薬剤師が処方できる薬と軽い病気(Pharmacist prescribing)
カナダの多くの州では、薬剤師が軽い病気を判断して薬を処方したり、処方を更新したりできます。BCは21の軽い病気、アルバータ州は処方の更新・調整と緊急時の処方(追加の資格がある薬剤師は新しい処方も)、オンタリオ州は膀胱炎や結膜炎など多くの症状が対象で、州の住民は無料です。ケベック州も一部の処方をRAMQの対象として無料で行います(2026年10月時点)。
薬剤師に相談して薬をもらえる
カナダでは、州によって、薬剤師(Pharmacist)が軽い病気を判断して薬を処方できます。医師の予約がすぐ取れないとき、ファミリードクターがいないときに、薬局が最初の相談先になることがあります。
薬剤師ができることは州ごとに決まっています。同じ州でも、すべての薬局が同じサービスをしているとは限りません。行く前に薬局に電話で確かめると確実です。
州・準州ごとの違い
州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。
公式ページで確かめた4州の主なサービスです(2026年10月時点)。ほかの州・準州は各州の窓口へ。
| 州 | 軽い病気の処方 | 料金 | ほかにできること |
|---|---|---|---|
| BC | 21の軽い病気 | 薬局での対面の相談はBCの住民は無料 | 避妊薬の処方、処方の更新・変更、緊急の短期の薬、ワクチン |
| アルバータ州 | 追加の処方の資格(APA)がある薬剤師は、新しい処方ができる | 薬局に確かめる | 処方の更新(そのままの内容で)、処方の調整、緊急時の処方 |
| オンタリオ州 | 膀胱炎、結膜炎など多くの症状。COVID-19とインフルエンザの薬も | OHIPのカードがあれば無料 | 薬の見直し(MedsCheck)、禁煙の相談、ワクチン |
| ケベック州 | 一部の病気の処方、治療の開始、処方の延長など | 有効な保険の証明を見せれば無料(薬代は別) | ワクチン、処方の調整 |
BC
HealthLink BCのページ(新しいタブで開く)によると、BCの薬剤師は21の軽い病気を判断して治療できます。
- にきび(軽いもの)、アレルギー、口内炎、口唇ヘルペス
- 水虫などの真菌の感染、頭痛、胸やけ、痔、じんましん
- とびひ(伝染性膿痂疹)、生理痛、ニコチン依存、結膜炎
- ぎょう虫、帯状疱疹、皮膚の発疹、ねんざ・筋をいためたとき
- 口腔カンジダ、胃のむかつき、合併症のない膀胱炎、膣カンジダ
BCの住民は、薬局での対面の相談が無料です。薬代は別にかかります。
このほか、次のこともできます。
- 避妊:ほとんどの経口避妊薬、IUD、インプラント、リング、注射、緊急避妊薬を処方・調剤できる。BCの住民は避妊薬が無料
- 処方の更新:病状が落ち着いていて、同じ薬を同じ量で3〜6か月以上問題なく続けているなら、処方を更新できる
- 処方の変更:量や形(錠剤・液剤など)を変えたり、似た薬に替えたりできる。抗がん剤や「更新・変更しない」と書かれた処方は対象外
- 緊急の短期の薬:急いで必要な薬をなくしたり切らしたりしたとき
- ワクチンと注射:インフルエンザ、COVID-19、帯状疱疹、はしか、肺炎球菌、HPV、破傷風など
薬局には、BC Services Cardなどの政府発行の身分証と、個人の健康番号(Personal Health Number、PHN)を持って行きます。
アルバータ州
アルバータ州の薬剤師の規制機関であるアルバータ州薬剤師協会(Alberta College of Pharmacy)のページ(新しいタブで開く)によると、アルバータ州の薬剤師ができる処方は、資格によって2段階に分かれます。
- すべての薬剤師:処方の更新(もとの処方のとおりに続けるため。量は変えられない)、すでにある処方の調整、緊急時の処方
- 追加の処方の資格(Additional Prescribing Authorization、APA)がある薬剤師:最初の処方(医師の処方がない薬を出すこと)や、続けている治療の量の変更などもできる
