家賃の値上げと上限(Rent increase)
家賃の値上げのルールは州・準州ごとに違います。2026年の上限は、ブリティッシュコロンビア州(BC)が2.3%、オンタリオ州が2.1%(2027年は1.9%)です。アルバータ州には値上げ額の上限がなく、ケベック州は借り主が値上げを断れる仕組みです。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
家賃の値上げのルールは州ごと
カナダでは、家賃をいつ、どれだけ上げられるかを、州・準州がそれぞれの法律で決めています。毎年の上限を州が決めている州もあれば、上限のない州もあります。
この記事では、日本から来る人が多い4つの州のルールをまとめます。ほかの州・準州の法律と相談先は「州ごとの賃貸法と相談先」にあります。
州・準州ごとの違い
2026年10月時点のルールです。
| 州 | 毎年の上限 | 値上げの間隔 | 事前の通知 |
|---|---|---|---|
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | 2026年は2.3% | 12か月以上あける | 丸3か月前。書式 RTB-7 |
| オンタリオ州 | ガイドライン:2026年は2.1%、2027年は1.9%(対象外の物件あり) | 12か月以上あける | 90日以上前。決められた書式 |
| アルバータ州 | 上限なし | 1年(365日)以上あける | 月ごとの契約は丸3か月前、週ごとの契約は丸12週前 |
| ケベック州 | 州の上限なし(借り主は断れる) | 契約の更新のときなど | 12か月以上の契約は終わりの3〜6か月前など |
ブリティッシュコロンビア州(BC)
BC州政府の値上げのページ(新しいタブで開く)によると、BCの値上げの上限は次のとおりです。
| 年 | 上限 |
|---|---|
| 2026年 | 2.3% |
| 2025年 | 3% |
| 2024年 | 3.5% |
| 2023年 | 2% |
| 2022年 | 1.5% |
| 2021年 | 0% |
- 値上げできるのは、契約の始めに家賃が決まってから、または前回の正しい値上げから12か月以上たってからです。
- 大家は、丸3か月前までに書面で知らせます。通知には値上げ後の額といつからかを書き、州の書式「Notice of Rent Increase(Form RTB-7)」を使います。
- 法律で認められた額より多く払ってしまった場合、借り主は払いすぎた分を次の家賃から差し引けます。
- 毎年の上限とは別に、費用の増加などを理由にした値上げが認められる場合があります。
BCの賃貸の相談先は「BC州の賃貸(RTB)」にあります。
オンタリオ州
オンタリオ州政府の値上げのページ(新しいタブで開く)によると、多くの賃貸住宅では、州の値上げガイドライン(Rent increase guideline)の率までしか上げられません。2026年は2.1%、2027年は1.9%です。
- 値上げできるのは、前回の値上げか契約の始まりから12か月以上たってからです。
- 大家は、値上げの90日以上前に、決められた書式の書面で知らせます。
- 大家は、LTBの承認を受ければ、ガイドラインを超えて上げられる場合があります。
- 正しくない値上げは、最初に請求されてから12か月以内であれば、大家・借家人委員会(LTB)に申し立てられます。
次の場合は、ガイドラインの対象外です。
- 2018年11月15日より後に初めて住居として使われた新しい建物、増築部分、多くの新しい地下の住戸(Basement apartment)
- 借り主が入れ替わるとき(大家と新しい借り主が家賃を決める)
- コミュニティハウジング(公営などの住宅)や長期介護施設
オンタリオ州の相談先は「オンタリオ州の賃貸(LTB)」、契約書は「オンタリオ州の標準賃貸契約」にあります。
アルバータ州
アルバータ州政府の入居中のルールのページ(新しいタブで開く)によると、アルバータ州には値上げの額の上限がありません。
- 期間の決まった契約でも、月ごとなどの契約でも、前回から1年(365日)以上たたないと値上げできません。
- 期間の決まった契約の途中では、値上げできません。
- 事前の通知は、月ごとの契約なら丸3か月、週ごとの契約なら丸12週です。
ケベック州
ケベック州には、州が決める毎年の値上げの上限はありません。大家が契約の更新のときに値上げを通知し、借り主が答える仕組みです(TALの契約の条件の変更のページ(新しいタブで開く))。
| 契約の種類 | 大家の通知の期限 |
|---|---|
| 12か月以上の契約 | 契約の終わりの3〜6か月前 |
| 12か月未満の契約 | 契約の終わりの1〜2か月前 |
| 期間の決まっていない契約 | 変更したい日の1〜2か月前 |
| 部屋の契約 | 10〜20日前 |
- 借り主は、通知を受け取ってから1か月以内に、受け入れる・断る・退去するのどれかを答えます。
- 1か月以内に答えないと、提案された条件を受け入れたとみなされます。
- 借り主が断ると、大家は1か月以内に住宅行政審判所(Tribunal administratif du logement、TAL)に申し立てます。合意できなければ、TALが家賃を決めます。
TALの率のページ(新しいタブで開く)によると、TALが2026年に家賃を決めるときの基本の率は3.1%です。これはTALの計算に使う率で、大家が提案できる値上げの上限ではありません。詳しくは「ケベック州の賃貸(TAL)」にあります。
手順
- 値上げの通知が届いたら、届いた日と、値上げの額・いつからかを記録する。
- 前回の値上げ(または契約の始まり)から、決められた期間がたっているかを確かめる。
- 通知が州の決まった書式・期限を守っているかを確かめる。
- 上限がある州(BC・オンタリオ州)では、率が上限以内かを計算する。
- 疑問があれば、州の窓口(BCのRTB、オンタリオ州のLTB、ケベック州のTAL など)に相談する。ケベック州では1か月以内に答える。
費用
2026年10月時点の主な率です。
| 州 | 率 |
|---|---|
| BC | 上限2.3%(2026年) |
| オンタリオ州 | ガイドライン2.1%(2026年)、1.9%(2027年) |
| アルバータ州 | 上限なし |
| ケベック州 | 州の上限なし。TALの計算の基本の率は3.1%(2026年) |
たとえば、月C$2,000の家賃なら、BCの2026年の上限での値上げはC$46、オンタリオ州の2026年のガイドラインではC$42です。
ここに注意してね!
- 家賃の値上げのルールは州によって大きく違います。同じカナダでも、上限がある州とない州があります。引っ越しの前に、住む州のルールを確かめておくと安心です。
- オンタリオ州では、2018年11月15日より後に初めて人が住んだ新しい物件などはガイドラインの対象外です。契約の前に、建物がいつから使われているかを確かめると、将来の値上げを考える手がかりになります。
- オンタリオ州のガイドラインは、借り主が入れ替わるときの家賃には適用されません。新しい借り主の家賃は、大家と新しい借り主が決めます。
- ケベック州では、値上げの通知に1か月以内に答えないと、受け入れたことになります。
- 個別の判断が必要なときは、州の窓口や弁護士、リーガルクリニックなどに相談してください。
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