離婚届と死亡届(カナダで離婚・死亡したときの日本への届出)
カナダで離婚が成立したときや、日本人がカナダで亡くなったときは、管轄の日本の大使館・総領事館(または本籍地の市区町村)に届け出ます。カナダの裁判で離婚したときは、判決確定の日から3か月以内に届け出ます(在バンクーバー総領事館の管轄は10日以内)。国外での死亡は、死亡を知った日から3か月以内に届け出ます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
身分の変化は日本にも届け出る
外国に住んでいる間に、結婚・離婚・死亡などで身分が変わったときは、日本の戸籍にも反映させるため、届け出が必要です。
在バンクーバー総領事館の戸籍・国籍の届出のページ(新しいタブで開く)は、届け出をしないと、亡くなった人が戸籍の上では生きたままになるといった問題が起きると注意しています。届出先は、住んでいる州・準州を管轄する日本の大使館・総領事館です(「州ごとの管轄の公館」)。日本の本籍地の市区町村役場にも出せます。
同じページによると、令和6年(2024年)4月1日から、戸籍の届出に戸籍謄本を出すことは原則として不要になりました。ただし記入の間違いが多いため、持っていれば戸籍謄(抄)本のコピーを見せるよう求めています。和訳文は、本人か翻訳ができる人が作ればよく、プロの翻訳者である必要はありません。
この記事の必要書類は、在バンクーバー総領事館の案内をもとにしています。ほかの公館で違う点は下の「公館ごとの違い」にまとめています。
離婚届
離婚の方法による違い
在バンクーバー総領事館の離婚届のページ(新しいタブで開く)によると、届け出の方法は、夫婦の国籍によって次のように分かれます(2026年10月時点)。
| 夫婦 | 選べる方法 |
|---|---|
| 日本人どうし | 日本の法律による協議離婚(公館に離婚届を出す)、またはカナダの裁判所で成立した離婚の報告 |
| 一方が外国人 | カナダの裁判所で成立した離婚の報告 |
同じページは、令和8年(2026年)4月1日から、日本の法律による協議離婚でも、子どもの共同親権を選べるようになったと案内しています。
日本人どうしの協議離婚
- 離婚届 2通
- 成人2人の証人(離婚届の証人欄に記入・署名)
- 戸籍謄本のコピー(持っていれば見せる)
カナダの裁判で離婚した場合
カナダの裁判所で離婚したときは、在カナダ日本国大使館の離婚届のページ(新しいタブで開く)によると、判決確定の日から3か月以内に届け出ます。在モントリオール・在カルガリー総領事館も3か月以内と案内しています。在バンクーバー総領事館の管轄(BC州・ユーコン準州)では、訴えを起こした人は判決確定から10日以内としているため、届け出る公館の案内を確かめます。
在バンクーバー総領事館は、届出用紙2通と、必要書類を各2通求めています。必要書類は、夫婦がそろって申し立てた(共同請願)か、原告か被告かによって違います。BC州の裁判の例として、総領事館が挙げている書類は次のとおりです。
| 書類 | 共同請願 | 原告 | 被告 |
|---|---|---|---|
| 裁判審理請求書(Notice of Joint Family Claim/Notice of Family Claim) | 必要 | 必要 | 必要 |
| 訴訟送達の宣誓供述書(Affidavit of Personal Service) | — | 必要 | — |
| 判決謄本(Final Order) | 必要 | 必要 | 必要 |
| 離婚証明書(Divorce Certificate)の原本1通とコピー1通 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 裁判に適法な呼出しを受けたことの申述書 | — | — | 必要 |
| 遅延理由書 | 10日以内に届け出られなかったとき | 10日以内に届け出られなかったとき | 3か月以内に届け出られなかったとき |
| 各書類の和訳文 | 必要 | 必要 | 必要 |
離婚証明書の原本は返されません。判決謄本に未成年の子どもの共同親権の記載がないときは、離婚届の親権の欄は空欄になると案内されています。
離婚したあとの姓
