日本人のためのカナダ情報
自然・安全 / 寒さ・冬の安全

凍った道で転ばないために(Winter slips and falls)

ひとことで言うと

冬の氷は路面を非常に滑りやすくし、転ぶと打ち身から骨折や頭のけがまで起きることがあります。誰にでも起きますが、高齢の人はより危険が高いとされます。冬の転倒の危険、ふだんからできる備え、つえや滑り止めの使い方、家の外まわりの手入れを、州の保健当局と連邦政府の案内からまとめます。

目次
  1. 冬の転倒の危険
  2. 高齢の人の転倒
  3. ふだんからできる備え
  4. つえと滑り止めの使い方
  5. 家の外まわりの手入れ
  6. 転んでしまったら
  7. 日本との違い・注意点

冬の転倒の危険

BC州の保健当局の一つ、バンクーバー・コースタル・ヘルス(Vancouver Coastal Health、VCH)は、冬の転倒の案内(新しいタブで開く)で次のように説明しています。

  • 氷は路面を非常に滑りやすくし、足が地面をつかむ力を弱めます。そのため冬は転倒が増えます。
  • 転ぶと、軽い打ち身から、骨折や頭のけがまで起きることがあります。
  • 誰にでも起きますが、高齢の人は、バランスや筋力が落ち、とっさの反応が遅くなっていることがあるため、より危険が高いとされています。
  • 多くの転倒は、気をつけることと簡単な対策で防げます。

環境・気候変動省(ECCC)の気象警報の目安では、着氷性の雨や急な凍結が予想されるとき、滑って転んだり、落ちてくる氷に当たったりしてけがをするおそれがあるとしています。着氷性の雨については「着氷性の雨と停電」で扱います。

高齢の人の転倒

カナダ公衆衛生庁(Public Health Agency of Canada)の高齢者の転倒の案内(新しいタブで開く)によると、カナダの65歳以上の人について、次のことがわかっています。

  • けがで入院した原因の89%が転倒です(男女とも)。
  • 転倒による入院の34%は、股関節の骨折でした。
  • 転倒でけがをした人の70%が医療を受け、多くは病院の救急外来でした。
  • 転倒による死亡は、2017年から2022年に51%増えました。

家族に高齢の人がいる場合や、高齢の親がカナダを訪れる場合は、冬の転倒に特に気をつける必要があります。

ふだんからできる備え

VCHは、高齢の人が冬の転倒の危険を減らすために、次のことを勧めています。

  • 体を動かす。 筋力、バランス、柔軟性を高める運動をする。軽い筋力トレーニング、階段の上り下り、ヨガ、太極拳などです。
  • 骨を丈夫に保つ。 カナダの目安に沿って、カルシウムとビタミンDをとる。
  • 定期的に健康診断を受ける。 視力が落ちていることや、薬が合っていないことは、転倒の原因になります。
  • 家の中を安全にする。 つまずくものを片付け、明るくし、必要な所に手すりを付ける。

つえと滑り止めの使い方

VCHは、バランスをとるために、つえ、スキーのストック、ウォーキング用のポールを使うよう勧めています。つえを使う場合は、先に収納できるアイスピック(氷に刺さる金具)を付けると、凍った道で役立ちます。

歩くときは、道順を前もって考え、除雪された道を選び、滑りにくい靴を履きます。滑りやすい所では、つま先を少し外に向けて、小さな歩幅ですり足で歩きます(ペンギン歩き)。靴の選び方や歩き方のくわしい説明は「凍結した道と転倒の防止」で扱います。

家の外まわりの手入れ

カナダ保健省(Health Canada)の家の内外での転倒防止の案内(新しいタブで開く)では、次のことを勧めています。

  • 玄関前の階段や通路を傷んだままにせず、雪、氷、落ち葉を取り除く。
  • 玄関を明るくしておく。
  • 庭仕事の道具などは、使わないときは片付ける。

VCHは、家や店の前の歩道の雪と氷を取り除くことを勧め、地域によっては市の条例で義務になっているとしています。雪かきの決まりは「雪かきと歩道の除雪の義務」で扱います。

転んでしまったら

カナダ保健省は、転ぶときは、より重いけがを防ぐため、おしりから着地するようにとしています。起き上がったり、人に助けてもらったりする前に、けががないかを確かめます。転んだあとの手当てや、救急車を呼ぶ目安は「凍結した道と転倒の防止」と「救急車と911のかけ方」で扱います。

また、もう一度転ぶのを恐れて体を動かさなくなると、かえって転びやすくなるとしています。

ここに注意してね!

  • カナダの冬は、歩道や駐車場、玄関前の階段が長い期間凍ることがあります。雪の少ない地域から来た人は、冬が来る前に滑りにくい靴や滑り止めを用意しておくと安心です。
  • 高齢の家族がカナダで冬を過ごす場合は、つえの先に付けるアイスピックや、除雪された道を選ぶことなど、冬の歩き方の準備をしておくことが勧められます。
  • 家の前の歩道の雪かきが、住む人や建物の所有者の義務になっている市があります。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

生活凍結した道と転倒の防止(Winter walking safety)カナダの冬は、歩道や階段が凍って転びやすくなります。滑りにくい靴を履き、必要なら靴に付ける滑り止めを使い、「ペンギン歩き」で小さな歩幅でゆっくり歩くのが基本です。手はポケットから出し、重い荷物や歩きスマホを避けます。自然・安全着氷性の雨と停電(Freezing rain and ice storms)着氷性の雨(Freezing rain)は、雨粒が氷点下の地面や物にふれた瞬間に凍り、道路・電線・木を氷で覆います。道路と歩道が非常に滑りやすくなるほか、氷の重みで電線や枝が落ち、広い範囲で停電が起きることがあります。しくみ、警報の見方、嵐の最中と後に気をつけることを、環境・気候変動省と連邦政府の防災ページの案内からまとめます。生活雪かきと歩道の除雪の義務(Snow removal)カナダでは、歩道の除雪のルールを市が決めています。バンクーバー市・トロント市・カルガリー市では、住宅や店の前の歩道の雪かきを、その建物の所有者や住人に義務づけています。期限や罰金は市ごとに違い、バンクーバー市は毎日10時まで、カルガリー市は雪がやんでから24時間以内です。トロント市は積雪が少ないときだけ住民が除雪し、モントリオール市は敷地の雪を道路や歩道に出すことを原則として禁じています。自然・安全冬の服装(重ね着・ブーツ・手袋)(Dressing for the cold)カナダの冬は、厚いコート1枚より、薄い服の重ね着が基本です。肌に近い層はウールや化学繊維にし、いちばん外に風を通さない上着を着ます。綿を避ける理由、手袋とミトンの使い分け、ブーツと靴下の選び方を、保健省とカナダ労働安全衛生センターの案内からまとめます。医療・保険救急車と911(9-1-1)のかけ方命や財産に差し迫った危険があるときは911に電話します。最初に「警察・消防・救急(Police, Fire or Ambulance)」のどれかを聞かれ、そのあと場所などを細かく聞かれます。英語が苦手でも、使う言語の名前を英語で言えば通訳につないでもらえます。間違えてかけたときは切らずにそのことを伝えます。自然・安全吹雪と猛吹雪(Blizzard・Blowing snow・Snow squall)猛吹雪(Blizzard)は、強い風と雪で視界がほとんどなくなる状態です。短い距離でも道に迷うことがあり、車の立ち往生や事故が広い範囲で起きます。警報が出たら運転と外出を控え、車で動けなくなったら車の中にとどまり、排気管を雪から守ります。