729まで)と説明しています(2026年10月時点)。制度は「雇用保険(EI)」で扱います。

保険料と税金

勤め先が払う保険料が給与と同じように課税されるか(課税される給付、taxable benefit)は、保険の種類で違います。CRAの保険料の扱いのページ(新しいタブで開く)によると、連邦の所得税では次のとおりです(2026年10月時点)。

保険勤め先が払う保険料
医療・歯科の保険(Private health services plan、PHSP)条件を満たすPHSPなら、課税されない
団体の定期生命保険(Group term life insurance)課税される。T4に載る
就業不能保険などの所得補償(Wage-loss replacement plan)給付が定期的に払われるものなら、保険料は課税されない。受け取る給付には、上の節のとおり所得税がかかる
州の医療保険の保険料を勤め先が払う場合課税される。ただし、オンタリオ州とBCの雇用主の医療税(Employer health tax)は課税されない

ケベック州の州の所得税の扱いは、ここでは確かめていません。給与明細やT4で、課税される給付が含まれているかを確かめられます。

州の制度との関係

福利厚生の保険があるかどうかで、州の制度の対象が変わることがあります。

州関係
オンタリオ州24歳以下の薬代を補助する OHIP+ は、民間の保険がある人は対象外。勤め先の保険の薬の補償を使う
ケベック州住民は薬の保険に入ることが義務。勤め先などを通じて民間の保険に入れる65歳未満の人は、その保険に入る

詳しくは「州の薬代補助」で扱います。

手順

  1. 入社のときに、福利厚生の案内(Benefits booklet など)を受け取り、加入の手続きをする。
  2. 加入できるまでの待ち期間、家族を入れられるか、自分の負担があるかを確かめる。
  3. 補償ごとに、年間の上限額、保険が払う割合、自己負担、対象外のものを確かめる。
  4. 受診や薬の購入のときに保険のカードや番号を見せるか、領収書をとっておいてあとから請求する。
  5. 退職や転職の前に、補償がいつ終わるか、個人の保険に切り替えられるかを、勤め先か保険会社に確かめる。

FCAC の保険の入り方のページ(新しいタブで開く)は、団体の保険はふつう団体のメンバーでなくなったときか、決められた年齢になったときに終わると説明しています。

費用

保険料の分け方(会社の全額負担か、従業員も払うか)や上限額は、会社と契約によって違います。公的な目安の金額はありません(2026年10月時点)。

ここに注意してね!

  • カナダでは、医療の基本は州の医療保険です。勤め先の福利厚生は、そこに上乗せする民間の団体保険で、州の医療保険の代わりにはなりません。
  • 福利厚生の有無と中身は会社によって大きく違います。仕事を選ぶとき、内定の条件(Job offer)に含まれる福利厚生を確かめておくと、ふだんの医療費の見通しが立てやすくなります。
  • 会社を辞めると、ふつう団体保険も終わります。次の仕事や個人の保険までの間に補償のない期間ができないよう、早めに確かめます。
  • 契約の内容や請求でわからないことは、勤め先の人事か保険会社に聞きます。

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医療・保険待機期間中の保険(Health insurance during the waiting period)BCやケベック州などでは、州の医療保険が始まるまで最長でおよそ3か月かかります。その間の医療費は原則として自己負担で、あとから州の保険では戻りません。IRCCとBC州政府は、到着前に民間の医療保険に入っておくよう勧めています。持病や妊娠は民間の保険で対象外になることが多い点に注意が必要です。医療・保険カナダ歯科医療プラン(Canadian Dental Care Plan、CDCP)カナダ歯科医療プラン(CDCP)は、歯科保険がない、家族の調整後純所得がC$90,000未満などの条件を満たす人の歯科治療費の一部または全部を国が払う制度です。カナダで確定申告をしていることと、税務上のカナダの居住者であることが条件に含まれます。所得によって自己負担の割合が変わります。医療・保険ファミリードクター(Family doctor)の見つけ方カナダでは、ファミリードクター(かかりつけ医)やナースプラクティショナーがふだんの医療の窓口です。新しい患者を受け入れている医師が少ない地域もあるため、州の登録の仕組み(BCのHealth Connect Registry、オンタリオ州のHealth Care Connect、ケベック州のGAMFなど)に申し込んで待つのが基本です。待っている間は、ウォークインクリニックなどを使います。

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