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給与明細(Pay stub)の読み方と天引き

ひとことで言うと

カナダの給与明細(Pay stub、Wage statement)には、総支給額、天引き(所得税・カナダ年金制度(CPP)・雇用保険(EI)など)、手取り額が書かれます。法律で決まった天引き以外は、原則として本人が書面で同意したものしか引けず、レジの不足や壊した物の弁償を給料から引くことは、BCやオンタリオ州では認められていません。

目次
  1. 給与明細とは
  2. 明細に書かれること
  3. 法律で決まった天引き
  4. 同意が必要な天引きと、認められない天引き
  5. 手順
  6. 費用
  7. 日本との違い・注意点
C$
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

給与明細とは

給与明細(Pay stub。州の法律では Wage statement や pay statement と呼ばれます)は、その回の給料の計算の内訳です。何時間働いて、いくらになり、何がいくら引かれ、手取りがいくらかを確かめるための書類です。

BC州政府の給料のページ(新しいタブで開く)は、雇用主は働いた時間を記録し、給料日ごとに明細を渡さなければならないと説明しています。オンタリオ州も、給料日かそれより前に明細を渡すよう決めています。

明細に書かれること

オンタリオ州のESAのガイド(新しいタブで開く)は、明細に次のことを書くよう求めています。

  • 対象の期間(pay period)
  • 時給などの賃金の率(決まっている場合)
  • 総支給額(gross)と、その計算のしかた
  • 天引きごとの金額と目的
  • 部屋や食事(room or board)の分として扱った金額
  • 手取り額(net)

明細は紙か、印刷できる環境があればメールで渡します。ほかの州・準州にも同じような決まりがありますが、内容は州ごとに違います。

よく見る英語の項目

明細の表記意味
Gross pay / Gross earnings総支給額(天引き前)
Regular / Hours通常の勤務時間と、その分の給料
Overtime(OT)残業の時間と、その分の給料
Stat holiday pay祝日の賃金
Vacation pay休暇手当
Federal / Provincial income tax(Tax、FIT)所得税の源泉徴収
CPPカナダ年金制度の保険料
CPP2CPP の2つめの追加の保険料
EI雇用保険の保険料
Net pay手取り額
YTD(Year to date)その年の1月からの合計

表記は会社や給与ソフトによって違います。

法律で決まった天引き

BC州政府の天引きのページ(新しいタブで開く)は、雇用主が法律で引かなければならないものとして、所得税、雇用保険(Employment Insurance、EI)の保険料、カナダ年金制度(Canada Pension Plan、CPP)の保険料、裁判所の差し押さえ命令を挙げています。

カナダ年金制度(CPP)

カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)の数字では、2026年のCPPは次のとおりです。

  • 対象になる年収の上限(maximum annual pensionable earnings):C$74,600
  • 基礎控除(basic exemption):C$3,500
  • 料率:働く人5.95%、雇用主も同じ5.95%
  • 1年の上限額:働く人・雇用主それぞれC$4,230.45

年収が上の上限を超えると、超えた分にはCPP2(second additional CPP contribution)がかかります。2026年は、C$85,000までの部分に4%、1年の上限はC$416です(働く人・雇用主それぞれ)。

雇用保険(EI)

CRAのEIの料率のページ(新しいタブで開く)によると、2026年のEIは次のとおりです。

ケベック州以外ケベック州
対象になる年収の上限C$68,900C$68,900
働く人の料率1.63%1.30%
働く人の1年の上限額C$1,123.07C$895.70

雇用主は、働く人の保険料の1.4倍を払います。ケベック州は、年金やそのほかの天引きの扱いもほかの州と違います(「ケベック州の税金」)。

所得税

所得税は、連邦税と州・準州の税の両方が給料から引かれます。引かれる額は、給料の額と、働き始めるときに出す源泉徴収の申告書(TD1)の内容で変わります(「源泉徴収の申告書(TD1)」)。天引きされた所得税は、翌年の確定申告で精算します(「カナダの税金の仕組み」)。

CPPとEIは、1年の上限額に達すると、その年の残りの給料からは引かれなくなります。そのため、年の後半に手取りが増えることがあります。

同意が必要な天引きと、認められない天引き

BCでは、法律で決まったもの以外は、働く人が書面で同意したときだけ引けます。例として、医療保険料、前払いした給料の返済、雇用主から買った物の代金、誤って多く払った分を挙げています。

一方、次のようなものは、仕事にかかる費用(business costs)として、給料から引くことは認められていません。

  • 盗まれたり壊れたりした会社の物
  • レジの現金の不足
  • 仕事の出来が悪いこと
  • 客が代金を払わなかったこと

オンタリオ州でも、天引きは法律で決まったもの、裁判所の命令、本人が署名した書面での同意の3つに限られます。仕事の失敗による損失を埋めるための天引きや、本人だけが管理していたのではない現金・物の不足を理由にした天引きはできません。

手順

給与明細を受け取ったら確かめることです。

  1. 期間と、働いた時間(通常・残業・祝日)が、自分の記録と合っているか確かめる。
  2. 時給が最低賃金以上か確かめる(「州ごとの最低賃金」)。
  3. 天引きの項目と金額を確かめる。知らない項目があれば雇用主に理由を聞く。
  4. 明細は保管しておく。年明けに届くT4(給与所得の証明)と合わせて、確定申告に使います(「T4などの税務書類」)。
  5. おかしな点が解決しないときは、州・準州の雇用基準の窓口に相談する(「州ごとの雇用基準」)。

費用

天引きの料率と上限額は、上の2026年の数字のとおりです(2026年10月時点)。BCでは、給料は残業代や祝日の賃金も含めて、給与期間の終わりから8日以内に払うことになっています。

ここに注意してね!

  • 法律で給料から引かれるのは、所得税、CPP、EIなどです。州・準州の所得税は、連邦の所得税と一緒に源泉徴収されます。
  • CPPとEIには1年の上限額があり、上限に達すると年の途中から引かれなくなります。
  • 給料からの天引きで精算が終わるわけではなく、翌年の確定申告で所得税を精算します(「確定申告の基本と期限」)。
  • レジの不足や壊した物の弁償など、店の損失を給料から引かれた場合は、BCやオンタリオ州では認められていない天引きにあたることがあります。判断は州の窓口に相談します。
  • 自分の天引きの額が正しいかどうかは、雇用主、CRA、税理士に確かめます。

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