アルバータ州の賃貸(Residential Tenancies Act)
アルバータ州の賃貸のルールは住宅賃貸法(Residential Tenancies Act、RTA)で決まります。敷金は家賃1か月分まで、値上げは1年に1回まで(額の上限なし)、入居時と退去時の点検報告書は必須です。争いは住宅賃貸紛争解決サービス(RTDRS)が扱います。アルバータ州で部屋を借りる人向けです。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
住宅賃貸法(RTA)とは
アルバータ州の住宅の賃貸は、住宅賃貸法(Residential Tenancies Act、RTA)で決まっています。契約書にRTAより借り主に不利な条件を書いても、RTAが定める借り主の権利をなくすことはできません(アルバータ州政府の入居時のページ(新しいタブで開く))。
契約は書面でも口頭でも成り立ちますが、州政府は、争いになったときの証拠になるので書面がよいとしています。契約の種類は次の2つです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 期間の決まった契約(Fixed term tenancy) | 始まりと終わりの日が決まっている |
| 期間の決まっていない契約(Periodic tenancy) | 週ごと・月ごと・年ごとに続き、終わりの日がない |
RTAが適用されない住まい
RTAの第2条によると、次のような住まいにはRTAが適用されません(一部)。
- 大家が実際に住んでいる住まいの中の部屋を借りる場合
- ホテル、モーテル、B&Bなどに6か月未満滞在する場合
- 学校が自校の学生に貸す部屋で、独立した住戸を専用で使えない場合(寮など)
- 移動住宅用地(Mobile home site。別の法律が扱う)
大家と同居するルームシェアやホームステイは、RTAの対象外になることがあります(「ルームシェアとホームステイ」)。
入居するとき
- 敷金(Security deposit):入居時の家賃1か月分までです。返し方や利率は「敷金とペット敷金」にまとめています。
- 点検(Inspection):大家と借り主は、入居の前後1週間以内に一緒に部屋を点検し、大家はすぐに点検報告書を借り主に渡します。退去のときも、明け渡しの前後1週間以内に同じように点検します(RTA第19条)。州政府は、入居時と退去時の点検報告書は必須だとしています(「入居時と退去時の点検」)。
住んでいる間のルール
家賃の値上げ
アルバータ州政府の入居中のページ(新しいタブで開く)によると、値上げの額に上限はありません。
- 前回の値上げか入居から、1年(365日)以上たたないと値上げできません。
- 期間の決まった契約の途中では、値上げできません。
- 書面での事前の通知が必要です。月ごとの契約は丸3か月、週ごとの契約は丸12週前です。
ほかの州との比べ方は「家賃の値上げと上限」にあります。
大家の立ち入り
修理、点検、害虫駆除、買い手や次の借り主への内見などで大家が部屋に入るには、24時間以上前の書面の通知が必要です。RTA第23条によると、通知には大家の署名と理由、日時を書き、立ち入りは8時〜20時の間で、祝日は除きます。借り主が書面で伝えた礼拝の日(日曜日以外の場合)も除かれます。
緊急時や、借り主が部屋を放棄したと考える理由があるときは、通知なしで入れます。
修理
大家は、部屋を適度に安全で、修理の行き届いた状態に保つ責任があります。基準は公衆衛生法(Public Health Act)の規則などで決まっています。大家が修理に応じないとき、借り主はRTDRSか裁判所に、損害の回復、家賃の減額、修理費の補償、契約の終了などを求められます。修理の流れは「修理と大家の責任」でも扱います。
契約を終えるとき
アルバータ州政府の退去のページ(新しいタブで開く)によると、期間の決まっていない契約を終えるときの通知期間は次のとおりです。
| 契約の種類 | 借り主からの通知 | 大家からの通知 |
|---|---|---|
| 週ごと | 1週間 | 1週間 |
| 月ごと | 1か月 | 3か月 |
| 年ごと | 契約年の最終日の60日前 | 契約年の最終日の90日前 |
- 期間の決まった契約は、契約書の終わりの日に通知なしで終わります。
- 月ごとの契約を大家が3か月の通知で終えられるのは、大家や親族が住む、建物を取り壊す、住宅以外に使う、などの理由があるときです。大規模な改修や分譲マンション(コンドミニアム)への転換では、1年前の通知が必要です。
- 通知は書面で、住所、契約が終わる日、通知する人の署名を書きます。大家は理由も書きます。
- 家賃の滞納など重大な違反(Substantial breach)があるとき、大家は14日以上前(まる14日)の通知で契約を終えられます。
敷金は、差し引くものがなければ、明け渡しから10日以内に利息とともに全額返されます。退去の流れは「退去の手続きと敷金の返還」にあります。
争いになったとき(RTDRS)
住宅賃貸紛争解決サービス(Residential Tenancy Dispute Resolution Service、RTDRS)は、大家と借り主の争いを裁判所の外で解決する準司法的な審判機関です。申し立てはオンラインの「RTDRS eFiling Service」で行います(RTDRSのページ(新しいタブで開く))。RTDRSを使わず裁判所に訴えることもできます。
手順
- 契約書、点検報告書、家賃の支払い記録を保管する。
- 困ったことは、まず大家に書面(メールなど)で伝え、やりとりを残す。
- 自分の場面のルールを、州政府のページで確かめる。
- 解決しなければ、RTDRSにオンラインで申し立てる。
- 法的な判断が必要なときは、弁護士に相談する。
費用
2026年10月時点のRTDRSの申し立て手数料です(2026年4月1日から)。
| 請求の内容 | 手数料 |
|---|---|
| C$7,500以下の請求・反対請求 | C$75 |
| C$7,500を超える請求 | C$150 |
| 手続き中の申し立てがある場合の、C$7,500を超える反対請求 | C$100 |
条件を満たせば、手数料の免除を受けられます。
ここに注意してね!
- アルバータ州には家賃の値上げ額の上限がありません。ただし、値上げは1年に1回までで、事前の書面の通知が必要です。
- 入居時と退去時の点検報告書は必須です。報告書がないと、大家は損傷や清掃の費用を敷金から差し引けません。入居時に傷や汚れを写真でも残しておくと安心です。
- 大家が住む家の中の部屋を借りる場合など、RTAが適用されない住まいがあります。契約前に、どんな形の賃貸かを確かめてください。
- 州政府のページは一般的なルールの説明です。個別のケースの判断は、RTDRSや弁護士に相談してください。
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