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先住民の基本(First Nations・Métis・Inuit)

ひとことで言うと

カナダの憲法は、先住民としてファースト・ネーションズ、イヌイット、メティスの3つの民族を認めています。2021年の国勢調査では、先住民と答えた人は180万人を超え、人口の約5%です。3つの民族それぞれの人口、暮らす地域、言語の基本をまとめます。

目次
  1. 憲法が認める3つの先住民
  2. 人口(2021年の国勢調査)
  3. ファースト・ネーションズ(First Nations)
  4. イヌイット(Inuit)
  5. メティス(Métis)
  6. 日本との違い・注意点

憲法が認める3つの先住民

カナダの1982年憲法(Constitution Act, 1982)第35条は、先住民の既存の権利と条約上の権利を「認め、確認する」と定めています。同じ条で、カナダの先住民(Aboriginal peoples of Canada)には「インディアン、イヌイット、メティス」が含まれるとしています。条文の「インディアン」は法律上の用語で、連邦政府のページではいま「ファースト・ネーションズ(First Nations)」という呼び方を使っています(1982年憲法の条文(新しいタブで開く))。

先住民関係・北方問題省(Crown-Indigenous Relations and Northern Affairs Canada、CIRNAC)は、この3つを「それぞれ固有の歴史、言語、文化の慣習、精神的な信仰を持つ、別々の民族」と説明しています。「先住民」とひとまとめにせず、どの民族の話なのかを意識すると、ニュースや博物館の展示がわかりやすくなります。

人口(2021年の国勢調査)

CIRNACのページ(新しいタブで開く)によると、2021年の国勢調査で先住民と答えた人は180万人を超え、カナダの人口の5%です。

民族人口(2021年)
ファースト・ネーションズ1,127,010人
メティス624,220人
イヌイット70,545人

CIRNAC は、先住民の人口について次の点も挙げています。

  • 2016年から2021年に9.4%増え、カナダで最も速く増えている人口
  • 2021年には約28%が25歳未満で、カナダで最も若い人口

ファースト・ネーションズ(First Nations)

カナダには630を超えるファースト・ネーションズのコミュニティがあり、50を超えるネーション(民族)と50の先住民の言語を代表しています(CIRNACのファースト・ネーションズのページ(新しいタブで開く))。

ファースト・ネーションズの人には、インディアン法(Indian Act)にもとづく登録をしている人(Status)と、していない人がいます。登録の仕組みや法律の歴史はインディアン法で扱います。

イヌイット(Inuit)

イヌイットは、主に北極圏の地域に暮らす民族です。市民権の学習用ガイド「Discover Canada」は、「イヌイット」はイヌクティトゥット語で「人々」を意味すると説明しています。

イヌイットの伝統的な土地は「イヌイット・ヌナンガット(Inuit Nunangat)」と呼ばれ、次の4つの地域からなります。

地域場所土地の権利の協定
イヌヴィアルイト(Inuvialuit)ノースウエスト準州とユーコン準州1984年
ヌナヴィク(Nunavik)ケベック州北部1975年
ヌナツィアヴト(Nunatsiavut)ラブラドール2005年
ヌナブト(Nunavut)ヌナブト準州1993年

CIRNACのイヌイットのページ(新しいタブで開く)によると、4つの地域すべてで土地の権利の協定(land claims agreement)が結ばれ、その範囲はカナダの国土の約40%にあたります。言葉はイヌクトゥット(Inuktut)が使われ、地域ごとに方言があります。

メティス(Métis)

メティスは、先住民とヨーロッパ人の両方を祖先に持つ、独自の民族です。Discover Canada は、メティスの多くがプレーリー(平原)の州に暮らしていると説明しています。

カナダ政府は、メティス・ナショナル・カウンシル(Métis National Council)などの組織と関係を結んでいます(CIRNACのメティスのページ(新しいタブで開く))。

ここに注意してね!

  • カナダでは、憲法が先住民の権利と条約上の権利を明記しています。土地の利用や資源開発、教育などで、先住民の権利や条約が関係する場面が多くあります。条約の基本は条約と土地の権利にまとめます。
  • 連邦政府は「ファースト・ネーションズ」「イヌイット」「メティス」という呼び方を使っています。このサイトも「インディアン」「エスキモー」という呼び方は使わず、法律名の「インディアン法」だけを固有名詞として使います。呼び方の注意は呼び方と用語の注意で扱います。
  • 先住民の人々を、ひとつの民族のようにまとめて考えないことが大切です。同じファースト・ネーションズでも、ネーションごとに言語や文化が違います。

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