日本から薬を持ち込むとき(Bringing health products into Canada for personal use)
カナダに住んでいない人(旅行者、ワーホリ・留学・就労許可で滞在する人)は、自分用の処方薬・市販薬を持ち込めます。目安は90日分か1回の治療分の少ないほうで、薬局の袋や元の箱・ラベルのままにしておきます。睡眠薬や鎮痛薬など規制物質を含む薬は、条件がさらに細かく、入国時の申告が必要です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
誰がどれだけ持ち込めるか
カナダ保健省(Health Canada)は、個人で使う薬の持ち込みのルールをガイダンス(GUI-0116)(新しいタブで開く)にまとめています。2026年10月時点の要点は次のとおりです。
- 個人で使う量の目安は「90日分」か「1回の治療分」の少ないほう。 薬のラベル、添付文書、処方せんなどにある用法から判断されます。
- 自分用、または一緒に旅行している、自分が世話をする人・動物の分に限られます。人にあげたり売ったりする目的なら、個人使用ではありません。
- 90日の間に何回かに分けて持ち込み、合計が90日分を超えると、商用の輸入と見なされることがあります。
「訪問者(Visitor)」と「カナダの住民」で扱いが違う
ガイダンスでは、カナダに住んでいない人を訪問者と呼びます。観光客のほか、学習許可や就労許可で滞在している人も訪問者に含まれます。ワーホリや留学で来る日本人は、ふつうこちらに当たります。
| 立場 | 処方薬の持ち込み |
|---|---|
| 訪問者(観光・留学・ワーホリ・就労許可) | 自分用の量なら持ち込める |
| カナダの住民 | 原則として持ち込めない。カナダで処方・調剤された薬を持ち帰る場合など、例外だけ認められる |
訪問者は、自分が訪問者であることを示せるように準備しておきます。例として、パスポートの写し、学習許可・就労許可、雇用主や大学の手紙が挙げられています。
市販薬、サプリメントなどの自然健康製品(Natural health products)、体温計などの医療機器は、住民も訪問者も、個人で使う量なら特別な許可なしに持ち込めます。
包装とラベル
持ち込む薬は、次のどれかに当てはまる必要があります。
- 病院や薬局で渡されたときの包装のまま
- 市販のときの元の箱のまま
- 元のラベルが付いている(何の薬で、何が入っているかがわかるもの)
日本で処方された薬は、薬局の袋や薬剤情報の紙と一緒に持っていくと、用法と量が伝わりやすくなります。Health Canadaは、旅行するときは処方せんの写しを持つよう勧めています。
日本では市販でも、カナダでは処方薬に当たる成分があります。持ち込む薬がカナダで処方薬かどうかは、Health Canadaの処方薬リスト(Prescription Drug List、PDL)で調べられます。
規制物質を含む薬(睡眠薬・鎮痛薬・ADHDの薬など)
麻薬性の鎮痛薬、ベンゾジアゼピン系の薬、ADHDの治療薬などは、カナダでは規制物質(Controlled substances)に当たり、別のルールがあります。Health Canadaの旅行者向けページ(新しいタブで開く)は、例としてアンフェタミン、クロナゼパム、ロラゼパム、メタドン、メチルフェニデート、モルヒネ、オキシコドンなどを挙げています。
2026年10月時点の条件は次のとおりです。
- 医師・歯科医・ナースプラクティショナーなどが処方した薬であること
- 量はふだんの1日量で90日分まで
- 医療機関や薬局から受け取った容器に入っていて、ラベルに患者名、処方した人の名前、薬の名前、1日量、剤形、数量、強さが書かれていること
- 自分用か、一緒に旅行する、自分が責任を持つ人の分であること
- 入国時に申告すること
カナダから出国するときも、同じ条件です。医師の手紙は義務ではありませんが、持っていてもかまいません。
なお、規制物質の上限は以前は「30日分か1回の治療分の少ないほう」でした。2026年10月1日に新しい規制物質規則が始まり、上限が変わりました。古い情報に注意してください。
郵送で受け取るとき
3か月を超えて滞在する訪問者は、3か月ごとに、さらに90日分を郵便や宅配便で受け取れます。荷物には、パスポートの写しなど訪問者であることを示す書類を同封し、箱の外側に「カナダの訪問者あて」と書くよう勧められています。
カナダの住民は、処方薬を郵送で取り寄せることも原則として認められていません。
日本側でも、医療用麻薬は郵送で持ち出せません(下の「日本との違い・注意点」)。
手順
- 持っていく薬の名前と成分を書き出す。カナダで処方薬・規制物質に当たるかを処方薬リストで調べる。
- 滞在中に必要な量を考え、90日分を目安に準備する。医師に、英語の処方内容の説明や診断書を頼めるか相談する。
- 薬は元の包装・ラベルのまま、薬剤情報の紙や処方せんの写しと一緒に手荷物に入れる。
- 規制物質を含む薬は、入国時に申告する。
- 滞在が長くなる場合は、カナダで医師にかかって処方を受ける方法も考える。処方薬の受け取り方は「処方薬の受け取り方と薬局」で扱います。
費用
持ち込みの手続きそのものに、Health Canadaの手数料はありません(2026年10月時点)。条件に合わない薬は、没収や受け取り拒否になることがあり、保管・運搬・処分の費用を求められることがあります。
日本とのちがいと注意点だよ!
厚生労働省のページ(新しいタブで開く)は、海外に薬を持っていくときの共通の注意として、次の点を挙げています。
- 何の薬を何の病気で使っているかを説明できる文書を持つ。
- 薬は本来の容器のまま持つ。PTPシートから出して一包化している場合は、事前に薬剤師に相談する。
- 粉薬は違法薬物を疑われるおそれがあるため、別の剤形にできないか医師・薬剤師に相談する。
- 渡航中に必要な分を超えて持たない。郵送せず、使う本人が持っていく。
日本を出入りするときの手続きもあります。
- 医療用麻薬は、日本から持ち出すとき・日本に持ち帰るときのそれぞれについて、事前に地方厚生局麻薬取締部の許可が必要です。郵送や、他人の分の持ち出しはできません。
- 医療用の向精神薬は、本人の治療用なら持ち出せます。日本に持ち帰るときに1か月分を超える量や注射剤を持つ場合は、処方せんの写しなどを携行する必要があります。
カナダの規制物質と日本の麻薬・向精神薬は、同じ薬でも区分が違うことがあります。持っていく薬がどちらに当たるかは、処方した医師や薬剤師、Health Canadaの問い合わせ窓口(Health Product Border Compliance Program)に確かめてください。
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