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寄宿学校(Indian Residential Schools)

ひとことで言うと

150年以上にわたり、ファースト・ネーションズ、イヌイット、メティスの子どもたちが家族や地域から引き離され、寄宿学校に通わされました。通った子どもは15万人を超えます。学校の歴史、2006年の和解合意、2008年の謝罪、いま利用できる相談窓口をまとめます。

目次
  1. 寄宿学校とは
  2. 学校の歴史
  3. 学校で起きたこと
  4. 和解合意と謝罪
  5. 相談窓口
  6. 日本との違い・注意点

寄宿学校とは

寄宿学校(Indian Residential Schools)は、先住民の子どもたちを家族や地域から引き離し、寮で生活させながら教育した学校です。真実和解のための国立センター(National Centre for Truth and Reconciliation、NCTR)は、150年以上にわたって、ファースト・ネーションズ、イヌイット、メティスの子どもたちが家族や地域から連れ出され、こうした学校に通わされたと説明しています(NCTRのページ(新しいタブで開く))。

寄宿学校に通った子どもは15万人を超えます。学校は教会が運営し、連邦政府が資金を出していました。

学校の歴史

年できごと
1831年教会が運営する最初の寄宿学校が開かれる(NCTR)
1876年インディアン法(Indian Act)が制定される。連邦政府が寄宿学校を設けることを可能にする条項が含まれていた(CIRNAC)
1880年代連邦政府が、全国の寄宿学校に資金を出すことを公式の方針にする(NCTR)
1920年インディアン法により、7歳から15歳の条約上の地位を持つ(Treaty-status)子どもの寄宿学校への出席が義務になる(NCTR)
1970年代半ば多くの学校が閉じられる(CIRNAC)
1990年代後半連邦政府が運営した最後の学校が閉じられる(CIRNAC)

先住民関係・北方問題省(CIRNAC)の寄宿学校と和解のページ(新しいタブで開く)は、約15万人の先住民の子どもが家族や地域から引き離されて寄宿学校に通ったとしています。

学校で起きたこと

NCTR によると、学校は資金が足りず、過密なことが多く、教育の質も低いものでした。子どもたちは自分の言葉を話すと厳しく罰せられました。何千人もの生徒が身体的・性的な虐待を受け、すべての子どもが孤独と、家族のもとへ帰りたい思いに苦しみました。

真実和解委員会(Truth and Reconciliation Commission、TRC)は、寄宿学校を、先住民の文化と言語を壊そうとした政府による組織的な試みだと結論づけ、「文化的ジェノサイド(cultural genocide)」と表現しました。NCTR は、学校で亡くなったことがわかっている何千人もの子どもの記録をまとめています。

和解合意と謝罪

CIRNAC の年表(新しいタブで開く)と和解合意のページ(新しいタブで開く)によると、主な流れは次のとおりです。

  1. 2006年5月10日、寄宿学校和解合意(Indian Residential Schools Settlement Agreement、IRSSA)がすべての当事者に承認されました。カナダの歴史で最大の集団訴訟の和解です。
  2. 2007年9月19日、合意の実施が始まりました。
  3. 2008年6月11日、首相が連邦政府とすべてのカナダ人を代表して、庶民院(House of Commons)で元生徒に謝罪しました。

和解合意には、次の5つが含まれています。

  • 対象となる元生徒全員への共通経験支払い(Common Experience Payment、CEP)
  • 性的虐待や深刻な身体的虐待の請求のための独立評価手続き(Independent Assessment Process、IAP)
  • いやしを支える取り組み(健康支援プログラムなど)
  • 記念の活動
  • 真実和解委員会の設置

TRC については「真実和解委員会(TRC)と94の提言」で扱います。

相談窓口

CIRNAC は、寄宿学校の元生徒や影響を受けた人のために、次の窓口を案内しています。

窓口電話内容
寄宿学校の元生徒向けの危機相談1-866-925-4419感情的な危機への相談と紹介
Hope for Wellness Help Line1-855-242-331024時間365日のカウンセリングと危機対応

日本との違い・注意点

  • 寄宿学校は、遠い昔だけの話ではありません。最後の学校が閉じたのは1990年代後半で、いまも多くのサバイバー(Survivors)とその家族が暮らしています。
  • 寄宿学校の経験は、世代を超えて影響が続いていると連邦政府も認めています。2008年の謝罪でも、元生徒とその家族、地域への世代を超えた被害にふれています。
  • 毎年9月30日は「真実と和解のための国民の日」です。各地で寄宿学校の歴史を学ぶ行事が開かれます。

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