- 結婚で姓を変えた人は、離婚すると原則として結婚前の姓に戻ります。離婚のときの姓をそのまま使いたいときは、離婚から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を出します(戸籍法第77条の2)。
- 外国人との結婚で相手の姓に変えていた人が、結婚前の姓に戻りたいときは、離婚から3か月以内に「外国人との離婚による氏の変更届」を出すよう、総領事館は案内しています。
死亡届
期限と届け出る人
戸籍法第86条(新しいタブで開く)により、国外で亡くなったときの死亡届は、死亡の事実を知った日から3か月以内に出します。届書には、死亡の年月日時分と場所を書き、医師の診断書か検案書を付けます。
在バンクーバー総領事館の死亡届のページ(新しいタブで開く)によると、届け出るのは、亡くなった人と同居していた親族、そのほかの親族、同居人などです。
必要書類
在バンクーバー総領事館が挙げている書類です。
- 死亡届 2通(総領事館の窓口で入手)
- 医師の死亡診断書 1通とそのコピー1通
- 死亡診断書の和訳文 2通
- 遅延理由書 2通(死亡を知った日から3か月を過ぎたとき)
- 亡くなった人の日本のパスポートとカナダの滞在資格の書類
- 届け出る人の身分証明書(パスポートとカナダの滞在資格の書類など)
亡くなった人の戸籍謄本が必要になる場合もあるため、事前に問い合わせるよう求めています。
死亡診断書についての注意
総領事館所定の死亡診断書は、ファミリードクター(かかりつけ医)か、死亡を確認した医師に記入を頼みます。それが難しいときは、州・準州政府から、死亡の医学的な証明を含む死亡登録の写し(BC州の場合は「Death Registration Photocopy/Extract with Medical Certificate of Death」)を取り寄せます。
州・準州政府が出す死亡証明書(Death Certificate)には死亡の時刻(時・分)が書かれていないため、死亡届には使えないと案内されています。
遺体・遺骨を日本へ移すとき
総領事館によると、日本で火葬や埋葬をするには、日本の市区町村が死亡届を受け付けていることが条件です。総領事館に死亡届を出すと、本籍地に届くまで1〜2か月ほどかかり、その間は火葬許可や埋葬許可が出ません。
そのため、遺体・遺骨を日本に移すときは、カナダの葬儀社に死亡診断書などの原本の取得を頼み(外国語の書類には和訳も必要)、日本で死亡届を出すよう案内しています。この場合も、総領事館には在留届の変更を連絡します(「在留届」)。
外国人の配偶者が亡くなったとき
外国人の夫や妻が亡くなったときは、日本人の配偶者が「申出書」を出す必要があります。在バンクーバー総領事館の申出書のページ(新しいタブで開く)では、申出書2通、死亡診断書とそのコピー、BC州政府発行の死亡証明書、それぞれの和訳文、届け出る人のパスポートとカナダの滞在資格の書類を挙げています。
公館ごとの違い
ほかの公館も、届出用紙2通とカナダ側の証明書、その和訳文を求める点は同じです。違う点は次のとおりです(2026年10月時点)。
離婚届
| 公館 | 違う点 |
|---|---|
| 在カナダ日本国大使館(オタワ市) | 裁判離婚は、離婚判決謄本(Divorce Order)と離婚判決確定証(Certificate of Divorce)を各原本とコピー1部、それぞれの和訳文(本人の翻訳でよい) |
| 在トロント総領事館 | 裁判離婚は、判決書(Divorce Order)と離婚証明書(Divorce Certificate)を各原本1通・コピー1通と訳文。子どもがいる場合は親権についての公的な書類(Separation Agreementなど)と親権の部分の訳文、日本人が原告の場合は送達宣誓書(Form 6B: Affidavit of Service)と訳文も出す。日本人どうしの協議離婚は、離婚届2通と証人2人の身分証明書のコピー |
| 在モントリオール総領事館 | 裁判離婚は、離婚証明書(Certificate of Divorce/Certificat de divorce)と離婚判決確定証(Judgment of Divorce/Jugement de divorce)を、和訳文とともに各2通(うち1通はコピーでよい) |
