ペットを日本に連れて帰る(動物検疫所の輸入手続き)
カナダは日本の狂犬病の「指定地域」ではないため、犬・猫を日本へ連れて帰るには、マイクロチップ、2回以上の狂犬病の予防注射、抗体価検査、採血日から180日間以上の待機、40日前までの届出が必要です。出国前にはカナダ食品検査庁(CFIA)の獣医官による証明書の裏書きも要ります。帰国の半年以上前から準備を始めます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
カナダから連れて帰るときの基本
日本へ犬・猫を入れるときの条件は、農林水産省の動物検疫所(新しいタブで開く)が決めています。条件は、出発する国・地域が狂犬病の「指定地域」かどうかで大きく変わります。
カナダは指定地域に入っていません。そのため、カナダから連れて帰る犬・猫は「指定地域以外」の手続きになります。日本からカナダへ来たときの手続き(「日本からペットを連れてくる」)よりも、準備がずっと長くかかります。
動物検疫所は、犬・猫を連れてくる人に、その動物に検疫を受けさせる責任があるとしています。条件を満たさないと、日本到着後に長い係留(動物検疫所の施設で預かって検査すること)になります。
必要な準備
指定地域以外からの手続き(新しいタブで開く)では、次の順に準備します。順番を間違えるとやり直しになる項目があります。
- マイクロチップ:1回目の狂犬病の予防注射より前に埋め込みます。ISO 11784・11785 の規格に合うものが必要です。
- 狂犬病の予防注射(2回以上):1回目は生後91日以降、かつマイクロチップを入れたあと。2回目は1回目から30日以上あけます。認められるのは不活化ワクチンか組換え型ワクチンで、生ワクチンと RNA ワクチンは認められません。
- 抗体価検査:2回目の注射のあと(同じ日でもよい)に採血し、動物検疫所が指定した検査施設で検査します。基準は 0.5 IU/ml 以上で、有効期間は採血日から2年間です。
- 180日間以上の待機:採血日を0日目として、日本到着まで180日間以上待ちます。注射の免疫の有効期間と、抗体価検査の有効期間の中に日本へ着く必要があります。
- 事前の届出:日本に着く日の40日前までに、到着する空港・港を管轄する動物検疫所に届け出ます。動物検疫所は、輸出入の手続きのシステム(NACCS)での届出を勧めています。
- 出国前の検査:出国前10日以内に、獣医師による臨床検査を受けます。犬は狂犬病とレプトスピラ症、猫は狂犬病が対象です。
- 輸出国政府機関の証明書:マイクロチップの番号、予防注射、抗体価検査、臨床検査の結果などが書かれた、輸出国の政府機関の証明書を取ります。動物検疫所は様式「Form AC」を勧めています。
- 日本到着後の輸入検査:到着したら動物検疫所で輸入検査を受けます。
カナダ側の手続き(CFIA の裏書き)
カナダで7の証明書を用意するときは、CFIA のペットの輸出のページ(新しいタブで開く)によると、次の2段階になります。
- 免許を持つ獣医師が証明書を作る
- CFIA の獣医官が証明書に裏書き(endorsement)をする
裏書きは、動物がカナダを出る前に受ける必要があり、出国後には受け付けません。裏書きには予約が必要で、CFIA はできるだけ早く予約するよう呼びかけています。
CFIA の予約のページ(新しいタブで開く)によると、裏書きの手数料は次のように扱われます(2026年10月時点)。
- 予約なしの来所は受け付けず、地域の CFIA の事務所に前もって予約します。
- 手数料の額は、予約のあとに CFIA の職員が計算します。
- 支払いはオンラインで、予約の3日前までに済ませます。クレジットカードかプリペイドのクレジットカードが必要で、デビットカードは使えません。
- 予約が決まったあとは、手数料は返金されません。予約を取り消しても返金はありません。
CFIA の手数料告示(CFIA Fees Notice)(新しいタブで開く)の動物衛生(Health of Animals)の表では、ほかの項目に挙がっていない動物の輸出について、2026年3月31日からの手数料を次のように定めています(2026年10月時点)。犬・猫の名前で決めた項目はないため、実際にかかる額は予約のあとに CFIA が示す額で確かめます。
