土地の承認(Land acknowledgement / Territorial acknowledgement)
カナダでは、会議や式典、学校の行事などの最初に、その場所が先住民の伝統的な土地であることを述べる「土地の承認」がよく行われます。どんな意味があり、どんな言葉が使われるのかを、連邦政府の資料をもとにまとめます。
土地の承認とは
カナダで暮らしていると、会議や授業、式典、イベントの初めに「私たちは〇〇の人々の伝統的な土地にいます」といった言葉を聞くことがあります。これが「土地の承認(Land acknowledgement、Territorial acknowledgement)」です。
連邦政府の職員研修を担うカナダ公務員学校(Canada School of Public Service、CSPS)の解説動画(新しいタブで開く)は、土地の承認を「和解(reconciliation)の行い」と位置づけています。数千年にわたる先住民の存在とその土地に敬意を表し、植民地支配による傷をいやし、健全で公正な関係を育てるためのものだと説明しています。
どんな言葉が使われるか
連邦政府の省庁も、報告書やウェブページの冒頭で土地の承認を載せています。たとえば移民・難民・市民権省(IRCC)の反人種主義戦略のページ(新しいタブで開く)は、多くの人が暮らし働く土地が先住民のネーションの伝統的な土地であること、オタワの本部がアニシナベ・アルゴンキン(Anishnaabe Algonquin)のネーションの、譲り渡されていない(unceded)土地にあることを述べています。
よく出てくる言葉は次のとおりです。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| traditional territory | 伝統的な土地 |
| ancestral territory | 祖先から受け継いだ土地 |
| unceded / unsurrendered | 条約などで譲り渡されていない |
| Treaty(例:Treaty 6) | その土地に関係する条約 |
CSPS の動画は、民族によって言葉を使い分けることにもふれています。ファースト・ネーションズには「伝統的な(または祖先の)土地」、メティスには「土地(territory)」という言い方を使い、イヌイットには土地の承認という慣習はないと説明しています。
準備のしかた
CSPS の動画は、土地の承認を行う人に向けて、次の点を挙げています。
- 自分がいる場所がどの土地かを確かめ、そこに関係するすべてのネーションを含める
- 地元の資料で、先住民のコミュニティ、その作法(protocols)、その地域で有効な条約を正しく確かめる
- 言葉だけでなく、気持ちと本当の意図を大切にする
カナダには、1701年から1923年に結ばれた70の歴史的な条約があり、連邦政府がこれを認めています(CIRNACの条約のページ(新しいタブで開く))。同じページから、条約の地図や、場所から条約を調べられる「先住民の権利・条約上の権利情報システム(Aboriginal and Treaty Rights Information System、ATRIS)」にたどりつけます。条約の基本は「条約と土地の権利」で扱います。
ここに注意してね!
- カナダでは、連邦政府の省庁も報告書やページの冒頭に土地の承認を載せています。行事などで耳にしたときは、その土地の先住民を知るきっかけになります。
- 土地の承認の言葉は、場所によって違います。同じ都市でも、複数のネーションの名前が挙がることがあります。
- IRCC のページは、読む人に対して、自分が住む土地について調べ、学ぶことを呼びかけています。住んでいる地域の先住民の名前や条約を知ることが、その第一歩になります。
- 呼び方の基本は「呼び方と用語の注意」にまとめています。
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