真実和解委員会(Truth and Reconciliation Commission、TRC)と94の行動の呼びかけ
真実和解委員会(TRC)は、寄宿学校の歴史とその影響を記録するため、2008年に寄宿学校和解合意にもとづいて設けられました。2015年に最終報告書と94の「行動の呼びかけ(Calls to Action)」をまとめ、記録は真実和解のための国立センター(NCTR)に引き継がれています。
真実和解委員会とは
真実和解委員会(Truth and Reconciliation Commission of Canada、TRC)は、寄宿学校(Indian Residential Schools)の歴史と、そこで起きた被害を記録するために設けられた委員会です。寄宿学校そのものについては「寄宿学校」で扱います。
真実和解のための国立センター(National Centre for Truth and Reconciliation、NCTR)のTRCのページ(新しいタブで開く)によると、TRC は法的な和解によって生まれました。和解の当事者は、寄宿学校のサバイバー(Survivors)、ファースト・ネーションズ議会(Assembly of First Nations)、イヌイットの代表、そして学校を作り運営した連邦政府と教会の団体です。
設置から最終報告書まで
先住民関係・北方問題省(Crown-Indigenous Relations and Northern Affairs Canada、CIRNAC)のTRCのページ(新しいタブで開く)によると、流れは次のとおりです。
- 2008年、寄宿学校和解合意(Indian Residential Schools Settlement Agreement)にもとづいて TRC が設けられました。連邦政府は7,200万カナダドルを支援しました。
- 委員会は、6,500人のサバイバーと証人から証言を集めました。
- 2015年、6巻からなる最終報告書と、94の「行動の呼びかけ(Calls to Action)」を公表しました。
- TRC は2015年に任務を終え、記録は NCTR に引き継がれました。
報告書の内容
NCTR の報告書のページ(新しいタブで開く)では、TRC の報告書を読むことができます。主なものは次のとおりです。
- 要約版「Honouring the Truth, Reconciling for the Future」
- 「What We Have Learned」「The Survivors Speak」
- 「Calls to Action」(行動の呼びかけ)
- 寄宿学校の歴史(1939年まで、1939年から2000年まで)
- イヌイットと北部の経験、メティスの経験
- 行方不明の子どもと、標識のない埋葬地
- 寄宿学校が残した影響(The Legacy)、和解(Reconciliation)
94の行動の呼びかけ
行動の呼びかけは、政府だけでなく、カナダ社会のあらゆる分野に向けたものです。CIRNAC によると、94のうち76は連邦政府に関わるものです。
CIRNAC の行動の呼びかけへの取り組みのページ(新しいタブで開く)は、呼びかけを次のような分野に分けて整理しています。
| 分野 | 主な番号 |
|---|---|
| 子どもと若者(Children and youth) | 1〜12、62〜66 |
| 言語と文化(Language and culture) | 13〜17 |
| 健康(Health) | 18〜24 |
| 司法(Justice in the legal system) | 25〜44、48〜52 |
| 歴史と記憶(History and commemoration) | 67〜76、79〜83 |
| 和解(Reconciliation) | 45〜47、53〜61、77〜78、84〜94 |
たとえば80番目の呼びかけにこたえて、9月30日の「真実と和解のための国民の日」が作られました。93番と94番は、カナダに新しく来た人(Newcomers to Canada)に関わる呼びかけとして、まとめられています。
真実和解のための国立センター(NCTR)
NCTR は、TRC を通じて、すべてのカナダ人のための恒久的な場として設けられました。TRC が集めた証言や記録を保管し、公開しています。場所はマニトバ州ウィニペグのマニトバ大学の中にあります。
日本との違い・注意点
- TRC は、裁判ではなく、和解合意の一部として設けられた委員会です。証言を集めて記録に残し、社会全体への呼びかけをまとめました。
- 行動の呼びかけは、政府だけでなく、カナダ社会のすべての分野に向けられています。
- 寄宿学校の経験は、いまも多くのサバイバーと家族に影響しています。話題にするときは、落ち着いた言葉を選びます。呼び方については「呼び方と用語の注意」で扱います。
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