冷たい水の危険(Cold water shock)
ひとことで言うと
カナダの湖や川は夏でも冷たく、15°C以下の水に急に落ちると、思わず息を吸い込む「コールドショック」が起き、泳げなくなり、やがて低体温症になります。ライフセービング協会の「1-10-1」の目安、落ちたときの動き方、ライフジャケットと保温の備えを、連邦政府と水の安全の団体の案内からまとめます。
カナダの水は一年中冷たい
連邦政府の運輸省(Transport Canada)は、安全なボートの手引き(Safe Boating Guide)(新しいタブで開く)で、カナダの水路は一年中冷たいと呼びかけています。水の安全の団体であるライフセービング協会(Lifesaving Society)も、カナダの湖や川の水は夏でもふつう20°Cより低いとしています。
ライフセービング協会によると、カナダで溺れて亡くなる人の約35%は、10月から4月に起きています。この時期は、ほとんどの人が水に入るつもりのない季節です。釣り、ボート、水辺の散歩などで、思いがけず水に落ちることがあります。
冷たい水に落ちると体に起きること
カナダ保健省(Health Canada)の案内(新しいタブで開く)では、15°C以下の冷たい水に急に入ると、次のことが起きることがあるとしています。
- 息をのむ反応とコールドショック(Cold shock): 思わず大きく息を吸い込み、浅く速い呼吸になります。運輸省の安全情報では、水に入ってから最初の数分間に起きるとしています。
- 泳ぎ続けられなくなる: 冷たさのため、泳ぎ続けられなくなることがあります。
- 低体温症(Hypothermia): 体の中心の温度が下がります。
カナダ保健省は、泳ぐのにちょうどよい20〜30°Cの水でも、長く入っていると体の熱が奪われるとしています。
「1-10-1」の目安
ライフセービング協会(新しいタブで開く)は、冷たい水に落ちたときの時間の目安を「1-10-1」と説明しています。
| 時間 | 意味 |
|---|---|
| 1分 | 呼吸を落ち着かせるための時間 |
| 10分 | 体がうまく動かなくなる前に、自力で水から出るための時間 |
| 1時間 | 条件がよく、ライフジャケットを着ていれば、低体温症になるまで最大1時間ほど |
最初の1分を乗り切り、体が動くうちに水から出ることが大切です。
手順:冷たい水に落ちたとき
- あわてない。ライフセービング協会は、着ている服が空気をためて浮くのを助けるとしています。
- 最初の1分ほどは、呼吸を落ち着かせることに集中する(1-10-1の「1」)。
- 呼吸が落ち着いたら、体がうまく動くうちに(10分の目安)、自力で水から出ることを目指す。
- 水から出たあとも、低体温症に気をつける。症状と手当ては「凍傷と低体温症」で扱います。
氷が割れて落ちたときの抜け出し方は「凍った湖や池の上に乗るとき」で扱います。人が落ちたのを見たときの動き方も、同じ記事で扱います。命に危険があるときは911に電話します。
備え
- ライフジャケットかPFDを着る。 運輸省は、ライフジャケットは冷たい水で溺れるのを防ぎ、低体温症になっても体を浮かせてくれるとしています。舟に積んでおくだけでなく、着ていることが大切です。決まりは「川と湖の安全」で扱います。
- 保温の備えをする。 運輸省は、15°C未満の冷たい水でボートに乗るときは、保温機能のあるPFDを選ぶよう勧めています。水上バイクに乗るときも、保温できる服装を勧めています。
- 冬や氷の上では、浮く保温スーツを着る。 ライフセービング協会は、浮力のある保温スーツか、スノーモービル用のスーツや重ね着の上に明るい色のライフジャケットを着ることを勧めています。
- コールドショックと低体温症について知っておく。 運輸省は、小さなミスひとつで水に落ちることがあり、備えが生死を分けるとしています。
ここに注意してね!
- カナダの湖や川は、真夏でも水温が低いことがあります。気温が高い日でも、水の冷たさは別に考える必要があります。
- 春や秋のカヌー、釣り、ボートでは、思いがけず水に落ちることがあります。泳ぐつもりがなくても、ライフジャケットを着ておくことが勧められています。
- 冷たい水に落ちた直後は、思わず息をのみ、呼吸が乱れます。最初の1分は呼吸を落ち着かせることに集中するのが基本です。
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