日本人のためのカナダ情報
観光 / アクティビティ

ホエールウォッチング(Whale watching)とクジラに近づく距離の決まり

ひとことで言うと

カナダでは、クジラ・イルカに近づいてよい距離が法律で決まっています。全国では原則100m以上、休んでいる群れや子連れには200m以上、BC 南部の南部定住型シャチには1,000m以上です。セントローレンス川河口など地域ごとの決まりと、見に行く前に知っておくことをまとめます。

目次
  1. クジラに近づいてよい距離
  2. してはいけないこと
  3. 見られる場所の例
  4. 日本との違い・注意点
ノバスコシア州ブライアー島沖のホエールウォッチングの海
Photo: natasha / Unsplash

クジラに近づいてよい距離

カナダでは、海の哺乳類(marine mammal)を邪魔することが法律で禁じられています。カナダ水産海洋省(Fisheries and Oceans Canada、DFO)のページ(新しいタブで開く)によると、近づいてよい距離は、2026年10月時点で次のとおりです。

場所対象離れる距離
カナダの海(全般)クジラ・イルカ・ネズミイルカ100m以上
カナダの海(全般)休んでいる、または子どもを連れているもの200m以上
BC 南部の沿岸(キャンベル・リバーからユクルーレットの少し北まで)南部定住型シャチ(Southern Resident killer whales)1,000m以上
BC と太平洋そのほかのシャチ200m以上
セントローレンス川河口(ケベック州)絶滅危惧種(endangered)か危急種(threatened)に指定されたもの400m以上
セントローレンス川河口の一部指定されていないもの200m以上
サグネ=セントローレンス海洋公園(ケベック州)絶滅危惧種(endangered)か危急種(threatened)に指定されたもの400m以上
チャーチル川とシール川の河口(マニトバ州)の狭い場所クジラ・イルカ・ネズミイルカ50m以上(ほかの場所は100m以上)

南部定住型シャチの1,000mは、規則の改正を待つ間の暫定命令(interim order)による措置です。

してはいけないこと

DFO のページでは、次のことが禁止されています。

  • えさをやる、一緒に泳ぐ、触れ合う
  • 動かす、動くように誘う
  • 群れから引き離す、親と子の間に入る
  • 船と岸の間、または船と船の間に閉じ込める
  • 標識やしるしを付ける

近づきすぎると、漁業法(Fisheries Act)で罪に問われ、最高C$100,000の罰金が科されることがあります(2026年10月時点)。

クジラのほうから近づいてきたときは、安全に気をつけながら離れるか、エンジンをニュートラルのアイドリングにします。

航空機は、海の哺乳類から半径0.5海里以内では、高度304.8m(1,000フィート)より低く飛んで旋回などをしてはいけません。ドローンで海の哺乳類を見ることは、許可がない限り控えるよう案内されています。

見られる場所の例

  • BC の太平洋岸:南部定住型シャチなどのシャチが暮らす海です。行き方や島の情報は「バンクーバー島」「パシフィック・リム国立公園保護区」にまとめます。
  • ケベック州のサグネ=セントローレンス海洋公園:Parks Canada のページ(新しいタブで開く)は、世界でも有数のホエールウォッチングの場所と紹介しています。サグネ・フィヨルドの河口は、ベルーガ(シロイルカ)の大切なすみかです。ナチュラリストのいる解説センターで、岸から海の哺乳類や海鳥を見ることもできます。
  • マニトバ州チャーチル:チャーチル川とシール川の河口には、上の表のとおり独自の距離の決まりがあります。旅行の情報は「チャーチル」でまとめます。

この記事では、ツアーの会社は紹介しません。サグネ=セントローレンス海洋公園のページでは、自分で行くか、認証を受けた会社(certified company)のツアーを使うよう案内されています。

ここに注意してね!

  • カナダでは、クジラとの距離が法律で決められています。ツアーに参加するときも、自分で船を出すときも、同じ決まりがあることを知っておきます。
  • 距離は、場所と種類によって50mから1,000mまで違います。同じBCでも、南部定住型シャチとそのほかのシャチで距離が違います。
  • 海の上は陸より寒く、風が強いことがあります。夏でも上着を用意します。冷たい海に落ちたときの危険は「冷たい水の危険」にまとめています。
  • 野生動物にえさをやらない決まりは、陸の動物にもあります(「野生動物に餌をやらない」)。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

観光バンクーバー島(Vancouver Island)BC の州都ビクトリアがある、太平洋岸の大きな島です。南のビクトリアから北のケープ・スコットまで約460kmあり、西海岸には砂浜と温帯雨林のパシフィック・リム国立公園保護区があります。本土からはフェリーか飛行機で渡ります。観光パシフィック・リム国立公園保護区(Pacific Rim National Park Reserve)バンクーバー島の西海岸にある国立公園保護区で、砂浜と温帯雨林が広がります。1年中入れるのはロング・ビーチ地区だけで、ウエスト・コースト・トレイルとブロークン・グループ諸島は5月1日から9月30日までです。2026年10月時点で、オオカミと犬の遭遇が増えているため、多くの浜で犬の連れ込みが禁止されています。観光チャーチル(Churchill)チャーチルは、マニトバ州北部のハドソン湾に面した町です。町へ通じる道路はなく、ウィニペグから列車か飛行機で行きます。10月と11月にはホッキョクグマ、7月と8月にはシロイルカ(ベルーガ)が見られることで知られます。近くのワプスク国立公園は、公園内のすべての活動に許可を受けたツアー会社の利用が必要です。自然・安全川と湖の安全(Water safety)カナダの湖や川は夏でも水が冷たいことがあり、監視員のいない場所もあります。川の流れや湖の離岸流は、泳ぎの得意な人でも危ないことがあります。泳ぐとき、カヌーやボートに乗るときの基本と、ライフジャケットの決まりを、国立公園と連邦政府、水の安全の団体の案内からまとめます。自然・安全野生動物に餌をやらない(Don't feed wildlife)カナダでは、国立公園で野生動物に餌をやることは法律で禁止されています。BC州でも、クマ・クーガー・コヨーテ・オオカミに餌をやったり、引き寄せるものを置いたりすることが州法で禁止されています。わざと与えるだけでなく、食べ物やごみを出しっぱなしにすることも含まれます。理由と、ふだんの生活とキャンプで気をつけることをまとめます。観光キャンプの基本(Camping)カナダの国立公園には、車で入れるキャンプ場から、歩くかボートでしか行けない奥地のキャンプ地、ベッド付きのテント小屋まであります。キャンプ場の種類、食べ物とごみの管理(Bare Campsite)、たき火や静かにする時間などの決まりを、カナダ公園局(Parks Canada)の案内からまとめます。