ケベック州の賃貸(TAL、Tribunal administratif du logement)
ケベック州の住宅の賃貸借の争いは、住宅行政審判所(Tribunal administratif du logement、TAL)が扱います。契約書はTALの決まった書式を使い、家賃の値上げは大家の通知に借り主が1か月以内に答える仕組みです。州が決める値上げの上限はなく、合意できなければTALが家賃を決めます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
TALの役割
ケベック州の住宅行政審判所(Tribunal administratif du logement、TAL)は、住宅の賃貸借に関する争いを扱う州の機関です。契約、家賃、住まいの状態、退去などの申し立てを扱い、大家と借り主への情報提供もしています(TALのページ(新しいタブで開く))。
ケベック州の賃貸のルールは、ほかの州の住宅賃貸法とは違い、主にケベック州民法典(Code civil du Québec)で決まっています。ほかの州・準州のルールとの違いは「州ごとの賃貸法と相談先」にあります。
なお、TALによると、2026年1月1日から、契約書に書く内容、契約の変更の通知、家賃の決め方に関する規則が大きく変わりました。2026年10月時点では、英語のページに更新が追いついていない部分があり、細部はフランス語のページが新しい内容です。
連絡先
2026年10月時点のTALの連絡先です(TALの連絡先のページ(新しいタブで開く))。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 電話(モントリオール・ラバル・ロンゲール) | 514 873-2245 |
| 電話(そのほかの地域) | 1 800 683-2245 |
| 受付時間 | 月〜金曜(祝日を除く)8時30分〜12時、13時〜16時30分 |
| 窓口 | 案内の担当者と会うには予約が必要 |
契約書
TALの契約のページ(新しいタブで開く)によると、住宅の賃貸契約には、1996年9月1日からTALの決まった書式(Bail)を使うことが義務になっています。
- 口頭で契約した場合、大家は合意から10日以内に、決められた書面(Mandatory writing、Écrit obligatoire)を借り主に渡します。
- 移動住宅の土地、協同組合住宅、低家賃住宅、学生寮などには、別の書式があります。
前の借り主の家賃の通知(Section G)
TALの新しい借り主への通知のページ(新しいタブで開く)によると、大家は契約のときに、契約の始まる前の12か月に払われた一番低い家賃(またはTALが決めた家賃)を、新しい借り主に知らせます。契約書の Section G に書きます。
新しい借り主の家賃がその額より高い場合、借り主はTALに家賃を決めるよう申し立てられます。
- 通知を受け取った場合:契約を結んでから10日以内
- 通知を受け取っていない場合:契約の始まりから2か月以内
家賃の値上げと契約の更新
ケベック州には、ブリティッシュコロンビア州(BC)やオンタリオ州のような、州が決める毎年の値上げの上限はありません。大家が通知で値上げを提案し、借り主が受け入れるか断るかを答える仕組みです。
大家の通知の期限
TALの契約の条件の変更のページ(新しいタブで開く)によると、大家は、決められた期間に書面で通知します。
| 契約の種類 | 通知の期限 |
|---|---|
| 12か月以上の契約 | 契約の終わりの3〜6か月前 |
| 12か月未満の契約 | 契約の終わりの1〜2か月前 |
| 期間の決まっていない契約 | 変更したい日の1〜2か月前 |
| 部屋(Chambre)の契約 | 10〜20日前 |
借り主の答え方
借り主は、通知を受け取ってから1か月以内に、次のどれかを大家に答えます。
- 値上げ(変更)を受け入れる
- 値上げ(変更)を断る。断っても、そのまま住み続けられます
- 契約の終わりに退去する
1か月以内に答えないと、提案された条件で契約を更新することを受け入れたとみなされます。
借り主が断った場合、大家は、断る答えを受け取ってから1か月以内にTALに申し立て(Demande de modification du bail)を出します。合意できなければ、TALが家賃を決めます。
TALの家賃の決め方
TALの値上げのページ(新しいタブで開く)によると、2026年1月1日以降に出された通知については、家賃は、ケベック州の消費者物価指数(IPC)の直近3年の平均をもとにした率で調整されます。固定資産税、保険料、大きな工事の費用などは、別に加えて計算されます。
TALの率のページ(新しいタブで開く)によると、2026年の家賃の基本の率(Pourcentage de base pour le loyer)は3.1%です(2025年は4.5%)。この率は、TALが家賃を決めるときの計算の一部で、大家が提案できる値上げの上限ではありません。
値上げのルールの州ごとの違いは「家賃の値上げと上限」でまとめています。
手順
- 契約の前に、TALの書式の契約書かどうかと、Section G の前の家賃を確かめる。
- 契約書の控えを受け取り、保管する。
- 値上げの通知が届いたら、日付を記録し、1か月以内に書面で答える。
- 断った場合、大家が1か月以内にTALに申し立てるかどうかを確かめる。
- 困ったときは、TALに電話で相談する(窓口は予約制)。
費用
- 2026年の家賃の基本の率:3.1%(TALの計算に使う率。2026年10月時点)
ここに注意してね!
- ケベック州では、州が決める家賃の値上げの上限はありません。そのかわり、借り主は値上げを断ってそのまま住み続けられ、合意できなければTALが家賃を決めます。
- 値上げの通知に1か月以内に答えないと、提案された家賃を受け入れたことになります。旅行などで家を空ける時期は、郵便に注意してください。
- 前の借り主の家賃は、契約書の Section G で確かめられます。高すぎると思ったら、期限内にTALに申し立てられます。
- 2026年1月1日から規則が変わっています。英語のページの更新が遅れているため、迷ったときはフランス語のページやTALの電話窓口で確かめてください。
- 敷金や鍵の預かり金のルールは「敷金とペット敷金」、7月1日の引っ越しの習慣は「ケベック州の7月1日の引っ越し」で扱います。
- 個別の判断が必要なときは、TAL、弁護士、公証人などに相談してください。
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