カナダの寒さと冬の備え(Winter preparedness)
カナダの冬は、大雪・吹雪・着氷性の雨・強い寒さが重なり、停電や交通の混乱が数日続くことがあります。政府は少なくとも72時間を自力で過ごせる備えを勧めています。体感温度(Wind chill)の目安、家と車の備え、嵐の最中と後の注意点をまとめます。
カナダの冬に起きること
カナダ政府の防災ページは、カナダでよく起きる冬の嵐として、大雪、猛吹雪(Blizzard)、地吹雪、着氷性の雨(Freezing rain)、着氷の嵐(Ice storm)、体感温度の低下、強い寒さを挙げています。
それぞれの現象には次のような危険があります(環境・気候変動省(Environment and Climate Change Canada、ECCC)の冬の気象の危険のページ(新しいタブで開く)より)。
| 現象 | 主な危険 |
|---|---|
| 猛吹雪(Blizzard) | 強風と雪で視界がほとんどなくなる |
| 着氷性の雨・凍雨 | 地面や車が氷で覆われ、運転も歩行も危険になる。氷の重みで電線が切れることがある |
| 氷霧(Ice fog) | −30°Cを下回ると発生し、急に視界が悪くなる |
| 地吹雪・スノースコール | 吹きだまりができ、短時間に視界が悪くなる。五大湖やセントローレンス川の近くで起きやすい |
| 体感温度の低下と強い寒さ | 凍傷と低体温症 |
冬の嵐は数日続くことがあり、停電を伴うこともあります。停電中は、寒さそのものに加えて、発電機やキャンプ用コンロ、車の排気による一酸化炭素中毒の危険が高まります。
体感温度(Wind chill)の目安
風があると、同じ気温でも体から熱が奪われる速さが上がります。これを数字にしたのが体感温度(Wind Chill Index)です。ECCCは、気温が0°C以下で風速が時速5km以上のとき、今日・今夜・明日の予報で体感温度を出します。
| 体感温度 | 危険の度合い | 肌が凍傷になるまでの目安 |
|---|---|---|
| 0〜−9 | 低い | — |
| −10〜−27 | 中程度 | 長時間さらされると凍傷や低体温症の危険 |
| −28〜−39 | 高い | 10〜30分 |
| −40〜−47 | 非常に高い | 5〜10分 |
| −48〜−54 | 深刻 | 2〜5分 |
| −55以下 | 極めて危険 | 2分未満 |
風速が時速50kmを超えると、表より早く凍傷になることがあります。保健省(Health Canada)は、体感温度が−27を下回ると凍傷などの危険が高まると説明しています。詳しくはECCCの体感温度のページ(新しいタブで開く)にあります。
冬が来る前の備え
非常用キット(72時間分)
政府は、災害時に少なくとも72時間を自力で過ごせるよう備えることを勧めています。主な中身は次のとおりです。
- 水(1人1日約4リットル)と、日持ちする食べ物、手動の缶切り
- 電池式または手回しの懐中電灯とラジオ、予備の電池、携帯電話の充電器
- 救急用品、常用している薬
- 現金と小銭、身分証明書や保険証書などの写し、緊急連絡先
家の備え
- 壁や屋根裏の断熱、ドアや窓のすき間をふさぐ
- スコップ、融雪用の塩などを取り出しやすい場所に置く
- 停電に備えて、別の電源や暖房の手段を考えておく
- 一酸化炭素警報器(電池のバックアップ付き)を、廊下や寝室の外に付ける
- 煙突や排気管を掃除し、燃料を使う器具を点検する
賃貸住宅で断熱や暖房の設備に関わることは、家主との取り決めによります。
車の備え
政府は、冬用の品を含めた車用の非常用キットを車に積んでおくよう勧めています。
- 日持ちする食べ物、プラスチックボトルの水(凍っても割れないため。6か月ごとに交換)
- 毛布、替えの服と靴
- 小さなスコップ、氷を削るスクレーパー、雪ブラシ
- 深い缶に入れたろうそくとマッチ、手回しの懐中電灯、笛
- 砂・塩・固まらない猫砂(滑り止め)、ウォッシャー液、牽引ロープ、ブースターケーブル
冬用タイヤ、満タンの燃料、十分なウォッシャー液も準備に挙げられています。冬用タイヤの義務は州によって違います。
嵐の最中にすること
- 天気予報と気象警報を確かめる。ECCCの無料アプリ「WeatherCAN」は、地域の警報を通知します。
- 嵐の最中は運転を避け、移動は嵐が過ぎてからにする。どうしても出るときは、窓の雪と氷を落とし、ゆっくり走る。
- 立ち往生したら車の中にとどまり、排気管が雪や氷でふさがれていないか確かめる。
- 外での長時間の作業や無理な雪かきを避ける。
- 水道管の凍結を防ぐため、水を少しずつ流しておく。
- 屋外の排気口が雪でふさがれていないか、ときどき確かめる。ふさがると一酸化炭素がたまります。
- 発電機、バーベキューこんろ、キャンプ用コンロを家・ガレージ・地下室などの中で使わない。発電機は建物から少なくとも6m離す。ガレージの中で車のエンジンをかけたままにしない(扉を開けていても同じ)。
嵐の後にすること
- 歩道の雪を除き、塩をまいて転倒を防ぐ
- 雪どけによる浸水に気をつける
- 水道管が凍っていないか確かめる。凍ると破裂し、壁の中で水もれすることがある
- とけた後は水による傷みとカビを確かめる
寒さから体を守る
保健省は次のことを勧めています。
- 化学繊維やウールの服を重ね着し、いちばん外に風を通さない上着を着る
- 暖かい靴下、手袋、帽子、マフラーを身に着け、鼻もマフラーで覆う
- 汗をかく前に1枚脱ぐ。ぬれたらすぐに乾いた服に着替える
- 出かける前に酒を飲まない。温かく感じても体の熱は逃げている
- 心臓の病気などがある人は、雪かきのような激しい作業を避ける
1歳未満の乳児、65歳以上の人、屋外で働く人、冬のスポーツをする人、糖尿病などの持病がある人は、特に凍傷と低体温症の危険が高いとされています。症状と手当ては「凍傷と低体温症」にまとめています。
ここに注意してね!
- 地域によっては、気温だけでなく体感温度が−30や−40になる日があります。天気予報では気温と体感温度の両方を見る習慣をつけると安心です。
- 停電が冬の嵐と重なると、暖房が止まります。賃貸でも非常用キットと暖を取る手段は自分で用意しておく必要があります。
- 室内やガレージでの発電機・コンロの使用は、一酸化炭素中毒の原因になります。
- 冬用タイヤの義務、除雪の義務などは州や市で違います。住む地域の決まりは州や市の窓口で確かめてください。
- 命に関わる緊急のときは911に電話します。
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