| 項目 | 手数料 |
|---|---|
| 輸出のための検査(場所ごと) | C$36.95 |
| 輸出の証明(証明書1通ごと) | C$24.64 |
CFIA の日本向けのページ(新しいタブで開く)は、日本が認めるのは不活化ワクチンか組換え型ワクチンで、RNA 粒子のワクチンは認められないとしています。予防注射を受ける前に、使うワクチンが日本の条件に合うかを獣医師と確かめます。
抗体価検査の施設
抗体価検査は、動物検疫所の指定検査施設の一覧(新しいタブで開く)にある施設で行う必要があります。2026年10月時点の一覧には、カナダ国内の施設は載っていません。カナダで採血した血液を、どの指定施設へどう送るかは、かかりつけの動物病院と相談します。
手順
- 帰国の時期が決まったらすぐ(注射の間隔30日以上と待機180日間以上があるため、少なくとも7か月以上前)、動物病院で日本の条件を伝え、計画を立てる。
- マイクロチップの規格と、これまでの予防注射の記録を確かめる。
- 予防注射(2回以上)を受け、採血して指定検査施設へ検査を出す。
- 採血日から180日間以上たつ日以降に、帰国の便を決める。航空会社のペットの輸送の条件も確かめる。
- 到着の40日前までに、到着する空港・港の動物検疫所へ届け出る。
- 出国前10日以内に臨床検査を受け、獣医師に証明書を作ってもらう。
- CFIA の予約を取り、出国前に証明書の裏書きを受ける。
- 日本到着後、動物検疫所で輸入検査を受ける。
条件を満たしていないとき
条件を満たしていない場合、動物検疫所での係留検査は最長180日間になります。動物検疫所は、係留検査中の飼養管理はすべて輸入者の責任と負担で行うとしています。動物検疫所の Q&A(新しいタブで開く)によると、動物検疫所が行う検査そのものの費用はかかりません。一方、係留施設までの輸送費、係留中の飼養管理費、係留施設の水道・電気代、開業獣医師の往診費、狂犬病の抗体価検査の費用は輸入者の負担です。飼養管理費の金額は、飼養管理の会社に問い合わせて確かめます。世話を業者に任せる場合も、契約は輸入者自身が結びます。係留中は、輸出国へ送り返す場合を除き、犬・猫を施設から連れ出せません。
採血日から180日間たたずに日本に着いた場合は、180日に足りない日数の間、動物検疫所で係留検査を受けます。
帰国後の手続き
動物検疫所の指定地域以外からの手続きのページ(新しいタブで開く)は、輸入後の手続きとして次を挙げています。
- 日本で犬の登録が済んでいない場合は、輸入後30日以内に、輸入検疫証明書を犬を飼う場所の市町村の窓口へ持っていき、登録します。
- 犬は、狂犬病予防法により、毎年1回の狂犬病の予防注射が義務です。
- 輸入検疫証明書は再交付されません。また海外へ連れて行く予定があれば、そのときに必要になるので保管しておきます。
厚生労働省の狂犬病に関するQ&A(新しいタブで開く)も、生後91日以上の犬の飼い主は、犬を飼い始めてから30日以内に市町村に登録し、鑑札を受けるとしています。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダへ来るときは、CFIA が日本を狂犬病のない国として扱うため、比較的少ない書類で入国できます。日本へ戻るときはカナダが指定地域ではないため、180日間以上の待機を含む手続きが必要です。行きと帰りで条件が大きく違います。
- 日本からカナダへ連れてきた犬・猫でも、日本の手続きは免除されません。カナダにいる間に予防注射や検査の記録をそろえておくと、帰国の準備が進めやすくなります。
- 認められるワクチンの種類が決まっています。カナダの動物病院でふだん使うワクチンが日本の条件に合うとは限りません。
- 条件は変わることがあります。準備を始める前と出発の前に、動物検疫所と CFIA の最新の案内を確かめ、判断に迷うときは動物検疫所に問い合わせます。
- 本帰国のほかの手続きは「本帰国の手続き」と「カナダを離れるときの手続き」で扱います。
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