日本人のためのカナダ情報
生活 / 冬の暮らし

雪かきと歩道の除雪の義務(Snow removal)

ひとことで言うと

カナダでは、歩道の除雪のルールを市が決めています。バンクーバー市・トロント市・カルガリー市では、住宅や店の前の歩道の雪かきを、その建物の所有者や住人に義務づけています。期限や罰金は市ごとに違い、バンクーバー市は毎日10時まで、カルガリー市は雪がやんでから24時間以内です。トロント市は積雪が少ないときだけ住民が除雪し、モントリオール市は敷地の雪を道路や歩道に出すことを原則として禁じています。

目次
  1. 歩道の雪かきはだれの仕事か
  2. 主な市のルール
  3. 手順
  4. 日本との違い・注意点

歩道の雪かきはだれの仕事か

カナダでは、歩道の除雪のルールを市が条例(bylaw)で決めています。この記事で扱う市のうち3市では、住宅や店に面した歩道の雪と氷を取り除くのは、その建物の所有者や住人の義務です。期限、範囲、罰金は市ごとに違います。

主な市のルール

市住民・事業者の義務罰金など(2026年10月時点)
バンクーバー市所有者と住人が、建物の前(角地は横も)の歩道の全幅の雪と氷を、歩道に雪があるときや氷点下のときは毎日10時までに取り除く雪が降った翌日の10時までに除雪しないと C$250、24時間を超えて残ると C$750 の罰金になることがある
トロント市積雪が少ないとき(市の案内ではおおむね2cmより少ないとき)は、住民と事業者が、雪がやんでから12時間以内に面した歩道を除雪する。それより多いときは市が公共の歩道を除雪する。私有地の車道・駐車スペース・階段・スロープは、雪がやんでから24時間以内に所有者が除雪する敷地の雪を歩道・道路・自転車レーンへ押し出すと、C$500 の罰金と C$110 の被害者課徴金
カルガリー市所有者が、敷地に面した公共の歩道の雪と氷を、雪がやんでから24時間以内に路面が見えるまで取り除く。面した公共の通路(pathway)は幅1.5m以上住人に1回目 C$250、2回目 C$500、3回目以降(12か月以内)C$750 の罰金。市が代わりに除雪し、所有者に最低 C$150 と GST・事務手数料を請求することがあり、払わないと固定資産税に加えられる
モントリオール市歩道と道路の除雪は市(区)が行う。敷地の雪を歩道・道路・公共の場所に出すことは、例外を除き禁止許可なく雪を出すと罰金の対象。額や細かいルールは区(borough)ごとに違う

バンクーバー市

バンクーバー市の冬の道路・歩道の管理のページ(新しいタブで開く)では、雪は道路や歩道ではなく自分の敷地へよけるよう求めています。

トロント市

トロント市の歩道の除雪のページ(新しいタブで開く)によると、市は公共の歩道のおよそ98%を除雪しています。消防が使えるよう、消火栓のまわりの雪を取り除くことも住民に求めています。除雪されていない歩道は 311 に通報できます。

カルガリー市

カルガリー市の雪と氷の条例のページ(新しいタブで開く)では、歩道の雪を道路へよけることは認められていますが、私有地の雪を公共の場所に出すことは認められていません。24時間を過ぎても除雪されていない歩道は 311 に通報できます。

モントリオール市

モントリオール市の案内(新しいタブで開く)によると、住戸が6戸以下で、車庫があり屋外の駐車スペースがない建物は、積雪が5cm以上のとき、市の積み込み作業の前に、車庫の入口と正面の入口の雪だけを決まった条件で道路に出せます。ほかに置き場所がない建物は、区に許可を申請できる場合があります。

市は、積雪が10〜15cmになると雪の積み込み作業を始めます。15cm以上の雪が予想されると、道路の片側に駐車禁止の標識が立ち、違反した車はレッカー移動されることがあります。

手順

  1. 住む市の除雪の条例と期限を、市のサイトで確かめる。
  2. 賃貸なら、雪かきをだれが行うかを大家に確かめる。
  3. 冬の前に雪かき用のスコップ(shovel)を用意する。
  4. 雪が降ったら、期限までに歩道の雪と氷を取り除く。雪は自分の敷地によけ、道路・歩道・消火栓の前に置かない。
  5. 自分で雪かきができないときは、市のボランティアの手伝いの仕組み(Snow Angels など)があるかを調べる。

ここに注意してね!

  • この記事で扱ったバンクーバー市、トロント市、カルガリー市では、自宅や店の前の歩道の雪かきが条例で決められた義務で、守らないと罰金があります。
  • 期限は市ごとに違います。バンクーバー市は時刻(10時)、トロント市とカルガリー市は雪がやんでからの時間で決まっています。
  • 敷地の雪を道路や歩道へ押し出すことは、この記事で扱った4市とも認めていません(モントリオール市には例外があります)。
  • 凍った歩道での転び方の防ぎ方は「凍結した道と転倒の防止」で扱います。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

生活凍結した道と転倒の防止(Winter walking safety)カナダの冬は、歩道や階段が凍って転びやすくなります。滑りにくい靴を履き、必要なら靴に付ける滑り止めを使い、「ペンギン歩き」で小さな歩幅でゆっくり歩くのが基本です。手はポケットから出し、重い荷物や歩きスマホを避けます。生活冬の服装と防寒具(Winter clothing)カナダの冬は地域によって氷点下が長く続き、風が強い日は肌が数分で凍ることもあります。重ね着をして風を通さない上着を着る、手・足・顔・耳を守る、ぬれたらすぐ着替える、の3つが基本です。外に出る前に体感温度(ウィンドチル)を確かめます。生活停電への備え(Power outages)冬の嵐などで停電すると、暖房が止まり、水道管が凍ることもあります。懐中電灯、電池式やハンドル式のラジオ、充電用のバッテリーを用意し、停電したら電力会社に知らせ、家電の電源を切ります。発電機やバーベキューのこんろを屋内で使うと一酸化炭素中毒の危険があります。地域ガイドトロントの冬の過ごし方トロントの冬は、1月の平均気温が−5.0°C、年間の降雪量が約115cmです(1991〜2020年のトロント・ピアソン空港の平年値)。市は雪の量に応じて、高速道路、幹線道路、住宅街の道路の順に塩をまき、除雪します。寒さが厳しいときには、市が暖を取れる場所(Warming Centres)を開きます。地域ガイドカルガリーの冬とシヌーク(Chinook)カルガリーの冬は、1月の平均気温が−7.6°C、年間の降雪量が約139cmです(1991〜2020年の平年値)。寒さが厳しい一方で、暖かい風のシヌーク(Chinook)が吹き、気温が上がる日もあります。市の冬の備えの案内と、寒さが厳しいときの支援のしくみをまとめます。生活冬の日照時間と過ごし方(季節性感情障害、Seasonal affective disorder、SAD)カナダの冬は日が短く、寒さで外に出る時間も減ります。秋から冬にかけて毎年気分が落ち込むものは、季節性感情障害(SAD)と呼ばれるうつの一つです。体を動かす、日中に外へ出るなどの工夫のほか、つらいときはファミリードクターや811、9-8-8に相談できます。