カナダ年金制度(CPP、Canada Pension Plan)
ケベック州以外で働く18歳以上の人は、一定以上の収入があるとカナダ年金制度(CPP)の掛け金を払います。老齢年金(退職年金)は60歳から受け取れ、65歳で始めるのが標準です。受け取るには自分で申請します。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
CPPのしくみ
カナダ年金制度(Canada Pension Plan、CPP)は、働いて払った掛け金をもとに、退職後などに月々の年金を出す公的な制度です。窓口はカナダ政府の窓口機関であるサービス・カナダ(Service Canada)です。
Service Canada のCPPのページ(新しいタブで開く)によると、CPPには次の給付があります。
- 老齢年金(退職年金、CPP retirement pension)
- 障害給付(CPP disability benefits)
- 遺族年金(CPP survivor’s pension)
- 子どもへの給付(CPP children’s benefit)
- 死亡一時金(CPP death benefit)
- 退職後も働いて掛け金を払う人への上乗せ(Post-Retirement Benefit、PRB)など
この記事では、主に老齢年金を扱います。老齢年金は課税対象で、受け取ると所得税がかかります。
なお、CPPのほかに、税金を財源にした老齢保障年金(Old Age Security、OAS)があります(「老齢年金(OAS・GIS)」)。
掛け金を払う人
Service Canada の掛け金のページ(新しいタブで開く)によると、ケベック州以外のカナダで働く18歳以上の人で、年収が最低額(年C$3,500)を超える人は、CPPの掛け金を払います。
- 会社員は、働く人と雇用主が半分ずつ払います。給料から天引きされます(2026年の料率と上限は「給与明細の読み方と天引き」)。
- 自営業の人は、事業の所得(経費を引いたあと)をもとに、両方の分を自分で払います。2026年の料率は11.9%です。
- 70歳になると、働いていても掛け金は払わなくなります。
ケベック州で働く人は、CPPではなく、ケベック年金制度(Québec Pension Plan、QPP。Régime de rentes du Québec)に入ります(「ケベック年金(QPP)」)。
ワーキングホリデーや就労許可で働く人も、条件にあてはまれば給料から掛け金が引かれます。
老齢年金を受け取れる人
Service Canada の受給資格のページ(新しいタブで開く)によると、老齢年金を受け取るには次の両方が必要です。
- 60歳以上であること
- CPPに有効な掛け金を1回以上払ったことがあること(離婚・別居で配偶者から分けられた分を含む)
受け取りながら働き続けても、年金は減りません。年金は自動では始まらないため、自分で申請する必要があります。
いつから受け取るか
65歳で受け取り始めるのが標準です。受け取り開始の時期のページ(新しいタブで開く)によると、早めたり遅らせたりすると、月々の額が次のように変わります。
| 始める時期 | 月々の額 |
|---|---|
| 65歳より前 | 1か月早めるごとに0.6%減る(1年で7.2%)。60歳で始めると最大36%減 |
| 65歳 | 標準の額 |
| 65歳より後 | 1か月遅らせるごとに0.7%増える(1年で8.4%)。70歳で最大42%増 |
70歳を過ぎて待っても、額はそれ以上増えません。
金額
Service Canada の金額のページ(新しいタブで開く)による、65歳で始めた場合の額です。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 最大額(2026年1月) | C$1,507.65 |
| 平均額(2026年7月) | C$858.34 |
実際の額は、カナダで働いた期間と収入によって決まります。多くの人は最大額より少なくなります。
手順
- サービス・カナダのオンラインサービス(My Service Canada Account、MSCA)に登録する。
- MSCAで、これまでの掛け金の記録(Statement of Contributions)と、年金の見込み額を確かめる(掛け金の記録のページ(新しいタブで開く))。郵便で請求することもできます。
- 受け取り始める時期を決める。
- 始めたい月の12か月前から申請できます。MSCAからオンラインで申請するか、紙の申請書(ISP-1000)を、最後に住んでいた州・準州の窓口に郵送します。
- 結果は郵便で届きます。目安は、オンラインで28日以内、紙で120日以内です(申請のページ(新しいタブで開く))。
カナダの外から申請する場合は、紙の申請書を使います。日本から日加社会保障協定を使って日本年金機構を通して申請する場合は、日本年金機構のカナダの注意事項(新しいタブで開く)によると、受給権が生じる6か月前から受け付けます(カナダで Service Canada に申請する場合は、上のとおり始めたい月の12か月前から)。
費用
- 申請の手数料はかかりません。
- 自営業の人の掛け金の料率:11.9%(2026年10月時点)
- 老齢年金の最大額:月C$1,507.65(65歳で始めた場合、2026年1月の額)
日本とのちがいと注意点だよ!
- CPPの老齢年金は、自分で申請しないと始まりません。日本に帰国したあとでも、カナダの外から紙の申請書で申請できます。
- カナダと日本の間には社会保障協定があり、2008年3月1日に発効しています。Service Canada の日加協定のページ(新しいタブで開く)によると、受給に必要な期間が足りないときは、相手の国の加入期間を合わせて数えることがあります(「日加社会保障協定」)。
- ケベック州で働くとCPPではなくQPPになります。両方の州で働いた人は、それぞれの記録を確かめておくと安心です。
- 年金の額は、カナダで働いた期間と収入で決まります。短い期間だけ働いた人は、月々の額も少なくなります。
- 受け取り開始の時期や、日本の年金との関係の判断は、Service Canada や日本年金機構、専門家に確かめてください。
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