生活費を比べる(カナダと日本の消費者物価指数)
「カナダと日本、どちらが物価が高いか」は、公的な消費者物価指数では答えられません。指数は値段の「変化」を表すものだからです。2026年8月の前年同月比は、カナダが3.0%、日本が1.9%の上昇でした。
「どっちが高い?」に統計は答えてくれない
カナダに来た日本人どうしで、よく話題になるのが「日本とカナダ、どっちが物価が高いか」です。スーパーで、ある品物は日本より高く感じ、別の品物は安く感じる、ということもあります。
ただ、国の公的な統計でこの問いにそのまま答えるのは難しいのです。両国とも消費者物価指数(Consumer Price Index、CPI)を毎月出していますが、これは同じ国の中で、値段が前と比べてどれだけ変わったかを表す数字だからです。
カナダ統計局(Statistics Canada)は CPI のページ(新しいタブで開く)で、CPI を、決まった「買い物かご(basket)」の費用を時間を追って比べ、値段の変化を測るものと説明しています。日本の CPI も、2025年を100とした指数です。どちらも「その国の過去と比べてどうか」を示すもので、「カナダの○○は日本の何倍」とは言えません。
2026年8月の値上がり率
それでも、「最近どのくらい値上がりしているか」は比べられます。2026年8月の前年同月比は次のとおりです。
| カナダ | 日本 | |
|---|---|---|
| 全体(総合) | 3.0%上昇 | 1.9%上昇 |
| 参考 | ガソリンを除くと2.4%上昇 | 生鮮食品を除く総合は1.7%上昇 |
| 公表 | 2026年9月14日 | 2026年9月18日 |
カナダは Statistics Canada の発表(The Daily)(新しいタブで開く)、日本は総務省統計局の全国の概要(新しいタブで開く)によります。この1年で見ると、カナダのほうが値上がりの幅が大きかった、ということです。値段そのものがどちらで高いかは、この表からはわかりません。
カナダの中身を少し詳しく
Statistics Canada の2026年8月の発表から、暮らしに身近な項目を拾います(いずれも前年同月比)。
- 家賃:全国で2.8%上昇(7月は2.5%)。マニトバ州(4.3%)とオンタリオ州(2.4%)が押し上げました。
- お店で買う食品(food purchased from stores):2.8%上昇(7月は3.1%)。上昇のペースは落ち着いてきています。
- ガソリン:22.8%上昇(7月は25.7%)。全体の数字を大きく押し上げています。
カナダの CPI は、食品、住居(shelter)、家事関連、衣類、交通、保健・身の回り、娯楽・教育、酒・たばこ・大麻の8つの大きな分類でできています。買い物かごの中身は毎年見直されていて、2026年6月には2025年の支出をもとにした更新が公表されました(新しいタブで開く)。
暮らしてみて感じる「高い・安い」のわけ
統計の数字とは別に、日々の買い物で「思ったより高い」と感じる場面には、いくつか理由があります。
- 値札が税抜きのことがある:その場合、レジで消費税が足されます。くわしくは「値札に税金が含まれていない」で紹介しています。
- チップ:レストランなどでのチップは「チップの相場と払い方」の記事で扱います。
- 州によって税率や家賃の動きが違う:同じカナダでも、住む州で払う額が変わります。
感じ方は、住む町、買う物、暮らし方で大きく変わります。「カナダは何でも高い」「何でも安い」とひとまとめにはできません。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダの CPI は Statistics Canada が毎月発表し、日本の CPI は総務省統計局が毎月公表しています。どちらも値段の変化を表す指数なので、2国の値段の高さそのものは比べられません。
- 日本の CPI は2025年を100とする指数です。カナダの数字とは基準も買い物かごの中身も違うので、上昇率を並べるときも目安として見てください。
- 日本では、事業者が消費者向けにあらかじめ価格を表示するとき、税込みの価格を示す「総額表示」が義務付けられています(国税庁のページ(新しいタブで開く))。カナダでは値札が税抜きのことがあり、消費税の税率も州で違うため、日本の感覚で予算を立てるとずれが出ることがあります。
- 家賃や食費の予算を立てるときは、住む予定の州・都市の最新の情報で見積もりましょう。
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