出産・育児の給付(EI maternity・parental benefits)
ケベック州以外では、雇用保険(EI)から出産給付(最長15週)と育児給付(標準40週または延長69週を2人で分ける)が出ます。ケベック州に住む人は、EIではなく州のケベック州育児保険制度(QPIP)から給付を受けます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
2つの制度:EIとQPIP
カナダで出産や育児のために仕事を休むときの収入の支えは、住んでいる州で制度が分かれます。
- ケベック州以外:連邦の雇用保険(Employment Insurance、EI)の出産給付(maternity benefits)と育児給付(parental benefits)。窓口はサービス・カナダ(Service Canada)です。
- ケベック州:州のケベック州育児保険制度(Québec Parental Insurance Plan、QPIP。Régime québécois d’assurance parentale、RQAP)。Service Canada のページ(新しいタブで開く)にも、ケベック州の住民への出産・父親・育児・養子の給付は州が出すと書かれています。
給付はお金の話で、仕事を休む権利(育児休業)は州の労働基準などで別に決まっています(「労働基準(Employment standards)」)。
EIの出産給付と育児給付(ケベック州以外)
受け取れる人
Service Canada の受給資格のページ(新しいタブで開く)によると、主な条件は次のとおりです。
- 申請の前の52週間に、EIの対象になる仕事を600時間以上していること
- ふだんの週の収入が、1週間以上、40%を超えて減ったこと
ワーキングホリデーや就労許可で働く人も、給料からEIの保険料が引かれていれば対象になりえます。受け取れるかどうかは Service Canada が判断します。
給付の種類と期間
| 給付 | 対象 | 最長の週数 | 額 |
|---|---|---|---|
| 出産給付 | 出産した本人 | 15週 | 平均週給の55% |
| 育児給付(標準) | 親のどちらか、または2人で分ける | 40週(1人は最大35週) | 平均週給の55% |
| 育児給付(延長) | 親のどちらか、または2人で分ける | 69週(1人は最大61週) | 平均週給の33% |
育児給付は、標準と延長のどちらかを選びます。2人で分けると、標準で5週、延長で8週が加わります。標準は子どもの出生(養子は受け入れ)から52週以内、延長は78週以内に受け取り終える必要があります。
一度支払いが始まると、標準と延長を切り替えることはできません。
金額
金額のページ(新しいタブで開く)による、2026年の週あたりの上限です。
| 給付 | 割合 | 週の上限(2026年) |
|---|---|---|
| 出産給付・標準の育児給付 | 55% | C$729 |
| 延長の育児給付 | 33% | C$437 |
年収がC$25,921以下で18歳未満の子どもがいる家庭には、上乗せ(Family Supplement)がある場合があります。上乗せを含めても週C$729を超えません。
QPIP(ケベック州)
受け取れる人
QPIPの受給資格のページ(新しいタブで開く)によると、主な条件は次のとおりです。
- 給付が始まる日にケベック州に住んでいること
- 基準の期間に、保険の対象になる収入がC$2,000以上あること
- 雇われて働く人は、ふだんの週の収入が40%以上減ったこと。自営業の人は、事業にかける時間が40%以上減ったこと
QPIPは自営業の人も対象にしています。
2つのプラン
QPIPでは、「基本プラン(basic plan)」か「特別プラン(special plan)」を選びます。プランの選び方のページ(新しいタブで開く)による内容です。
| 給付 | 基本プラン | 特別プラン |
|---|---|---|
| 出産給付 | 18週・収入の70% | 15週・収入の75% |
| 父親の給付(paternity) | 5週・70% | 3週・75% |
| 2人で分ける育児給付 | 32週(最初の7週は70%、次の25週は55%) | 25週・75% |
| 2人で分けたときに加わる週 | 4週・55%(それぞれが8週以上受け取った場合) | 3週・75%(それぞれが6週以上受け取った場合) |
週数は短いが割合が高いのが特別プラン、週数が長いのが基本プランです。
州・準州ごとの違い
| 住んでいる州・準州 | 制度 | 窓口 |
|---|---|---|
| ケベック州以外の州・準州 | EIの出産給付・育児給付 | Service Canada |
| ケベック州 | QPIP(RQAP) | ケベック州政府(QPIPのオンライン窓口) |
手順
EI(ケベック州以外)の場合です。
- 雇用主に休む予定を伝え、離職票(Record of Employment、ROE)を出してもらう(「離職票(ROE)」)。
- 仕事を休み始めたら、Service Canada にオンラインで申請する。最後に働いた日から4週間を過ぎて申請すると、給付を失うことがあります。
- 育児給付を受け取る人は、申請のときに標準か延長かを選ぶ。
- 2人で分けるときは、それぞれが申請する。
ケベック州では、QPIPのオンライン窓口から申請します。給付の額の見込みは、州の計算ツール(Benefit Calculation Simulator)で試算できます。
費用
- 申請の手数料はかかりません。
- EIの週の上限:出産給付・標準の育児給付はC$729、延長はC$437(2026年10月時点)
- 給付は課税対象の収入です。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダでは、出産した本人の給付(出産給付)と、両親が分け合う育児給付が別になっています。延長を選ぶと期間は長くなりますが、週あたりの額は少なくなります。
- ケベック州だけは制度がまったく別です。ケベック州へ引っ越す前後に出産する場合は、給付が始まる日にどこに住んでいるかが関わります。
- EIは600時間の勤務、QPIPはC$2,000の収入が条件の目安です。カナダに来て間もない人や、働き始めて間もない人は届かないことがあります。
- 日本の制度とは別の制度です。日本の給付を海外で受けられるかどうかは、日本の加入先に確かめてください。
- 受け取れるかどうか、どちらを選ぶかの判断は、Service Canada やケベック州の窓口に相談してください。
この記事をシェアする