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出生届と国籍留保(カナダで子どもが生まれたとき)

在住駐在
ひとことで言うと

日本人の親の子がカナダで生まれたときは、生まれた日を含めて3か月以内に、日本の大使館・総領事館へ「国籍留保」の届出と一緒に出生届を出します。期限を過ぎると、子は生まれた時にさかのぼって日本の国籍を失います。カナダで生まれた子はカナダ国籍も取得します。

目次
  1. か月以内に届け出る
  2. 国籍留保とは
  3. 必要な書類
  4. 公館ごとの違い
  5. カナダ側の出生登録と出生証明書
  6. 手順
  7. 費用
  8. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

3か月以内に届け出る

日本人の親の子がカナダで生まれたときは、日本の戸籍に載せるため、出生届を出します。

戸籍法第49条(新しいタブで開く)は、出生の届出は14日以内、国外で生まれたときは3か月以内にしなければならないと定めています。カナダで生まれた子の届出先は、住んでいる州・準州を管轄する日本の大使館・総領事館です(「州ごとの管轄の公館」)。

期限は、生まれた日を含めて数えます。在バンクーバー総領事館は、4月10日に生まれた子の届出期限は7月9日という例を挙げています。

国籍留保とは

国籍法第2条(新しいタブで開く)により、生まれた時に父か母が日本国民であれば、子は日本国民になります。

一方、在バンクーバー総領事館は、カナダで生まれた子はカナダ国籍を取得すると案内しています。このように外国で生まれ、生まれたことで外国の国籍も取得した子について、国籍法第12条は、戸籍法の定めにより日本の国籍を「留保する」意思を示さなければ、生まれた時にさかのぼって日本の国籍を失うと定めています。

この意思表示が「国籍留保」の届出です。戸籍法第104条により、次のように決まっています。

  • 出生届を出せる人が、生まれた日から3か月以内に届け出る。
  • 国籍留保の届出は、出生届と一緒にする。
  • 天災など、届け出る人の責任ではない理由で期限内に出せなかったときは、届け出ができるようになった時から14日以内。

在バンクーバー総領事館は、期限を過ぎると日本側では出生届を受理できなくなると強く注意を呼びかけています。

必要な書類

在バンクーバー総領事館の出生届のページ(新しいタブで開く)では、次の書類を挙げています(2026年10月時点)。

  1. 出生証明書 2通(原本1通と写し1通)。外国の役所が発行したもの、または医師・助産師が作ったもの。出生時刻が書かれていない場合は、時刻がわかる書類があれば出す。
  2. 出生証明書の和訳文 2通(総領事館が書式を用意しています)
  3. 出生届 2通
  4. 届け出る日本人の親のパスポートと、カナダの滞在許可証(永住者はPRカード)を見せる
  5. 日本人の親の戸籍謄本(抄本)のコピー(持っていれば。記載内容の確認のため)

あわせて、総領事館の「出生届についてのアンケート」も記入して出します。

公館ごとの違い

ほかの公館も、出生届2通とカナダ側の出生の証明、日本人の親のパスポートと滞在資格の書類を求める点は同じです。主な違いは、どの出生の証明を受け付けるかです(2026年10月時点)。

公館(管轄)受け付ける出生の証明ほかの主な違い
在カナダ日本国大使館(オタワ市)州が発行した出生登録の証明(親の名前があるもの)か、医師が作った出生証明書(用紙を事前に窓口で受け取り、医師に記入を頼む)。和訳文は本人の翻訳でよい—
在トロント総領事館(オンタリオ州。オタワ市を除く)総領事館の用紙に医師が署名した出生証明書(原本1通・コピー1通)。出生の時分、病院名を含む出生の場所、母の氏名などが必要オンタリオ州の出生証明書(Ontario Birth Certificate)は出生の時分がないため受け付けない。英語の部分に修正液や訂正があると受け付けない。出生届はA4かレターサイズで印刷できる
在モントリオール総領事館(ケベック州と大西洋側の4州)州が発行した出生証明書(両親の氏名があるもの)と和訳文を各2通(うち1通はコピーでよい)和訳文の用紙は州ごとに用意されている。質問票も出す。戸籍の届出は事前予約制
在カルガリー総領事館(アルバータ州など中部・北部)医師が作った出生証明書(医師に記入を頼む)2通(原本1通・写し1通)と和訳文2部出生届はA3の用紙で出す(A4・レター・リーガルや、2枚をつないだものは不可)。郵送のときは、出生証明書の原本のかわりに公証人(Notary Public)の認証コピーでもよい

公館ごとの注意点です。

  • 在トロント総領事館(新しいタブで開く)は、外国の方式で結婚して日本に婚姻届を出していない場合は、出生届と同時に婚姻届も出すよう求めています。また、結婚していない日本人の父と外国人の母の子は、生まれる前に胎児認知をしていないと出生届を受理できず、国籍留保もできないと注意しています。
  • 在モントリオール総領事館(新しいタブで開く)は、州に出生を登録するときに、父母の名前を必ずフルネームで書くよう注意しています。名前の一部しか書かないと、出生証明書に正しい名前が載らないためです。
  • 在カルガリー総領事館(新しいタブで開く)は、届け出る前に、すべての書類の写しを領事班にメールで送り、確認を受けるよう求めています。窓口で出すときは来館予約が必要です。

必要書類や様式は変わることがあるので、届け出る前に管轄の公館のページで確かめます。

カナダ側の出生登録と出生証明書

日本への出生届の前に、生まれた州で出生を登録し、出生証明書を取ります。登録の期限や手続きは「出生届と出生証明書」にまとめています。ここでは、日本への届出に関係する出生証明書の種類と手数料をまとめます(2026年10月時点)。