| 在カルガリー総領事館 | 裁判離婚は、離婚証明書と離婚判決書を各原本1通・写し2通、和訳文2通、届け出る人のパスポート。PDFで受け取った判決書は原本と見なさないため、裁判所に紙の原本を郵送してもらう |
日本人と外国人の夫婦が日本の法律で協議離婚する場合、在トロント・在カルガリー総領事館は、公館では離婚届を受理できないと案内しています。大使館は、日本人の当事者が本籍地の市区町村に直接出すよう案内しています。
死亡届
| 公館 | カナダ側の死亡の証明として求める書類 |
|---|---|
| 在カナダ日本国大使館 | 医師か州政府が発行した死亡の証明(Statement of Death、Medical Certificate of Deathなど)2部と和訳文 |
| 在トロント総領事館 | 政府が発行した死亡の証明(Statement of Death)と、医師か病院が発行した死亡時分の記載のある死亡診断書を、各原本1通・コピー1通と訳文2通。亡くなった人の日本のパスポートも出す |
| 在モントリオール総領事館 | 州などの役所が発行した死亡の証明と和訳文を各2通(うち1通はコピーでよい) |
| 在カルガリー総領事館 | 医師が発行した死亡診断書1通とコピー1通、和訳文2通。亡くなった人と届け出る人のパスポート |
在バンクーバー総領事館は州政府の死亡証明書(時分の記載がないもの)を死亡届に使えないとしていますが、大使館と在モントリオール総領事館は州政府などが発行した死亡の証明を受け付けると案内しています。どの書類を用意するかは、管轄の公館で確かめます。
カナダ側の手続き
離婚
カナダの離婚は、連邦の離婚法(Divorce Act)にもとづいて、州の裁判所が認めます。カナダ司法省のページ(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- 夫婦のどちらかが、申し立ての前に1年以上、その州・準州に住んでいる必要がある。
- 婚姻の破綻を、1年以上の別居、相手の身体的・精神的な虐待、不貞のいずれかで示す。
- 離婚は、裁判官が認めてから31日後に効力が生じる。
日本への届出に使う離婚証明書(Certificate of Divorce)は、離婚を扱った裁判所で取ります(2026年10月時点)。
| 州 | 裁判所 | 離婚証明書の取り方 |
|---|---|---|
| BC | ブリティッシュコロンビア州最高裁判所(Supreme Court)の登記所 | 離婚の命令から31日たってから申し込む。窓口でC$40、郵送はC$50(郵送料C$10を含む) |
| アルバータ州 | キングズ・ベンチ裁判所(Court of King’s Bench) | 判決から31日たってから、オンラインの書式か、離婚を扱った裁判所の窓口で申し込む。処理に最大10営業日。カナダ国外で使う証明書は認証の手数料C$25 |
| オンタリオ州 | 離婚の手続きをした裁判所 | オンライン(Ontario.ca Login)、窓口、郵送で申し込む。C$25 |
| ケベック州 | ケベック州高等裁判所(Cour supérieure) | 離婚を扱った裁判所の書記官(greffe)に、書式(SJ-1078A)で離婚証明書を申し込む。必要な書類は書記官に問い合わせる |
どの裁判所で離婚したかわからないときは、連邦の離婚手続中央登録所(Central Registry of Divorce Proceedings、613-957-4519)が裁判所を調べてくれます。離婚の手続きそのものの判断は、州の弁護士に相談してください。
死亡の登録
カナダで亡くなったときは、葬儀社(Funeral director)が中心になって州に死亡を登録し、登録のあとで死亡証明書(Death certificate)を取れるようになります(2026年10月時点)。
| 州 | 登録の仕組み | 死亡証明書など |
|---|---|---|
| BC | 医師・ナースプラクティショナー・検視官が死後48時間以内に死亡の医学的証明(Medical Certification of Death)を作り、葬儀社が登録する | 葬儀社、人口動態統計局(Vital Statistics Agency)、Service BCで申し込む。1通C$27(郵送)、C$60(宅配便)。誰でも申し込める |
