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条約と土地の権利(Treaties and Aboriginal rights)

ひとことで言うと

カナダの条約は、連邦政府と先住民のグループ、多くの場合は州・準州も加わって結ぶ取り決めで、それぞれの権利と義務を定めます。1701年から1923年に結ばれた70の歴史的な条約と、1975年以降の現代の条約があり、条約上の権利は1982年憲法第35条で認められています。

目次
  1. 条約とは
  2. 歴史的な条約
  3. 現代の条約
  4. 住んでいる場所の条約を知る
  5. 日本との違い・注意点

条約とは

先住民関係・北方問題省(Crown-Indigenous Relations and Northern Affairs Canada、CIRNAC)の条約についてのページ(新しいタブで開く)によると、条約(Treaties)は、カナダ政府と先住民のグループ、そして多くの場合は州・準州が結ぶ取り決めです。条約は、すべての当事者が持ち続ける権利と義務を定めます。その中身は条約ごとに違います。

条約の相手方としてよく出てくる「王冠(the Crown)」は、イギリス、のちにカナダの連邦政府と州・準州政府を指す法律上の名前です。

先住民の権利(Aboriginal rights)と条約上の権利(Treaty rights)は、1982年憲法(Constitution Act, 1982)第35条で認められ、確認されています。

歴史的な条約

カナダは、1701年から1923年までに結ばれた70の歴史的な条約(Historic treaties)を認めています。これらの条約は、王冠と364のファースト・ネーションズ、60万人を超えるファースト・ネーションズの人々との関係の土台になっています。

CIRNAC は、歴史的な条約を時期や地域で次のように分けています。

名前時期
平和と中立の条約(Treaties of Peace and Neutrality)1701〜1760年
平和と友好の条約(Peace and Friendship Treaties)1725〜1779年
アッパー・カナダの土地の譲渡とウィリアムズ条約(Upper Canada Land Surrenders and the Williams Treaties)1764〜1862年、1923年
ロビンソン条約とダグラス条約(Robinson Treaties and Douglas Treaties)1850〜1854年
番号条約(The Numbered Treaties)1871〜1921年

平和と友好の条約

大西洋側の地域で、イギリスの植民地の役人と先住民の間で結ばれた条約です。CIRNAC の平和と友好の条約のページ(新しいタブで開く)によると、これらの条約で先住民は土地や資源への権利を譲り渡していません。交易の関係を定めた条約で、のちの裁判では、狩猟や漁業の権利との関係が争われました。

番号条約

番号条約は、1871年から1921年に結ばれた11の条約です。ウッズ湖(Lake of the Woods)からロッキー山脈、ボーフォート海までの広い地域にわたります。CIRNAC の番号条約のページ(新しいタブで開く)によると、条約には次のような約束が含まれていました。

  • リザーブ(保留地)の土地
  • 毎年の支払い(annuities)
  • 王冠の土地のうち使われていない場所で、狩猟と漁業を続ける権利
  • 子どもを教育するための学校や教師
  • 農業を始めるための道具

連邦政府は、これらの条約を、大規模な土地の譲渡を土台にしたものと説明しています。リザーブについては「リザーブ(保留地)と訪問するとき」で扱います。

現代の条約

1975年以降に結ばれている条約は、現代の条約(Modern treaties)、または包括的な土地の権利の協定(comprehensive land claim agreements)と呼ばれます。CIRNAC の現代の条約のページ(新しいタブで開く)によると、要点は次のとおりです。

  • 最初の現代の条約は、1975年に署名され1977年に発効した「ジェームズ湾・北ケベック協定(James Bay and Northern Quebec Agreement)」です。
  • 1975年以降、27の現代の条約が実施されています。
  • 27のうち、土地の権利だけを扱うものが6、自治(self-government)だけを扱うものが1、両方を扱うものが20です。
  • 現代の条約は、60万平方キロメートルを超える土地の所有を認め、カナダの国土の約40%で土地の権利をはっきりさせています。
  • 現代の条約は、憲法で守られた約束と位置づけられています。

協定は、枠組みの合意、原則の合意(Agreement-in-Principle)、最終合意(Final Agreement)という段階を経て結ばれます。最終合意では、資源、財政上の利益、自治、土地の所有などを扱います。ヌナブト準州の成り立ちは「ヌナブト準州の成り立ち」で扱います。

住んでいる場所の条約を知る

CIRNAC のページからは、条約の地図や、場所から条約を調べられる「先住民の権利・条約上の権利情報システム(Aboriginal and Treaty Rights Information System、ATRIS)」にたどりつけます。マニトバ州とサスカチュワン州には、条約について学ぶための条約委員会もあります。土地の承認(Land acknowledgement)で条約の名前が読み上げられることもあります(「土地の承認」)。

ここに注意してね!

  • カナダの条約は、国と国の間の条約とは違い、王冠と先住民の間で結ばれた取り決めです。いまも有効で、憲法で権利が認められています。
  • 条約で定める権利と義務は、条約ごとに違います。対象になる地域も条約ごとに違います。
  • 先住民の歴史の流れは「先住民の歴史」、インディアン法は「インディアン法」で扱います。

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