州出生証明書の種類と手数料
BC親の情報入り(Parental information、親の名前と出生地を含む)と本人の情報だけのものがある。1通C$27(郵送)、C$60(宅配便)
アルバータ州出生登録のときに申し込むと1通C$40。あとから登録代行所(Registry agent)で申し込むと、州の手数料1通C$20と代行所の手数料。本人の情報だけのもの、親の情報入りのもの、出生登録の写しがある
オンタリオ州出生証明書と親の情報入りの出生証明書はC$25(オンライン・通常)、出生登録の認証謄本(Certified Copy of Birth Registration)はC$35(同)
ケベック州民事身分登録官(Directeur de l’état civil)が発行。出生証明書(certificate)はオンライン・通常処理でC$38.50、出生の記録の写し(copy of act)はC$46.75

在モントリオール総領事館や大使館のように、州の出生証明書に親の名前が載っていることを求める公館があります。BC・アルバータ州・オンタリオ州では、親の情報入りの出生証明書を選べます。

手順

  1. 子が生まれたら、州で出生を登録し、管轄の公館が受け付ける出生の証明を用意します(トロントとカルガリーは医師が作る出生証明書)。
  2. 管轄の公館のページで、出生届の用紙、記入例、和訳文の書式を入手します。名前に使える漢字は、公館が載せている人名漢字表で確かめます。
  3. 記入例を見ながら、国籍留保の届出を含めて出生届に記入します。
  4. 生まれた日を含めて3か月以内に、公館の窓口に出すか、郵送します。

在バンクーバー総領事館では郵送でも出せますが、期限が近いときは郵送を避け、直接持って行くよう案内しています。郵送の前に、練習用の出生届と書類の写しをメールで送って確認を受けるよう求めています。

費用

出生届の手数料は、届け出る公館に確かめます。郵送で届け出る場合は、カナダの郵便料金がかかります。子の日本のパスポートを申請する場合の手数料は「パスポートの更新と紛失」で扱います(2026年10月時点の額)。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • 日本国内で生まれた場合の届出期限は14日以内ですが、国外で生まれた場合は3か月以内です。ただしカナダで生まれた子の場合は、期限内に国籍留保の届出をしないと日本の国籍を失うため、期限の重みが日本国内とは違います。
  • 国籍留保をしなかったために日本の国籍を失った子でも、18歳未満で日本に住所があれば、法務大臣に届け出て日本の国籍を取得できます(国籍法第17条)。カナダに住んだままではこの届出はできません。
  • 日本とカナダの両方の国籍を持つ人は、国籍法第14条により、一定の年齢までにどちらかの国籍を選ぶ必要があります(法務省のページ(新しいタブで開く)によると、18歳になるまでに重国籍になった場合は20歳になるまで、18歳になった後に重国籍になった場合はそのときから2年以内)。詳しくは「国籍の選択と二重国籍」で扱います。
  • 子の日本のパスポートを申請するときは、カナダ生まれの子は滞在資格の書類としてカナダの出生証明書(Birth Certificate)を使うと、大使館が案内しています。
  • 在バンクーバー総領事館は、郵送で届け出るときに、父母の婚姻後の戸籍謄(抄)本も送るよう求めています。婚姻届については「婚姻届」で扱います。

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日本との関係国籍の選択と二重国籍(国籍選択届・国籍喪失届)日本とカナダの両方の国籍を持つ人は、日本の国籍法により、重国籍になったのが18歳未満なら20歳までに、18歳以上なら2年以内に、どちらかの国籍を選びます。自分の意思でカナダ国籍を取った人は日本国籍を失い、国籍喪失届を出す義務があります。届出はカナダにある日本の大使館・総領事館でできます。日本との関係パスポート(旅券)の更新と紛失(カナダでの申請)カナダに住む日本人は、管轄の大使館・総領事館でパスポートの切替(更新)や再発行を申請できます。残りの有効期間が1年未満になれば切替でき、在留届を出していればオンライン申請もできます。受け取りまで1か月前後かかり、手数料は2026年7月1日の申請分から下がりました。日本との関係州ごとの管轄の公館(日本の大使館・総領事館の領事管轄)カナダでパスポートや戸籍の届出、在留届などの領事の手続きをするときは、住んでいる州・準州を受け持つ日本の大使館か総領事館が窓口です。オタワ市は大使館、オンタリオ州のほかの地域はトロント、ケベック州と大西洋側の4州はモントリオール、BCとユーコン準州はバンクーバー、それ以外の中部・北部はカルガリーです。日本との関係戸籍謄本の取り寄せ(カナダから日本の戸籍証明書を取る)日本の大使館・総領事館では戸籍謄本を取れません。カナダから取るときは、本籍地の市区町村役場に郵便で請求するか、日本にいる家族や代理人に頼みます。在外公館での証明の申請では、戸籍謄本の代わりに「電子戸籍パス」も使えます。日本との関係婚姻届(カナダで結婚したときの日本への届出)日本人がカナダの方式で結婚したときは、結婚が成立してから3か月以内に、管轄の日本の大使館・総領事館へ婚姻届を出します。州が発行する婚姻証明書とその和訳文などが必要です。外国人と結婚して相手の姓に変えたいときは、結婚から6か月以内なら家庭裁判所の許可なしで届け出られます。日本との関係在留証明・署名証明(日本の大使館・総領事館で出す証明)カナダに住む日本人が日本の手続きで住所や署名を証明するときは、管轄の日本の大使館・総領事館で「在留証明」や「署名証明」を申請します。署名証明は印鑑証明の代わりで、本人が公館に出向き、領事の前で署名します。在バンクーバー総領事館の手数料は在留証明C$11などです(2026年10月時点)。