| アルバータ州 | 亡くなった人を知る人(配偶者や親など)が死亡登録の書式を作り、通常は葬儀社が提出する。死亡から1年以内の登録は無料 | 登録代行所で申し込む。死亡証明書、死亡登録の写し、死亡の医学的証明の写しがあり、州の手数料は1通C$20と代行所の手数料 |
| オンタリオ州 | 医師などが死亡の医学的証明(Medical Certificate of Death)、家族などと葬儀社が死亡の届(Statement of Death)を作り、市町村を通して登録される。登録に最大16週間かかることがある | 死亡証明書はC$15(オンライン・通常)。死因の記載のある認証謄本は近親者などに限られ、郵送か窓口で申し込む |
| ケベック州 | 医師などが死亡の証明(Attestation of Death)を作り、申告する人と葬儀社が死亡の申告(Declaration of Death)を作って、民事身分登録官(Directeur de l’état civil)に送る | 民事身分登録官が発行。オンライン・通常処理で証明書C$38.50、記録の写しC$46.75 |
手順
- 住んでいる州・準州を管轄する公館を確かめます。
- 公館のページで、届出用紙、記入例、練習用の書式を入手します。郵送で用紙を取り寄せることもできます。
- 裁判書類や死亡診断書などをそろえ、和訳文を作ります。
- 期限(カナダの裁判離婚は判決確定から3か月以内、在バンクーバー総領事館の管轄は10日以内。死亡は3か月以内)までに、窓口に出すか郵送します。
在バンクーバー総領事館で郵送の届出をするときは、事前に練習用の書式とすべての書類の写しをメールで送り、確認を受けるよう求めています。窓口はオンライン予約制です。
費用
戸籍の届出の手数料は、届け出る公館に確かめます。在バンクーバー総領事館の領事手数料のページ(新しいタブで開く)も、旅券・証明・査証の手数料を並べており、離婚届・死亡届の手数料は載っていません。
離婚や死亡のあとに、日本の制度の手続きで証明書が必要になることがあります。同じページによると、2026年4月1日以降に受け付けた申請の手数料は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 証明 | 手数料 |
|---|---|
| 出生・婚姻・死亡等身分事項証明 | C$11 |
| 在留証明 | C$11 |
| 署名証明(官公署関係) | C$42 |
| 署名証明(その他) | C$16 |
| 翻訳証明 | C$41 |
領事手数料は、円で決められた額を年度ごとの換算率でカナダドルに換えたものです。窓口で払うときはカナダドルの現金のみで、セント単位の小銭は受け付けていません。ほかの公館の手数料は、それぞれの公館のページで確かめます。
郵送で用紙を取り寄せるときは返信用の切手が必要で、在バンクーバー総領事館は2025年1月13日時点の目安として、1セットでC$2.61、2セットでC$4.29と案内しています(料金は変わることがあります)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本では離婚届を出すことで協議離婚が成立しますが、カナダの裁判所で離婚した場合は、離婚はカナダ側ですでに成立しています。日本への届出は、成立した離婚を戸籍に載せるための報告です。期限は判決確定から3か月以内(在バンクーバー総領事館の管轄は10日以内)なので、判決が出たら早めに準備します。
- 日本国内での死亡届の期限は死亡を知った日から7日以内ですが、国外で亡くなったときは3か月以内です(戸籍法第86条)。
- 離婚後の親権、財産分与、養育費などは、カナダでは州の法律と裁判所が扱います。判断が必要なときは、州の弁護士(ケベック州では公証人も)に相談してください。
- 子どもを連れて国境を越える問題については、在バンクーバー総領事館が「子の親権をめぐる問題について」という案内を出しています。
- 事故などで家族が亡くなったときの公館の支援は「事件・事故・災害のときの大使館・総領事館の支援」、結婚の届出は「婚姻届」で扱っています。
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