日本人のためのカナダ情報
生活 / ペット

動物病院の探し方とペット保険(Veterinarians and pet insurance)

ひとことで言うと

カナダの獣医師は、州ごとの獣医師会(College など)に登録して働きます。獣医師会は公的な登録機関で、登録の状況を調べられる検索や、苦情の窓口があります。動物の医療には州の医療保険のような公的な制度はなく、費用は飼い主の負担です。ペット保険は民間の商品です。

目次
  1. 獣医師は州の獣医師会に登録している
  2. 州・準州ごとの違い
  3. 獣医師会に相談できること・できないこと
  4. 費用とペット保険
  5. 手順
  6. 日本との違い・注意点

獣医師は州の獣医師会に登録している

カナダで動物の診療をする獣医師は、州ごとの獣医師会に登録しています。獣医師会は、法律にもとづいて獣医師の登録、基準づくり、苦情の調査をする公的な機関です。動物病院の業界団体や紹介サービスとは役割が違います。

獣医師会のウェブサイトでは、獣医師の名前や病院から、登録が有効か、連絡先、経歴などを調べられます。

この記事では、病院の選び方の手がかりとして獣医師会を紹介します。特定の病院は紹介しません。

州・準州ごとの違い

ビバまる

州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。

日本人の多い4州の獣医師会です(2026年10月時点)。

州獣医師会調べられること
BCCollege of Veterinarians of British Columbia(CVBC)獣医師の検索、病院(施設)の検索
オンタリオ州College of Veterinarians of Ontario(CVO)獣医師の検索(Find a Veterinarian)。免許の状況、連絡先、学歴、勤務の経歴
ケベック州ケベック州獣医師会(Ordre des médecins vétérinaires du Québec、OMVQ)会員の名簿(répertoire)で獣医師の連絡先
アルバータ州Alberta Veterinary Medical Association(ABVMA)獣医師の名簿、病院の名簿

ほかの州・準州にも、それぞれの獣医師の登録機関があります。

BC

CVBC(新しいタブで開く)は、獣医師の登録、診療施設の認定、苦情の調査を行います。獣医師の検索と、病院・施設の検索があります。

オンタリオ州

CVO(新しいタブで開く)は、公共の利益のために獣医療を規制する機関です。「Find a Veterinarian」で、獣医師の免許の状況、連絡先、学歴、勤務の経歴を調べられます。

ケベック州

OMVQ(新しいタブで開く)は、獣医師の仕事を監督して市民を守ることを役目としています。会員の名簿で獣医師の連絡先を調べられます。サイトは主にフランス語です。

獣医師会に相談できること・できないこと

獣医師の対応に問題があったと思うときは、獣医師会に苦情(complaint)を出せます。

  • BC:CVBCの苦情の手続きのページ(新しいタブで開く)によると、名前と連絡先、動物の名前、獣医師と病院の名前、出来事の詳しい経過(日付を含む)、手元にある診療記録を送ります。CVBCは、獣医師に返金や支払いを命じること、治療費を払わせること、医療の助言、別の獣医師の紹介はできません。
  • オンタリオ州:CVOの苦情の手続きのページ(新しいタブで開く)によると、苦情は書面で、オンラインで出します。CVOは、法律の助言や医療の助言はしません。
  • ケベック州:OMVQの報酬と賠償のページ(新しいタブで開く)によると、請求された料金に納得できないときは、請求書を受け取ってから45日以内に、OMVQの調査担当(syndic)に話し合い(conciliation)を申し込めます。その結果を受け取ってから30日以内に、仲裁(arbitrage)を求めることもできます。仲裁の判断は最終的なものです。損害の賠償は扱わず、獣医師の勤め先に直接求めます。合わなければ少額裁判(C$15,000まで)で争うことになります(2026年10月時点)。

