テナント保険(Tenant insurance)
賃貸で暮らす人の家財や、他人に与えた損害への賠償、住めなくなったときの仮住まいの費用は、大家の保険では補償されません。それに備えるのがテナント保険です。加入が契約の条件になっていることもあります。
大家の保険では自分の家財は守られない
賃貸物件の建物には、ふつう大家(家主)が保険をかけています。ただし、その保険で守られるのは建物で、入居者の持ち物は対象外です。
ブリティッシュコロンビア州(BC)政府の災害への備えのページ(新しいタブで開く)は、賃貸で暮らす人の家財と、住めなくなったときの追加の生活費は、大家の保険では補償されないと説明しています。
BC の賃貸と自然災害のページ(新しいタブで開く)でも、家財の責任は入居者にあり、自然災害で家財が壊れても大家に責任は問えないとしています。そのうえで、家財を守る方法としてテナント保険を考えるよう勧めています。
テナント保険で補償される主なもの
テナント保険(tenant insurance、renters’ insurance、contents insurance とも呼ばれます)は、主に次の3つに備える保険です。トロント市の公営住宅を運営する Toronto Community Housing(TCHC)も、同じ3点を挙げて説明しています。
- 家財:家具、家電、服、食品、宝飾品、薬などが壊れたり盗まれたりしたときの修理・買い替え
- 賠償責任:自分の過失で他人にけがをさせたり、物を壊したりしたときの費用(例:台所の火事、ペットが人をかんだ)
- 仮住まいの費用:火事や水漏れなどで住めなくなったときのホテル代や短期の住まいの費用
TCHC は、1ベッドルームの部屋の家財をすべて買い直すと平均C$20,000、ホテル1泊は平均C$200かかるという目安を示しています(2026年10月時点の同ページの数字)。
補償の範囲や上限、免責額(deductible)は保険の契約によって違います。
加入が求められるとき
加入するかどうかは、法律で一律に決まっているわけではなく、賃貸契約の内容によります。
- オンタリオ州の標準賃貸契約のガイド(新しいタブで開く)は、入居者が賠償責任保険に入る必要があるかどうかは大家と入居者が合意して決めるとしています。大家が加入の証明を求めたら、入居者は出さなければなりません。家財の保険は、入居者が必要なら自分で入るものとされています。
- BC 政府のページは、大家が入居者にテナント保険への加入と毎年の更新を求めることがよくあると説明しています。
- TCHC の物件では、契約上、家財の保険は入居者が用意することになっています。部屋に電動自転車(E-bike)を置く場合は加入が必須です。
手順
- 賃貸契約に、保険の加入や証明の提出についての条件があるかを確かめる。
- 家財の価値をおおまかに見積もる(申し込みで聞かれることが多い)。
- 保険会社や代理店で見積もりを取り、補償の範囲、上限、免責額、除外されるものを比べる。
- 住む地域で起こりやすい災害(洪水、下水の逆流、地震など)が補償に入っているかを確かめる。
- 加入したら、求められれば大家に証明を出す。契約は毎年更新する。
BC 政府は、地域の災害の危険に合った補償か、上限・免責額・除外があるかを確かめるよう勧めています。洪水や地震は、別の特約が必要なことがあります。
費用
保険料は、住む場所、家財の額、補償の内容、免責額などで変わります。公的なページで全国共通の目安は示されていないため、複数の見積もりを比べるのが基本です(2026年10月時点)。
オンタリオ州では、州の生活保護(Ontario Works)や障害者支援(ODSP)を受けている人は、保険料が住居費の手当で賄われる場合があると TCHC は説明しています。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の賃貸でも火災保険への加入を求められることがありますが、カナダでは契約ごとに条件が違います。加入が条件かどうか、契約書の保険の項目を読みます。
- 災害で避難している間も家賃の支払いは続くと、BC 政府は説明しています。仮住まいの費用の補償があるかどうかは、契約前に確かめておきたい点です。
- 自分の過失で建物や隣の部屋に被害を出したときの賠償は、家財の補償とは別の項目です。両方が入っているかを確かめます。
- どの保険が合うかは人によって違います。補償の内容は保険会社や代理店に確かめます。賃貸契約の決まりは「賃貸契約(Lease)の読み方」でも扱います。
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