ペット可の賃貸(Pets in rental housing)
カナダでペットを飼える賃貸かどうかは、州の賃貸の法律と契約で決まります。BCでは大家がペットの種類・大きさ・数を制限でき、禁止の条項に反すると退去につながることがあります。オンタリオ州では、標準賃貸契約にペットを禁止する条項を書いても無効ですが、コンドミニアムの規則には従います。ケベック州では大家が動物を断ることができ、アルバータ州ではペットのルールを契約に書きます。
ペットのルールは州の法律と契約で決まる
カナダで部屋を借りてペットを飼えるかどうかは、住む州の賃貸の法律と、賃貸契約(lease、tenancy agreement)の内容で決まります。州によって、大家がペットを禁止できるかどうかが違います。
ペットを飼っている人や飼う予定の人は、部屋を探す段階で「Pets allowed」「Pet friendly」などの条件を確かめ、契約書のペットの条項を読みます。部屋の探し方は「賃貸物件の探し方」、契約書の読み方は「賃貸契約の読み方」で扱います。
州・準州ごとの違い
州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。
BC・アルバータ州・オンタリオ州・ケベック州の例です(2026年10月時点)。
| 州 | 大家がペットを制限できるか | ペットの敷金 |
|---|---|---|
| BC | できる。種類、大きさ、数を制限でき、契約で禁止することもある | 家賃の半月分まで |
| アルバータ州 | 契約にペットのルールを書く | 敷金は全体で家賃1か月分まで |
| オンタリオ州 | 標準賃貸契約でペットを禁止する条項は無効。ただしコンドミニアムの規則には従う | 「敷金とペット敷金」の記事で扱う |
| ケベック州 | できる。動物を禁止する契約に反すると、契約の解除につながる | 敷金などは求められない |
ほかの州・準州は各州の窓口へ。
BC
BC州政府の賃貸契約のページ(新しいタブで開く)によると、大家は、ペットの大きさ、種類、部屋で飼える数を制限できます。
州のペットのページ(新しいタブで開く)による主な点です。
- 入居したあとでペットを飼い始めるときは、大家の許可を得て、変更を書面に残す(別の合意書か、手書きのメモに双方がイニシャルを書く)。
- 大家の許可を得て初めてペットを飼うときは、入居中でもペットの敷金(pet damage deposit)を求められることがある。
- 契約でペットが禁止されているのに飼うと、退去につながることがある。ペットの条項が契約の重要な条件(material term)なら、大家は契約を終わらせる権利がある。
- 認定された盲導犬や介助犬(guide and service dogs)はペットとして扱われず、賃貸の部屋に住める。ペットの敷金も求められない。
アルバータ州
アルバータ州の賃貸を始めるときのページ(新しいタブで開く)は、書面の賃貸契約に入れる内容の例として、追加の料金や客のルールとともに、ペットのルールをあげています。ペットを飼えるかどうかは、契約で確かめます。
同じページと住宅賃貸法(Residential Tenancies Act(新しいタブで開く))第43条によると、敷金(Security deposit)は入居時の家賃1か月分までで、入居中に増やすことはできません。
オンタリオ州
オンタリオ州の多くの賃貸では、州の標準賃貸契約(Standard lease)を使います。州の標準賃貸契約の手引き(新しいタブで開く)は、ペットを認めないという追加の条項を、無効で守らせることのできない条項の例としてあげています。州の借り主の権利のページ(新しいタブで開く)も、大家は客やペットを禁止できないとしています。
これは住宅賃貸法(Residential Tenancies Act, 2006)(新しいタブで開く)第14条の、賃貸契約で建物の中や周りに動物がいることを禁じる条項は無効、という決まりによるものです。
ただし、コンドミニアム(分譲マンション)の部屋を借りるときは、大家は借り主に建物の規則を守るよう求めることができます。建物の規則で、特定のペットが禁止されていることがあります。
ペットを理由に退去を求められる場合
ペットを飼うこと自体は契約で禁止できませんが、ペットが原因で問題が起きれば、退去を求められることがあります。
住宅賃貸法第64条では、借り主や同居人などの行いが、大家やほかの借り主の暮らしを大きく妨げる(substantially interferes)とき、大家は契約を終わらせる通知を出せます。通知には、20日目以降の退去の日と理由を書き、7日以内にその行いをやめるか直すよう求めます。
ペットを理由にしたこの申し立てについて、第76条は、大家・借り主委員会(Landlord and Tenant Board、LTB)が退去を命じられるのは、借り主が動物を飼っていて、次のどれかに当たると認めた場合だけだと定めています。
- その種類の動物の過去の行いが、大家やほかの借り主の暮らしを大きく妨げた(借り主の動物が原因でないと認められれば除く)
- その種類の動物がいることで、大家やほかの借り主が深刻なアレルギー反応を起こした(借り主の動物が原因でないと認められれば除く)
- その種類や犬種の動物がいること自体が、大家やほかの借り主の安全にとって本質的に危険である
LTBの手続きは「オンタリオ州の大家・借家人委員会(LTB)」で扱います。
ケベック州
ケベック州の住宅行政審判所(Tribunal administratif du logement、TAL)の障害のある借り主向けのページ(新しいタブで開く)によると、法律上、大家は住まいに動物がいることを断れます。動物を禁止すると書かれた契約に署名した借り主は、その条項に従わなければならず、従わないと契約の解除(resiliation)につながります。
ただし、盲導犬のように障害を補うために動物が必要な人は、TALに申し立てて許可を得ます。許可を得た場合も、ほかの借り主の平穏な暮らしを妨げないようにします。
TALの家賃の支払いのページ(新しいタブで開く)によると、大家は、最初の1か月分の家賃のほかに、敷金や鍵の預かり金などを求められません。そのような条項は無効です。
費用
BCでは、敷金とは別に、ペットの敷金を家賃の半月分まで求められることがあります(2026年10月時点)。盲導犬や介助犬には求められません。
オンタリオ州などほかの州の扱いと、敷金の上限や返し方は「敷金とペット敷金」にまとめています。
手順
- 部屋を探すときに、ペットを飼えるか、種類・大きさ・数の制限があるかを確かめる。
- コンドミニアムなら、建物の規則でペットが制限されていないかを確かめる。
- 契約書のペットの条項を読み、許可された内容を書面に残す。
- 入居時の部屋の点検に立ち会い、写真を撮っておく。BC州政府は、ペットを飼い始める前にも点検しておくよう案内しています(「入居時と退去時の点検」)。
- 入居後にペットを飼うときは、先に大家に相談し、許可を書面でもらう。
ここに注意してね!
- オンタリオ州では、賃貸契約でペットを禁止する条項は無効です(住宅賃貸法第14条)。ただしコンドミニアムの規則は別です。また、騒音や危険、アレルギーなどの問題を起こすと、退去を求められることがあります。
- BCでは大家がペットを制限でき、契約に反すると退去につながることがあります。州によって扱いが大きく違うため、引っ越し先の州のルールを確かめます。
- 盲導犬や介助犬は、BCではペットとして扱われません。ケベック州では、障害を補う動物を飼うためにTALの許可を得ます。
- ケベック州では大家が動物を断ることができ、契約で禁止されているのに飼うと、契約の解除につながることがあります。
- 犬を飼うときは、市の登録(dog licence)が必要なことがあります。「犬の登録と市のルール」で扱います。動物病院は「動物病院の探し方とペット保険」で扱います。
- 自分の契約の条項が有効かどうかは、州の賃貸の窓口や弁護士に相談します。
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