費用とペット保険

カナダの州の医療保険は人のための制度で、動物の診療は対象ではありません。診察、ワクチン、手術、薬の費用は、飼い主が病院に払います。料金は病院ごとに決まっているので、受診の前に見積もり(estimate)を聞いておくと安心です。

ペット保険(Pet insurance)は、民間の保険会社などが売る商品です。補償の範囲、加入できる年齢、すでにある病気(pre-existing conditions)の扱い、待機期間、自己負担額は商品ごとに違います。入る前に、約款(policy wording)でこれらを確かめます。

手順

  1. 住む地域の動物病院を探し、州の獣医師会のサイトで獣医師や病院の登録を確かめる。
  2. 夜間や休日の救急に対応しているか、対応していない場合はどこを案内しているかを聞いておく。
  3. 日本から連れてきた動物は、ワクチンの記録や健康の書類を持って最初の受診をする。
  4. 診療の前に、見積もりと支払い方法を確かめる。
  5. 問題があれば、まず病院と話す。解決しなければ州の獣医師会に相談する。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • カナダの獣医師の登録と苦情の窓口は州ごとです。引っ越すと、別の州の獣医師会が窓口になります。
  • 獣医師会は、多くの場合、返金や賠償を命じることはできません。お金のトラブルは、話し合いや少額裁判で解決することになります。ケベック州には料金の話し合いと仲裁の仕組みがあります。
  • 犬の登録(dog licence)は市の制度です。「犬の登録と市のルール」で扱います。日本からの連れてき方は「日本からペットを連れてくる」、日本へ連れて帰るときは「ペットを日本に連れて帰る」で扱います。
  • 治療方針や保険の選び方は、獣医師や保険会社に相談します。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

生活犬の登録(Dog licence)と市のルールカナダの多くの市では、犬を飼うと市の登録(Dog licence)が必要で、毎年更新します。バンクーバーとカルガリーでは生後3か月以上の犬が対象で、トロントでは犬と猫の両方に登録が必要です。料金は市ごとに違い、トロントとカルガリーでは不妊・去勢手術をしているかで変わります。生活日本からペットを連れてくる(カナダ食品検査庁、CFIA)日本から犬や猫をカナダへ連れてくるときは、カナダ食品検査庁(CFIA)の輸入条件を満たす必要があります。CFIA は日本を狂犬病のない国として認めており、日本から来る犬・猫は、狂犬病の予防接種の証明書か、日本に住んでいたことを示す獣医師の証明書などで入国できます。将来日本へ連れて帰るときは、日本の動物検疫所の条件が別にあるため、カナダにいる間からの準備が必要です。生活ペット可の賃貸(Pets in rental housing)カナダでペットを飼える賃貸かどうかは、州の賃貸の法律と契約で決まります。BCでは大家がペットの種類・大きさ・数を制限でき、禁止の条項に反すると退去につながることがあります。オンタリオ州では、標準賃貸契約にペットを禁止する条項を書いても無効ですが、コンドミニアムの規則には従います。ケベック州では大家が動物を断ることができ、アルバータ州ではペットのルールを契約に書きます。生活ペットを日本に連れて帰る(動物検疫所の輸入手続き)カナダは日本の狂犬病の「指定地域」ではないため、犬・猫を日本へ連れて帰るには、マイクロチップ、2回以上の狂犬病の予防注射、抗体価検査、採血日から180日間以上の待機、40日前までの届出が必要です。出国前にはカナダ食品検査庁(CFIA)の獣医官による証明書の裏書きも要ります。帰国の半年以上前から準備を始めます。生活消費者保護の相談先(Consumer protection offices by province)カナダでは消費者を守る法律と相談の窓口が州ごとに分かれています。BCはConsumer Protection BC、オンタリオ州はConsumer Protection Ontario、ケベック州は消費者保護局(OPC)、アルバータ州はService Albertaの窓口が主な相談先です。どの州でも、まず店や会社と直接話し、記録を残すことが出発点です。