すべての薬剤師がAPAを持っているわけではありません。同じ協会のページは、APAのない薬剤師に診てもらった場合、緊急時か、すでにある処方の調整のほかは、薬を処方できないと説明しています。新しい薬が必要なときは、行く前に薬局に、APAのある薬剤師がいるかを確かめると確実です。
相談や処方の料金は、薬局に確かめます。
オンタリオ州
オンタリオ州政府のページ(新しいタブで開く)によると、薬剤師は次の症状に薬を処方できます。OHIPのカードがあれば、追加の料金はかかりません(2026年10月時点)。
- 胃酸の逆流、にきび、たこ・うおのめ、口内炎、口唇ヘルペス
- ふけ、皮膚炎、おむつかぶれ、ドライアイ、花粉症
- アタマジラミ、痔、とびひ、虫刺され・じんましん、いんきんたむし
- 生理痛、軽い頭痛、鼻づまり、妊娠中の吐き気(つわり)、口腔カンジダ
- ぎょう虫などの寄生虫、結膜炎、白癬(ぜにたむし)、ねんざ・筋をいためたとき
- マダニにかまれたとき、膀胱炎などの尿路感染症、いぼ、膣カンジダ
COVID-19とインフルエンザの薬も処方できます。
ただし、処方するかどうかは薬剤師の判断です。症状があるときは、行く前に薬局に、その症状で処方しているかを確かめるよう州は呼びかけています。予約が必要な薬局や、有料のサービスもあります。
ほかに、3種類以上の薬を飲んでいる人向けの薬の見直し(MedsCheck)、禁煙や糖尿病の相談、インフルエンザ(2歳以上)・COVID-19(生後6か月以上)などの公費のワクチンがあります。薬局のサービスに紹介状は要りません。
ケベック州
ケベック州健康保険公社(RAMQ)のページ(新しいタブで開く)によると、次のような薬局のサービスは、医療保険や薬の保険(公的・民間)で払われ、利用者の負担はありません。受けるときに、ヘルスカードや薬の保険の証明を見せます。
- 一部の病気のための薬の処方
- 治療の開始(緊急避妊薬を含む)
- 処方の延長の判断、処方の調整・変更
- ケベック州の予防接種プログラムに沿った一部のワクチン
ただし、サービスの中で受け取る薬そのものの代金は、加入している薬の保険の控除額や自己負担がかかることがあります(「州の薬代補助」)。旅行用のワクチンや、溶連菌の検査などは対象外で、自分で払います。
手順
- 症状が軽いか、薬が切れそうなら、近くの薬局に電話して、相談できるかを確かめる。
- ヘルスカード(BCはPHNと身分証、オンタリオ州はOHIPのカード)と、飲んでいる薬のリストを持って行く。
- 薬剤師に症状を伝える。日本で飲んでいた薬があれば、成分名と量を見せる。
- 薬剤師が処方できると判断すれば、その場で薬を受け取る。処方できない場合は、医師やクリニックへの受診を勧められる。
- 薬代を払う(州の補助や保険で払われる分を除く)。
費用
相談や処方の料金は、BCの住民(薬局での対面)、OHIPのある人、ケベック州で保険の証明を見せた人は無料です(2026年10月時点)。薬代は別で、州の補助や保険がなければ自分で払います。
州の医療保険がない人(旅行者、待機期間中の人など)の料金は、薬局に確かめてください。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 薬局で処方まで受けられる:カナダの多くの州では、軽い病気なら医師に会わずに薬剤師から処方を受けられます。医師の予約が取りにくいときの選択肢になります。
- 対象の病気は州で違う:BCで処方できる病気がオンタリオ州でも対象とは限りません。引っ越したら、その州の薬局のサービスを確かめます。
- 症状が重いときは薬局ではない:胸の痛み、呼吸が苦しいなどの緊急時は911にかけます(「救急車と911のかけ方」)。迷ったときは電話の健康相談(「811の電話健康相談」)があります。
- 薬の名前が日本と違う:同じ成分でも商品名が違います。お薬手帳や薬の説明書から、成分名を英語で書き出しておくと伝えやすくなります。
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